Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    kakiisoishii

    花卉(かき)です。夢腐の文字練習置き場
    鬼丸、三池、とくびぐみ など

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 14

    kakiisoishii

    ☆quiet follow

    典ソハ
    Twitterに載せてたものを移動

    #典ソハ
    formerSovietUnion
    ##腐

    雷の話 ピシャリ、と空に閃光が走る。一寸遅れて響くごろごろ……本日の本丸は雷雨に見舞われていた。
    「まーた光ったなぁ」
    「そうだな。……しばらくは止まないだろう」
     大典太御用達になりつつある蔵で何をするでもなく休日を過ごしていた三池兄弟。雨脚は強まるばかりで、母屋へと戻る僅かな距離の移動も億劫になるほどだ。
    「雷の日なのに非番なんて残念だよなぁ。出陣だったら兄弟のカッコイイ活躍が見れたのに」
    「別に……少し調子が良くなるだけだ」
    「またまた」
     からからと笑うソハヤに対し、小さな文庫本の陰に隠れるように膝を抱えて大きな体を縮まらせる大典太。素直な褒め言葉に照れているらしい。
    「加賀では雷が多かったからな。蔵にいても稲妻と雷鳴は届く……外のことが分かるのは嬉しかったんだ」
    「ふぅん。俺はてっきりいつの間にか雷様とご縁でも結んだのかと思ってたぜ」
    「雷様は知らないが……暑いからとだらしのない格好をしていると、俺がへそを取るぞ」
    「うわっ、ちょっ、アハハッくすぐるなよ!えい!」
     薄着で寛いでいたソハヤのTシャツの裾は捲れており、隙間から手を入れて脇腹を撫で回す大典太。一方のソハヤも身をよじりながらも手を伸ばし、相手のヘアバンドをぐいと目元まで下ろして対抗する。
    「ッ、やったな……」
    「おー、やるか?受けて立つぜ」
    「上等だ」
     何度目かの稲光が空に走ったのを皮切りに再び始まる小競り合い。雨雲が本丸から遠ざかるまではまだしばらく掛かる事だろう。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💜💛💜💛💜💛💜💛💜💛
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    fuuka_xxxx

    MOURNING※これを書いた人は刀剣男士が海外に出陣した事は今のところない、を知らずに少し前に書きました

    ※いい男に民族衣装を着せたい、が裏テーマです

    ※にゃんちょぎの様な、ちょぎにゃんの様な、どっちつかずになってしまいました…

    ※特殊設定でも大丈夫な方のみお願いします
    海外に出陣するタイプの本丸 十三世紀、歴史上では他国に侵略され滅びるはずだった中東某国で異変が起きている。他国からの侵攻を防ぎ国境警備の要である要塞での戦いに勝利してしまったのだ。正史ではここを落とされたことを聞きつけた他国が次々と戦いに加勢し、十数年後には某国は歴史から消え去る。その流れを汲む戦いで勝利するのはおかしい。時間遡行軍の影響を感知したので至急、貴殿の本丸から刀剣男士を出陣させて欲しい。

    「まぁ、短くまとめると政府からの要請はこんな感じです。戦が絡むとなれば軍関係者か王侯貴族ってことで何人か先に王宮に潜り込ませていますが、市井の民からも何かしら情報が掴めるかもしれません。いつの時代も人は噂話が好きですからねぇ。遠征帰りのところ申し訳ないんですけど、手入れが終わり次第こちらの任務についてもらいます。ここまでで何か質問ありますか?」
    1833

    tom_y_2

    DONE女審神者オンラインイベントー紫陽花ーの展示作品です。とんさにです。
    花雷は二度咲く 花火は初秋の季語だそうだ。秋の初め、つまりは夏の終わり。たしかに日が短くなり始めた頃の夜空に火薬の光は良く似合うかもしれない。が、物事には必ず例外がある。ある本丸の審神者にとって花火大会は、夏を知らせるものであった。
    「お、今年もこの時期か」
     政府のお知らせに一枚のちらしが交じっていた。まだ夏とは言い切れないこの時期に審神者が拠点とする地域では花火大会をする。残念ながら――というか、なんというか、その花火大会は決して有名ではない。有名ではないが、そこそこの数が打ちあがるため地域にとっては一大イベントなのであった。
    「防寒具は必須……まだ寒いものね」
     本丸からその花火を見ることはできない。地図を見ると近くの川で打ちあがっているらしいから、きっと政府が空間を区分しているのね、と審神者は納得するようにしていた。審神者は歩きながらそのちらしを眺めた。A席、座敷席、観覧席……地元の小さな花火大会と侮っていた。思ったよりもいろんなチケットがある。審神者はチケットを買って花火を見るという文化は知っているけれど、したことはない。そもそも、花火大会に行ったのも、ずいぶん昔の話――
    5973

    ktuongrms

    DONE8月某日数年ぶりに本丸へ帰還しました
    江戸城宝物庫を開け進めるには絶妙に時間が足りずうちに京極正宗はおりません
    石田の兄上鍛刀祭はうちの資材を派手に散らしたので一足先に終了(勝手に)
    56億7千年後にでも来るつもりかな 兄上
    そんな憤りから思わずカッとなって書き殴りました
    全ての不敬と解釈違いに全力で土下座しながら奉納します
    我が身こそその唯一で在れと本丸から眺める風景はすでに秋桜に揺れているというのに身体に纏わりつく空気はいつまでも独特のこもった湿り気を帯びてあつい。

    「主、惜しかった。」

    暑さと過ぎた集中でもう何度目なのか記録に記すのも怪しくなってきた頃、近侍の声が鍛冶場へ静かに広がった。


    額に流れる汗を拭ってゆく手のひらには労りが込められ、片膝をついて覗き込んでくる眼がこれ以上の鍛刀は否と告げている。

    肺に満ちていた緊張を解き放つように、深い息をひとつ吐いた。

    握りしめていた札がゆっくりと己の手を離れていくのを見送る。

    札が近侍の胸に納められるのを見届け、その両の手を借りた。

    重なった手のひらがどちらからともなく強く握られる。

    必ず顕現させると意気込んだ手前、情けなさと申し訳なさが相まり遣る瀬なさに鼻の奥がつんとした。
    928