ドライヤー ジェイが風呂から上がると、アッシュがソファに座って雑誌を読んでいた。その隣りに腰掛けて、ジェイは濡れた髪をバスタオルで拭く。
「おい、テメェ……。髪は洗面所で乾かしてこいといつも言ってんだろうが!」
「ん? ああ、すまん。つい面倒臭くて……」
「チッ……、これだから老いぼれは……」
アッシュは手にしていた雑誌を置くと、立ち上がって洗面所へと足を向けた。ドライヤーを手に戻ってきた彼は、再びジェイの隣りに座るとスイッチを入れて、温風をジェイの髪に当ててくる。
「おぉ! ありがとう、アッシュ!」
「ふんっ、ソファが濡れたら嫌なだけだ。老いぼれのためじゃねぇ」
ぶっきらぼうに言いながらも、ジェイの髪を乾かすアッシュの手つきはとても優しい。
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