自室に忍び寄る影 深夜零時。
さすがにそろそろ寝ようと、自分は自室のベッドに潜り込んだ。常夜灯をつけたままの薄暗い部屋でゆったりと目を閉じ、夢の世界へ旅立つ準備をする。
心地よい体の脱力感と、チラリチラリと飛ぶ思考。あぁ、自分は眠くて仕方がないのだな。もうすぐ夢の世界に旅立つのだろうな。
そんなことをぼんやりと考えていたところに、一つの気になる音が耳に飛び込んできた。その音で自分は現の世界へと思考が呼び戻される。
キィィ……
扉が静かに開く音だった。細い帯のような廊下の光が部屋の中を一瞬照らし、すぐにパタリと閉められる。
誰かが、自分の部屋に入ってきた。
「……誰?」
体を横たえたまま自分がそう問いかけると、部屋の中に入ってきたその人物はあからさまに溜息をつく。
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