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    ryu_maru55

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    41がタイムカプセルを開けて、何故かkisが優しくなる話 kiis

    #腐ルーロック
    rotatedLubeLock
    #kiis
    #カイ潔
    chiFilth

    お相手は俺錆び付いて変形した缶をそっと開けると、中にはガチャガチャのカプセルが入っており、小さな穴や開閉部にはテープが張られて密閉されている。軽く振るとカシャカシャと何か固いものが入っていることが分かった。
    何を入れたのか全く記憶のないそれに本当に自分の物かと疑ったが、カプセルの外には"よいち"という文字が綴られている。ぐるぐると何重にも巻かれたテープをやっとのことで外して中を確認すると、アンティーク風調のお洒落なネックレスが入っている。
    それをつまみ太陽に透かすと、真ん中にあるガラス部の中で何やら回っているのに気付く。呆けて観察している間も紅い雫の様なそれはくるりくるりとダンスを踊り続けていた。
    過去の自分にとってはとても大切なものだろうと、以降肌身離さず持ち歩き、もはや御守となっているそれを、青い監獄へも持ってきていた。
    自分の成長に躓いた時、相棒を取られた時、負けた時。乗り越えるときは無意識の内に握りしめたそれの存在をチームメイトは毎度不思議そうに聞いてきた。正直自分でも分からないそれは、御守りとしか答えることはできなかった。
     
    「おい、世一。ふざけているのか?クソ下民が。よくもそんなことが言えるな」
    「はっ、いつも無駄口ばかり吠えてうるせぇと思ってたけど、クソ青薔薇野郎こそついには言葉も話せなくなったのか?」
     
    口を開けば皆が目頭を押さえてため息をつくやり取りが繰り広げられるいつも通りの潔とカイザーのレスバ。
    今日はカイザーが先に手を出しそうな雰囲気があるところから、潔が優勢か。とのんびり考えていると案の定、カイザーの手が潔の胸倉を掴んだ。
    因みに現在の服はスウェットだ。ズボンに居れていた上着部がずるりと外に出ると、ポケットの膨らみが合わせて上に上がるのを感じた。
    潔は慌てて防ぐために手を出すも間に合わず、ガシャンという音と共にペンダントが下に落ちた。
     
    「ん?ペンダント?・・・世一ぃ、なんだこれは。青臭いガキがこんなペンダントを、」
    「? おい、触んな。返せよ」
     
    案の定、自分がペンダントを持っていることを鼻で嗤ったカイザーを睨みつけるが、言葉を途中で切ったところからカイザーの反応がない。
    不思議に思いながらもその手にある物を奪い返す。
     
    「おい、これどこで手に入れた?」
    「は?昔埋めたタイムカプセルから出てきたんだ。小学校の頃の記憶らしいけど覚えてねぇよ」
    「・・・」
    「あ、おい!」
     
    教えるつもりは毛頭なかったが、カイザーの顔があまりにも真剣で少し怖気づいてしまった。
    教えてやったにも関わらず、考えるそぶりを見せた後、そのままどこかへ戻って行ってしまった。何だったんだと唖然として後ろを見送ってしまった。
     
    「あぁ、世一。昨日は悪かったな。」
    「んだよ、まだなに、か?え?悪かった?」
    「そうだ。昨日は全面的に俺が悪かった。ところで昨日のペンダントのことなんだが」
    「え、あ、うん。いや、俺も言いすぎて、ごめん?え?ペンダント?あぁ、うん」
     
    次の日、食堂で出くわしたカイザーが素直に謝罪してきた。それはもう怖かった。思わず二の腕を摩るが、それに対してのからかいも嫌味も飛んでこない。
    それさえもどうでも良いかのように、話題はペンダントへ向けられた。ペンダントがなんだと言うのか。カイザーには関係ないはずなのに。疑問と困惑できっと今の表情は相当酷い状態に違いない。
     
    「あのペンダント、俺は昔見たことがある。俺は思い出したいと思っているが、きっと一人じゃ無理だ。ということで世一。協力してくれるよな?」
     
    ニコリと弧を描く目元。
    強制だ。明らかにこれは強制だ。何故と言い返したいのに今のカイザーの大変穏やかなために強く出れない。潔世一は元々お人好しなのだ。
    自分の敵とならない相手には相当甘い。今までボロクソな関係を築いてきた相手にさえ懐柔されてしまうくらいに。最低限の抵抗として射角に頷くと大変満足といった笑顔でカイザーは頷いた。
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