甘やかして「れおくん!? だから変な棒とか石とか拾って来ないでって言ってるでしょ!? ああ、もう、ほんと嫌!」
「そんなこと言うなよな~! セナの鬼! 小言言うのがセナ! って感じだけど、たまにはおれを甘やかしてくれよ~!」
「はぁ? いつも甘やかしてあげてるでしょ? 文句あるの?」
「やだやだ! もっと優しくして!」
「赤ちゃんか!」
ああ言えばこう言う。ほんと駄々っ子の赤ちゃんみたい。尚も、やだやだと言い続け、手足をジタバタさせている。とても十九歳の男の子には見えない。
「わかった。今日だけ、甘やかしてあげる。小言も言わない。あんたのこと全肯定してあげる。それでいいでしょ」
「へ?」
「じゃあこの棒と石は洗ってバルコニーに干しておくからね。後で部屋に片付けておきなよ?」
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