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    紫雨(shigure)

    @shigure_cbl

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    紫雨(shigure)

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    友人と会話していて思いついた、義城であったかもしれない、薛洋と暁星塵の一コマです。

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #薛洋
    xueYang
    #暁星塵
    venussDust

    ためらう小指「ね、道長。ちょっと俺のこと、抱きしめてみてくれない?」
    「抱きしめる……ですか?」
     突然の薛洋のお願いに、暁星塵は少し戸惑ったように聞き返した。
     薛洋は、暁星塵がこうやって困ったような顔をするのを見るのが大好きで、隙があれば突拍子のないことを言って、暁星塵の反応を楽しんでいた。
     冗談だよ、そう告げようとした薛洋の前に、白い影が差した。少しだけ屈んだ暁星塵が、薛洋の肩に手を回してそっと抱き寄せたのだ。
     上衣の袖が薛洋を覆い、全身が暁星塵に包み込まれる。
     息を吸うと、胸いっぱいに暁星塵の匂いが広がった。土埃と、汗の臭い。
     薛洋は衝動に突き動かされるように、両手を暁星塵の背に回そうとした。
     ところが、その肩に手を添える直前で、左の小指が疼き、薛洋は我にかえった。

     ――――ああ、だめだ。小指がないのがバレちまう。

     薛洋は左手を下ろすと、右手でパンパンと暁星塵の背を叩いた。
    「冗談だよ、道長。本気にするやつがあるかよ。小さいガキじゃないんだから、そんなことねだったりしないって」
    「そうですか?」
     暁星塵は、そっと距離を取ると穏やかな笑みを薛洋に向けた。
     薛洋は、自分の中にいる幼い子供を見据えられたように思えて、ひどく落ち着かない気持ちになった。
    「あぁ、そろそろ、買い出しに行かないとな。今日も俺が行ってきてやるよ」
    「私も一緒に行きますよ」
    「いいって。個人的な用事もあるからさ」
    「では…………お願いします。いつもありがとう」
     薛洋はひらひらと手を振りながら、籠を持って義城を後にした。

     峠を降りながら、薛洋は右の手のひらを鼻先にあてて、暁星塵の残り香を探した。
     あの時、小指が疼きさえしなければ、彼を抱きしめることができただろうか?
     失ってもなお痛む小指を、薛洋は憎らしく思った。
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    はるもん🌸

    MOURNING魏無羨がニヤニヤしながら嗅がせてきたのは、いつしか見た事のある見た目がおかしい香炉。眠る前から怪しい展開になるだろうことはわかっていたが、まさかこの時の夢を見るとは思わず、数回ほど藍忘機は目を瞬かせた。
    香炉 初めての口づけ―――これは、夢か。

    魏無羨が目隠しをしたまま笛を吹いている。自分はそれを眩しそうに見ていた。どうせ気づかれない、気づかれてもこれは夢。そう思い、藍忘機は昔と同じように木の上にいる魏無羨の元へと足を運ばせた。いつしかの夜狩りの帰りに、見知らぬ夫婦が木陰で深い口づけをしているのを見かけた。

    好きなもの同士なら、ああやって愛し合うのかと学んだ。
    そして魏無羨と同じ事がしたいという欲を感じた。

    魏無羨に初めて口づけをしかけた時、あの夫婦のそれを真似た。目を隠しをしたまま的(マト)に矢を放った時の魏無羨は本当に美しく見えた。あれは私のもだと印をつけたくなるほどに。

    笛の音が聞こえた瞬間、霊獣を狩る事よりも魏無羨の傍にいたいという欲求が強まった。そっと遠くから眺めるつもりだったが、風を感じて気持ち良さそうにしている無防備な彼を目前に我慢をする事ができなかった。もうすでに自分たちは道侶。今襲わなくても毎晩これでもかと愛し合っている。しかしこの瞬間、藍忘機はあの時の劣情がまざまざと蘇り、気づけば彼の手首を抑えて口づけていた。それも無理やり。
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