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    dokumamushidou

    @dokumamushidou の、ピクシブに上げるほどじゃないけどツイッターにあげるにはちょっと…的なものとかを上げていきます

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    dokumamushidou

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    また……着地点が迷子に……

    #ちどはん
    localFeudalLord
    #腐向け
    Rot

    膝に乗せて 小さな刀が仲の良い大きな刀の側にいることは良くある。
     「大千鳥」
     泛塵も、そんな刀たちと同じ様に大千鳥十文字槍の側にいる。
     胡座をかいた大千鳥十文字槍の脚の間にすとんと座るのが定位置になっていた。なんだかそこが落ち着くのだ。彼のぬくもりも、頭のすぐ上から聞こえる声も心地好い。
     だが、ある日。
     「もう乗らないでくれ」
     いつものようにそこへ腰をおろそうとしたら、背を押されて拒まれた。
     「何故だ?」
     「……重いから……」
     「なに」
     泛塵が振り返ると、大千鳥十文字槍はばつが悪そうに眼を逸した。
     ……嫌だったなんて、思わなかった。
     「……すまなかった」
     震える声をなんとか絞り出して一言だけ告げると、泛塵はその場から走り去った。

     「……」
     まさか、嫌がられているとは思ってもみなかった。
     泛塵と大千鳥十文字槍は同じ真田のもので、二人きりしかいない。
     二人でお互いを支え合ってやっていくものだと思っていた……思っていたけど。
     よく考えたら脇差と槍だし、刀派も違うし、同じ主のものだった事以外の共通点が無い。
     なんて微かな繋がりだろうか。
     自分は、この塵のような僅かな縁にすがっていたのか。
     同じ主だからと、図々しくもその縁を笠に着て大千鳥十文字槍に甘えていたのではないか。
     「僕は愚かな塵だな……」
     この日から、泛塵は意識して大千鳥十文字槍のそばに行かないように努めた。

     「最近は一緒にいないのか、真田の脇差よ」
     今夜は珍しく酒宴が開かれていた。
     その最中でも、泛塵は大千鳥十文字槍とは離れた端の卓について賑やかな皆をぼんやり眺めながらちびちびとやっていた。
     「……一緒にいる理由がない」
     薙刀は脇差や短刀を構いたがる、と言うのはこの本丸に顕現していくらか経った泛塵でも知っている事だ。
     「理由?理由がないと一緒にいてはいけないのか。なら俺は脇差と仲良くなりたい。明確な理由があるから良いな」
     「……」
     泛塵はちらりと静型薙刀を見た。
     大千鳥十文字槍とは馬が合わず、彼と一緒に居た時には挑発するか近寄らないかのどちらかだったのに、離れたのを好機と見たのか構いに来たようだ。
     「……この塵と仲良くなりたいだなんて、物好きだな」
     断る理由もない。そもそも同じ本丸の刀同士だ、交流を深めることは大事だろう。
     酒宴の喧騒の外で泛塵と静型薙刀は酒を飲みながらとりとめもない事を話し続けた。
     「どうした脇差。ねんねの時間か」
     話がたどたどしくなり、泛塵の目蓋は今にも閉じそうで、静型薙刀は苦笑しながら小さな手から盃を奪った。
     「うん……眠くなった……静型よ、今夜は興味深い話を、……」
     「おう、寝たか?ここで?」
     卓に頭を乗せてくったりとした泛塵をどうして良いか解らず、静型薙刀はおろおろと周りを見るが、気付けば残っているものは酒の強いものかすでに潰れたものばかりだった。
     「困ったな」
     しかしこのままにしてはおけない。
     「……ちどり……」
     「うん?どうした」
     ぽつりと呟いた言葉に首を傾げる。
     「……おおちどりのひざにのりたい……」
     ぽろぽろと泣き出した泛塵をどうして良いか、ますます困惑する。
     「朱槍の膝を所望か。薙刀では駄目か」
     ぽんぽんと自分の膝を叩いてみるが、泛塵は首を横に振るばかりだ。
     「……むぅ……困った」
     とりあえず涙でも拭いてやるか、と伸ばした手を後ろから無造作に掴まれた。
     「……泛塵に構うな」
     「おお朱槍か。お前恋しさに姫が泣いておるぞ」
     「……」
     静型薙刀の挑発を一瞥して、大千鳥十文字槍は眠ってしまった泛塵を抱きかかえた。

     「……やだ、大千鳥、おおちどり」
     酔っているのか、寝ぼけているのか、泛塵は抱き上げられたことに気付いてばたばたと手足を暴れさせた。
     「暴れるな、落としてしまう。……俺だ」
     ぎゅっと暴れないように強く抱きしめると、泛塵はすぅと大人しくなった。
     「……おおちどり……?」
     ぼんやりと開いた目は涙に濡れていてまだ正気とは思えない。
     「そうだ。お前の部屋まで運ぶから大人しくしていろ」
     大人しく、と言われたのに、泛塵は飛びかかるような勢いで大千鳥十文字槍の首にしがみついた。
     「!こら、危ない」
     このままでは落とす、と判断して、大千鳥は渡り廊下に泛塵をおろした。
     「や、やだ」
     「嫌ではない、危うく落とすところだったぞ」
     「……離したら嫌だ」
     「泛塵?」
     首から泛塵が離れず、大千鳥十文字槍は無理な中腰のまま立っている。
     「どうした、酔っているのか」
     「……酔っている。酔っているから許してくれ。お前の膝に乗せてくれ……」
     泣いているかのような掠れた声で絞り出すような呟き。
     「……泛塵」
     「お前が嫌な事を強いる僕は悪い刀だ。でも、我慢できない……お前の膝が恋しい」
     なんとか引き剥がすとぽろぽろと泣きながら必死に訴えてくる。大千鳥十文字槍は短く息を吐くと泣きじゃくる泛塵の肩を両手で掴んだ。
     「……膝に乗るだけで済まなくても、良いのか」
     「乗せてくれるならなんでもする……」
     涙に濡れた金色の瞳がじっと大千鳥十文字槍を見る。大千鳥十文字槍は一瞬鋭い眼をして、その後諦めたように眼を閉じた。
     「……解った。お前が気が済むまで付き合ってやる。ひとまず部屋に行こう」

     もう一度泛塵を抱きかかえて彼の個室へと連れてゆく。綺麗に掃除された自室は脇差にはちょうど良くても槍には少し狭く感じた。
     「……ほら、良いぞ」
     その少し狭い部屋の真ん中で大千鳥十文字槍は胡座をかくと膝をぽんと叩いた。
     「……うん……」
     その間にぽふっと座ると、背中を大千鳥十文字槍の胸に預けた。
     「…………やっぱりここがいちばん……」
     ふー、と息を吐いて全身を預ける小さな脇差を、大千鳥十文字槍は後ろからぎゅっと抱き締めた。
     「……大千鳥?」
     肩を抱き寄せ、つむじの匂いを深く吸い込む。ふんふんと匂いを嗅ぐ音がする。
     「?なに??」
     振り向こうとした頭を固定され、耳の後ろまで匂いを嗅がれている。
     「」
     ぺろりと耳の後ろが濡れた。
     「おおちどり何を」
     「……乗るだけで済まない、と言っただろう」
     「え、」
     今度は後ろを向くように顎を固定された、と思ったら唇を塞がれた。
     「」
     驚いてきつく結んだ唇を濡らすように解すように何度も柔らかい舌がなぞってゆく。
     「おおちどり」
     怯えた様に呟いた隙にぬるりと舌を押し込む。
     「ん、んん」
     歯列を割って入ってきた舌は泛塵の口腔内を確かめるように舐ってゆく。苦しくて、何が起きているのか解らなくて、泛塵の身体から力が抜けてゆく。
     「……酒くさい……」
     「……お互い様だ」
     ぐったりした泛塵をまるで人形でも操るようにくるりとその身体の向きを変え、脚を開かせて向かい合わせに自分の上に乗せると再び唇を奪う。
     「ん、」
     滑り落ちそうな身体を支えるために自分の首に手を回させて、自分と違う酒の味がする舌を味わう。
     「んん、……な、なんで」
     はぁはぁと荒い息をつきながら口付けの合間になんとかそれだけ尋ねると、ぐぐ、と引き寄せられ大千鳥十文字槍と泛塵の身体の中心が触れ合った。
     「あつ、」
     ごり、と触れた硬いものに動物的な本能で怯える。
     「……お前が膝に、腕の中にいて……冷静で居られるほど俺もまともじゃない様だ。忠告はした。それでも来たのはお前だ。もう逃がさないぞ」
     

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