ハンドクリーム「今日は随分と冷えるな……」
窓の外を見ると、雪がしんしんと降っている。ジェイは、手袋を着用している義手の右手と素手の左手を擦り合わせた。
「…………」
「ん?どうかしたか?」
ジェイは同室のアッシュがベッドに腰掛けてこちらをじっと見つめている事に気づき、声をかける。するとアッシュは無言のまま立ち上がり、ジェイの側へズカズカと近寄ってきた。そして、「手を見せろ」と言うやいなや、強引にジェイの左手首を掴み上げてきた。
「うおっ……!? ど、どうしたんだ急に!?」
突然の出来事にジェイは驚きの声を上げる。アッシュはそんな事などお構い無しといった様子でジェイの手をまじまじと観察してくる。
「テメェ……、なんだこの手は! ひび割れまくってんじゃねぇか!」
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