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    @rio_danmei

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    現代AU三毒瘤の友情物語です。死体を埋めに行っています。
    グロ表現アリ。完全に趣味です。なんでも許せる人向け。私の趣味5000ですし、グロではないはずですが、解体してるので閲覧注意です。R-15。めっちゃナチュラルに殺人犯です。

    ##三毒瘤

    死体埋めに行く話。霊文がスマートフォンの通知を見たのは23時半だった。
    シャワーを浴びて、ドライヤーをかけながら薬指で通知を開いた。
    チャット画面には師無渡から「一人か?」と来ていた。裴茗も居るグループである。

    『周囲に人はいないか?見せたいものがある』と師無渡は切り出した。
    裴茗はまだ反応がなかったので、霊文一人である。

    いきなりビデオ通話になったかと思えば、そこには頭が陥没して大量の血を流す男が師無渡越しに映し出された。

    『やってしまった』

    どう見ても死んでいた。

    「…………いつかやると思ってました」

    霊文は溜息をついて、師無渡に事情を聞いた。死んでいる男は商談相手であり、前から師無渡はこの男が気に入らなかった。紆余曲折を経て、言い争った末に男に殴られ、殴り返した師無渡は素手ではなく、置かれていた重いガラスの灰皿で殴りつけた。

    『すると、死んでしまった』
    「『すると、死んでしまった』じゃないですよ」
    『助けてくれ』

    霊文はハァーッと絞り出すような溜息をつき、通った鼻筋の上に僅かな皺を刻んだ。彼女は顔を上げると、師無渡に尋ねる。

    「そこは何処です?貴方の家だったら終わりですよ」
    『ン。ココは会社だ。最も幸いなことに、この男が来ていたことは一応誰にも知られていない。何せ、私が帰ろうとしていたら突然押しかけてきたんだからな』
    「そうですか」
    『私を助けてくれるか?霊文』

    この男は自首する気など一切ないのだろうなと霊文は思った。まぁ、自分でもしないなと彼女は思った。




    「で?私の家に来たと」

    裴茗の家である。裴茗は例によって、絶世の美女と甘美な一夜を過ごしていた。
    お構いなしに彼の家のインターホンをダダダダダと連打した無渡は裴茗の女に金を握らせ追い出した。

    裴茗は青筋を立てながら霊文と無渡を迎え入れたが無渡が背負ってきた物体を見て、ウワ…と声を上げ天国から地獄への落差に天を仰いだ。
    でもマァ、神はいないので、天を仰いだところでどうにもならん。

    霊文と師無渡は裴茗の家の風呂場に直行し、排水溝を綺麗に目張りした。鋸とメスとゴーグルと袋は持参してたので、無渡と裴茗はサクサク解体を始めた。霊文は学生時代に医科大学でバイトをしていたことがあり、人体の構造についてある程度の造詣があったので彼女が効率的な解体方法を指示する。

    「なんで関節から外さないんですか?パーツにしてから鋸使った方がよくありませんか」
    「関節の外し方がわからん」
    「傑卿、見本見せてくれ」
    「こんな感じです。クリスマスとか丸鳥食べるときに関節外すでしょう?」
    「鳥の丸焼き食べられなくなるからやめて欲しい」
    「女に刺されて自分の内臓見たことがある人が何言ってるんですか。退院祝いにモツ鍋ご馳走してあげたの忘れましたか」
    「忘れてない。私のことが嫌いなのかと思った」

    霊文はその白く細長い指をヌルヌルと血に染め、「パキッ」と小気味良い音を立てて外してみせた。

    「霊文、お前のこういう汚れ仕事を厭わないところを私は好ましく思っている」
    「抱いてくれ傑卿」
    「黙って働いてください」

    大変な労働なのでしばらく男たちは無言で作業していたが、ハイになっているのか一度口を開けばベラベラと喋り始めた。

    「ウワ!!何か出た!!」
    「馬鹿野郎!内臓を傷つけるな!汚らしい!!」
    「馬鹿野郎??え、水哥?こんな時間にこんなことを一緒にしてくれる友人に対して馬鹿野郎って言いました?今。幻聴かな」
    「私だってこないだ慰謝料500万立て替えてやったろ。人妻に手を出すのはあれほどやめろと」
    「人妻はいいですよ。酸いも甘いも知り尽くした美女に手取り足取り導かれるのも中々どうしてハマりますよ」
    「まぁ私も嫌いではないな。楽で」

    浴室の扉は締まっているが、悪臭がリビングのほうまでくる。内臓の内容物が漏れたせいだ。
    霊文は裴茗に聞いて物置から脱臭機(香水や化粧品の匂いで他の女を連れ込んだことがバレないようにするために購入)を引っ張り出してスイッチを入れた。

    二人が作業している間に霊文は無渡が持ってきた男の財布の中身を確認し、衣服を細かく裁断した。
    無渡はヘマをするような男ではないが、ここまでの大事となると如何に彼でも完全に冷静さを保ったかはわからないと思えた。事細かに状況を聞き込み穴が無いか彼女は更に一つ一つ確認した。彼女の質問は全て重要な証拠になってしまう可能性があるもので、無渡が解答できない場合はそれを確認しにいかなければならなかった。結果として、彼が答えられなかった質問はなかった。

    「あ~~~~疲れた……」
    「霊文、煙草取ってくれ」

    男二人は深夜の肉体労働を終え、汗だくで血まみれになっていた。
    無渡は綺麗に磨き上げられている浴槽の中にドッカと座り込んで、セブンスターを吸った。霊文も一本拝借して換気扇の下で吸った。裴茗は吸わない。今の恋人が煙を嫌うから。

    裴茗は師無渡に水が掛からないように洗い場で血まみれの全身を洗った。
    裴茗の身体から流れ落ちた赤の色水がクルクルと回りながら目張りを取った排水溝に流れていくのを無渡は眺めた。昆虫のような視線だった。
    サッパリすると霊文が手を浴室につっこんでタオルと着替えをくれた。貴方も洗えと無渡のほうを見た裴茗は、おお、と感嘆した。

    髪を括って血まみれの半裸で煙草を吸う師無渡は、気迫に満ちていて、屈服を知らない男の顔をしている。裴茗は、色男だなと思った。


    ***


    裴茗の運転で、三人はある山に向かっていた。無渡は持ってる土地があったのでそこに埋めることにしたのだ。

    無渡は霊文に聞いた。

    「小分けにして公園のゴミ箱とかに捨てたほうがいいんじゃないか?」
    「ああいう公共の場のほうが確認されます。家庭用の生ゴミで出してしまうのも手なんですが、袋が破れて肌が見えたらアウトですから。人間の皮膚は非常に特徴的です」
    「なるほど」
    「広い私有地があるならそこに埋めるに越したことはないでしょう。土地っていうかこれ山ですよね。なんで買ったんですか?」
    「間違って買った。どうしようもないからソーラーパネルでもつけようかと思っていた」
    「山って間違って買うこととかあるんですか?」
    「今はなんでもクリックすれば買えるからな。酔って寝て、起きたら購入してた」
    「クリックって」

    三人は道路があるギリギリまで車で向かって、あとは背負って山に入った。ダニとかついたら嫌なので、フキ取りにでも山に入っていく人の恰好をした。タオルをアタマに巻いて襟元を塞ぐ。ショベルで狐などの野生動物に掘り返されないところまで深く掘ってから、バラバラにした肉片を入れた。
    裴茗も堪らず霊文に言った。

    「これ…なんか分解するものとか、一緒にいれたほうがいいんじゃないだろうか」
    「そんなもの用意する時間あるんですか。明日、もう今日ですね。私たちはいつも通りに絶対に出勤するべきです」
    「せめて煮るとか」
    「じゃあ今から持ち帰って煮ますか?貴方の家で」
    「いや……」

    埋めてから、三人は夜明け前の幹線道路を走った。途中、5分だけ浜辺によって朝日が昇るのを見た。霊文がコーヒーを保温ボトルに入れて、持ってきてくれていた。三人で緩やかな風に吹かれながら、それを飲んだ。

    夜明けのコーヒーはどうしてこんなに美味いんだろう。
    労働はソレ自体が喜びであると思った。

    三人は完徹していたし、緊張状態で頭脳も肉体も酷使していたので、ヘロヘロになっていたが極めて清々しい気分だった。

    この歳になってから、こんな友人たちができるとは。人生とはわからない。

    無渡はしみじみと思うのだった。

    「お前たち感謝している。礼金は出すし、落ち着いたら食事の席を設ける」
    「はい。それはそれとして今、一発殴らせて貰います」
    「同じく」

    別れ際、二人に無渡はバッコリ一発入れられた。

    「傑卿、送るぞ」
    「助かります」

    霊文はともかく裴茗のボディへの一発により、彼はしばらく立てなかった。
    なんとか、よっこらヨタヨタと家に帰ると、青玄が腹を出して眠っているのだった。


    あれから十年経つが、三人は今でも気の置けない仲である。
    特に何かが露見する兆しは未だ、無い。
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