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    佳芙司(kafukafuji)

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    リンク集【https://potofu.me/msrk36

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    POIPOI 71

    アッシュ誕生日(ジェイアシュ)。多分同棲しているX年後の世界。

    #ジェイアシュ
    j.a.s.

    日付変更線上の祝歌 そろそろ日付が変わるなと思った次の瞬間に朗らか、もとい騒がしい笑顔で誕生日を祝われた日も懐かしい。だいたいにしてその笑顔が既にうるさいのだ。仕事中は一欠片も見せない油断を、スイッチがプライベートに切り替わった瞬間に駄々漏れにするのだから気付かないようにする方が苦労する。気付いてほしいとか喜んでほしいとかいつもと違う反応が見たいとかの雑多な欲求が多過ぎるのも問題だ。こんな人間だからこそこの、人好きする年増の男を皆甘やかしてきたのだろうし、またその好意を甘んじて享受してきたからこそ受けた報いもあったんだろう。
     だからもうコイツを甘やかしてやれるのは俺しかいない。これは許容ではない、惚れた弱味などでは決してない。妥協と諦観、こちらが折れてやったのだ。
     今年もきっと、老いぼれはくだらない事を考えている。


    ***


     遥か海と空の向こうの子午線が二三時五五分の時刻を割り出した。
     もう計測上の一日は幾許もない、その僅かな時間を邪魔する可能性があった野暮な瑣末事はすべて片付けてきた。遮るものはなにもない。だからきっと待ちかねていただろうこの一言、あと数分で新しい歳を重ねる彼を言祝ぐ決まり文句を。

    「ビシッと決めて締め括るつもりだったんだけどなぁ」
    「いっそ清々しい小細工だな、ええ? この程度で驚く俺と思ったか」

     前回は日付が変わる瞬間に祝ったから今度は逆に日付が変わるギリギリまでハッキリとお祝いは言わないでおこう、という計画は本日より遡る事一週間前からあたためていたサプライズだった。しかし何処から漏れたのか、或いはこちらの考えそうな事などお見通しという事なのか。あっさりと見破って悠々と待ち構えていたターゲットは、態とらしくやれやれと肩を竦めて笑った。
     照準を合わせていたのは俺の方だった筈なのに、どうにも彼の前では見せたい格好良い自分でいられない。

    「次は諦めて正面突破するんだな」
    「おっ来年も祝わせてくれるのか!」
    「ああそうだ、挽回の機会を与えてやる」

     但し二度目はない。と言外に添えている眇めた眸は一旦見なかった事にして、いやぁよかったよかったと腰に当てている彼の手を捕まえた。ぎゅっと握ってしまえば両手は拘束したも同然になるというのに案外注意不足だ。気を許されていると思えばこそばゆい。逃がす訳にはいかない。

    「その機会には全身全霊で、今すぐにでも」



    〈了〉
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    佳芙司(kafukafuji)

    REHABILI園子さんは正真正銘のお嬢様なので本人も気付いてないような細かなところで育ちの良さが出ている。というのを早い段階で見抜いていた京極さんの話。
    元ネタ【https://twitter.com/msrnkn/status/1694614503923871965】
    京園⑰

     思い当たるところはいくらでもあった。
     元気で明るくて表情豊か。という、いつかの簡潔な第一印象を踏まえて、再会した時の彼女の立ち居振る舞いを見て気付いたのはまた別の印象だった。旅館の仲居達と交わしていた挨拶や立ち話の姿からして、慣れている、という雰囲気があった。給仕を受ける事に対して必要以上の緊張がない。此方の仕事を理解して弁えた態度で饗しを受ける、一人の客として振る舞う様子。行儀よくしようとしている風でも、慣れない旅先の土地で気を遣って張り詰めている風でもない。旅慣れているのかとも考えたが、最大の根拠になったのは、食堂で海鮮料理を食べた彼女の食後の後始末だった。
     子供を含めた四人の席、否や食堂全体で見ても、彼女の使った皿は一目で分かるほど他のどれとも違っていた。大抵の場合、そのままになっているか避けられている事が多いかいしきの笹の葉で、魚の頭や鰭や骨を被ってあった。綺麗に食べ終わった状態にしてはあまりに整いすぎている。此処に座っていた彼女達が東京から泊まりに来た高校生の予約客だと分かった上で、長く仲居として勤めている年輩の女性が『今時の若い子なのに珍しいわね』と、下膳を手伝ってくれた際に呟いていたのを聞き逃す事は勿論出来なかった。
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    佳芙司(kafukafuji)

    MOURNING前にピクシブに投稿してたやつ
    Like a bolt from the blue.(HeriosR/キース×ブラッド)

    「とにかく聞いてくれ、俺は昨日お前等と飲んで、リリーが帰った後にジェイと二軒目に行ったんだ、其処でもしたたか飲んじまって、まぁその時は後悔してなかったんだけど、会計済ませた後になってから段々吐き気を催す方向に酔いが回っちまったんだ、何度も泥酔の修羅場を潜り抜けてきた俺も流石にヤバいなと思って意識がある内にブラッドに連絡したんだ、俺はその時リニアの駅前のベンチにいたから大体の場所と、あとマジヤバい水飲みたいって事も伝えた、ちゃんと伝わってたのかどうか不安だったけどとにかくもう何とかしてくれーって気持ちだった、意識飛びそうなくらい眠気もあったけど、スられちゃ困ると思ってスマホと財布を握り締めて俺は大人しく待ってた訳だよ、そしたら着信があってさ、出たらブラッドなの、アイツなんて言ったと思う? 『項垂れてだらしなくベンチに座っているお前を見つけた。今そっちに向かう』って言ってさ、だらしなくって余計な事言いやがって、こっちはもう気分は最悪だってのによ、んで正面見たらさ、いたんだよ、真っ直ぐこっち見て、人混みの中を颯爽と歩いてくるブラッドがさ……なんかもう、今お前が歩いてるのはレッドカーペットの上ですか? ってな具合に迷いなくこっち来んの、しかも上手い具合に人の波も捌けててさ、もう何がなんだか分かんねーんだけど、目が離せなくて、ぼーっとしてる間にブラッドは俺の近くに来て、またアイツなんて言ったと思う? 『待たせたな』とかクッソ気障な事言いやがったんだよ笑いながら、いや待ってたけど、待ちかねてたけどさぁ、その確信を持った態度は何? って、唖然としちゃうってもんだよ、しかもこっちが何も言わないでいたら一言も言えないくらい体調が悪いのかって勘違いしたのかどうかは知らねーけど、わざわざ近寄って『立てるか?』とか訊いてくるし、いや立てるからって思って立ち上がろうとしたらさ、情けねーけど腰抜かしてたみたいで、よろけちまったんだよ、でもアイツは平然とこっちの腕引いて、オマケにアイツ、腰まで抱いて支えてきてさ、もう大混乱だよ明日雹でも降るんじゃねーのって思った、この天変地異の前触れを予感して困惑する俺を尻目にアイツは『手のかかる奴だな』とか笑いやがってさぁ」
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    佳芙司(kafukafuji)

    MOURNING出来上がってるオスアキのオスカーが昨夜の名残をジェイに見られてしまう的なアレ。
    男の勲章?(オスアキ前提オスカー+ジェイ)

     エリオスタワー内のジム設備があるフロアにて、こそこそとロッカールームに入っていく背中を見つけた。人目を気にするような、それとなく周囲を伺っているような。ただそのたった今入室していった人物がオスカー・ベイルだったので、ジェイ・キッドマンは思わず、んん? と声に出して首を傾げた。
     ジェイは以前、同チームのグレイ・リヴァースとトレーニングをした際に『人の目があると落ち着かないからロッカールームに人のいない時に着替えている』と話していた事を思い出した。彼は自分の筋肉のつきにくい体質や筋力不足を気にしていたようだが、果たしてかのオスカー・ベイルが、それを気にするような男だろうか。否や寧ろ逆であろう。
     オスカーがシャツを脱いでエリオスタワー内のジム器具を利用している様子は何度も見かけているし、自己鍛錬と研鑽に妥協のない男だから、まだまだだと冷静に己を見つめる事はあれど、人目から隠れて着替えようとするほど卑屈になる事はないだろう。ここは間を置いてから入るべきかと思ったが、もし何か思うところがあって体を縮こまらせているのならば、その悩みを聞くくらいは出来るし、何か人にいえないような怪我を負っているならば早急に確かめなければならない。
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