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    sayutaba18

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    いずレオ短文「寝顔」

    #いずレオ
    izuLeo

    寝顔 カーテンから漏れた日が照らす、銀色のまつ毛がふるりと震えた。そろそろ起きるのだろうかと凝視してみたけれど、一向にアイスブルーの瞳は見えてこなかった。美人は三日で飽きると言うけれど、レオはそんな日が来ることはないだろうと知っている。今だって、泉が起きるまでの贅沢な時間を噛み締めているのだ。他に寝顔を見て楽しい人物と言えば妹くらいだけれども、それに匹敵するくらい嬉々たる時間だ。
     あ、頭が動いた。
     少しだけ髪が揺れたので、今度こそ起きるのかと思ったけれど、寝返りを打つと同時に布団を少し持っていかれた。初夏を迎えても真っ白な肌は見えなくなり、替わりにふわふわの銀髪が目の前にある。そこに人差し指を突っ込んで、くるくるとのの字を書くように指に絡めて遊ぶ。さらさらでふわふわで気持ちがいい。起きている時にやろうものなら、瞬時に手を叩き落とされてしまうだろう。でも、生憎と文句を言う口は閉じられているのでその心配もない。
     そのままスーっと首筋を爪で辿って、肩甲骨の周りをゆっくり移動する。そこまで来た途端に、ぐるんと泉の身体が元の位置に返ってきた。
    「あ、セナ起きた? おはよう~!」
    「おはようじゃないっての! 今日はオフだから朝ゆっくり寝ようと思ってたのにあんたのせいで起きちゃったでしょ!」
    「っ、ごめん! 二度寝していいから!」
    「こんな気分で二度寝できるわけないでしょ! 責任とってよねぇ!」
    「せ、せきにん……?」
     先程までの優雅な時間から一変して、緊迫した雰囲気になってきた。寝起きの瞬間から文句を言うなんて朝から泉が元気そうで何よりだけど、そんな事を口に出すと火に油を注ぐ結果になることも知っている。
    「ぐぇっ」
    「抱き枕にしても文句言われる筋合いないよねぇ?」
     抱き枕っていうか、だいぶおれ潰れてるけど……?
    「絞まってる! 首が絞まってるってば!」
    「うるさい! ごちゃごちゃ言わないで俺と一緒に二度寝しな!」
    「一緒に二度寝はこれ以上ないくらい霊感が湧きそうだけど、セナの顔が近すぎて寝れそうにない!」
     しばらくギャーギャー文句を言ってみたけれど、抱き枕と言いながら回された腕が段々と強くなってきたので止めた。
     セナ、今日は抱っこの気分だったのかな~? ま、セナの方から来るなんて珍しいから、おれはこのままでもいいんだけど。
     特に二度寝する気分ではなかったけれど、一緒に二度寝しようと誘われたのがなんとなく嬉しくて泉の背中に腕を回した。
     たまにはこんな休日もありだな。と、深い深呼吸をして、レオもゆっくりと瞳を閉じた。
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    sayutaba18

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     気持ちがいっぱいになって、涙が溢れそうになる。泣いちゃだめ。泣いてもママは見つからない。お店の人に聞いたらママを探してくれるのかな。でも、誰がお店の人かわからない。

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     眠そうなとろんとした赤い目が、いい人なのか、悪い人 2870