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    ryu_maru55

    @ryu_maru55

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    ryu_maru55

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    本誌を読んだ際の衝撃で書きましたが、力尽きました。多分kris

    #kris
    crisis
    #未完
    unfinished
    #腐ルーロック
    BlueLock Yaoi

    Mine.潔世一が何かしらを手中に入ることを許容し、願い、そして欲するものは片手で事足りるくらいであった。
    まずは海老の形をした緩い人形。これは等の昔に卒業済みだ。
    そして大部分を占めるサッカー。
    サッカーに関しては欲すること、手中へと収めたいものは五万とあるが、一括りにしてしまえばサッカーだ。
    自他ともに認めるサッカー馬鹿。青い監獄に居る者達は例外も居るがサッカー馬鹿の集まりであるから、これは珍しいことではなかった。
     
    しかしこの欲はサッカーが関わってくれば捨てることも厭わない程の事柄でもあった。
    メインがサッカーであるから、まず捨てる選択肢もほぼ無いに等しいのだが、その<サッカー>というステッカーが貼られた箱の中にはたくさんの欲と獲た宝たちが詰まっていた。
    『自分よりトラップを得意とする者を凌駕する方法』という見出しのツリーを見てみれば、「ダイレクトシュート」「メタビジョンによる先読み」「相手の戦法の規則性」などの自分が手にするべき事柄やすでに手中に収めた事柄、それらが大切に飾られている。
    潔はこの光景が好きだった。
     
    まるでアマゾンのマングローブみたいに張り巡らされたそれらは自分しか解けない迷路のようだった。
    同じようにこの景色を見た者は訳もわからずここを出ることなく野垂れ死ぬだろう。
    それだけの経験と戦いを青い監獄で何度も何度も繰り返し繰り返し行ってきたのだから、易々と抜けてこられては困るのだ。それでも海を渡り、空を飛べばひょいと簡単にその迷路を抜ける者が多かれ少なかれ存在するのも確か。
    潔は慢心することなくその森を、その迷路を大きく大きく広げていく。自分を壊し、自分を再構築することで迷路の道もまた増えていく。この行為に必要なものだけが潔にとって自分の欲する何かである。
     
    そしてそれを選ぶのはいつも、潔自身であった。
     
    そんなある日、ただ大きなマングローブの森の中に突然一つの生命が産み落とされた。
    潔自身、知る由もないそれは勝手に育ち、勝手に森を支える大黒柱となっていった。一時的に招き入れた糸師凛という存在もこの根を急速に伸ばし、成長させる栄養素があったというのに、そこにとどまることなく消えていった。
    それなのに、だ。迷路に入った瞬間にそれは自分の周りをぐるぐると駆け巡り、気付いたころにはゴールへ辿り着いている。道中の話も面白く退屈という言葉は一切出てこない。
    なんて素敵で、頼もしく、そして尊い存在なのだろうと潔は嬉しくなった。それは他の者が立ち入っても潔以外に手を貸すことなく、潔だけがゴールへと一番乗りできる最高のパートナーとなった。
     
    「黒名」
     
    「黒名」
     
    「黒名」
     
    「なんだ、潔」
     
    「いるぞ、いるぞ」
     
    「潔」
     
    名前を呼べば、視線を送れば、俺が動けば、応えてくれる、そこにいる。
    俺を中心に動く、俺だけの俺の惑星。
     
    青い監獄で出来た初めての味方に潔は執着した。しかしこの男はどこまでもサッカー馬鹿だった。
    黒名が共闘を断ったとき、きっと未練もなくそれを安易に受け入れるだろう。
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    MAIKING雑伊で現パロ(作家と編集)。
    長文や会話練習、体力づくりを目的に、毎週更新→ある程度まとまったら整えて支部にアップを予定しています。毎金曜目安。秋までに書ききりたい。ファイト自分。

    ・支部にアップする際に大幅加筆・修正の可能性があります
    ・誤字脱字因果関係の齟齬もその段階で直しますので見逃してください
    ・週刊漫画誌のネーム連載とか許せない方には向いてないです
    ・これは雑伊なのか?
    タイトル未定(作家と編集)★8/22追記 Pixivにて完成版を掲載しました!★
    みなさんからのリアクション(絵文字)を消すのが忍びないので、
    こちらのポイピク版はこのまま残させてもらいます〜




     編集長に声をかけられたのは、あるうららかな春の昼下がりだった。
    「善法寺、お前そろそろ担当つくか」
     薄汚れた社内の廊下。切れかかった蛍光灯が、ぢりぢりと小さな音を立てている。企画書のコピーとゲラの束を抱え、会議室に走っていた伊作は、すれ違い様の唐突な申し出につんのめりそうになった。
    「担当……ですか?」
    「うん。文芸編集部に入ったからには、やっぱり作家の一人や二人担当してなんぼだろ。お前、今月で二年目に入ったよな?」
    「はい」
    「じゃ、そろそろいいだろ。いい加減雑用だけで給料もらうにも飽きた頃だろうし」
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