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    kaannmi

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    スタオケ 銀唯

    ワードパレット
    14 花嫁の未知
    はじめて/イイ子/我慢して

    大人だからって自分に言い聞かせてる

    ##スタオケ
    ##銀唯
    ##小説

    花嫁の未知 ガチャッと扉の開く音の次に、バタバタと足音がする。次はきっと……ほら、いつもとおんなじ。背中にどすんと重みがきた。
    「銀河くん!」
    「またお前は……ノックしろって言ったよな」
    「したよ!」
    ノックの音なんて聞こえなかった。お前だけなら勝手に入ってもいい、なんて言ったのが悪かったのか、いつでも構わず突入してくる。
    そして、幼い頃から変わらない、真っ先に背中に飛びかかる癖。

    「嘘つくな。あと一ノ瀬先生な」
    「銀河くんは銀河くんだもん」
    「朝日奈」
    「はぁい。一ノ瀬せんせー」
    二人きりなんだからいいじゃんって文句、丸聞こえですよ、お嬢さん。普段から全然『一ノ瀬先生』なんて呼びやしない。
    するりと前に回ってきた彼女の尖った唇を、もっと尖らせるように頬を摘んでやる。
    そんななんてことないじゃれあいに、嬉しそうに目を細めて、擦り寄るように顔を近づけてくる。
    まるで犬だな、と思ったことは口にしない。俺は大人だから。

    あまりにも近づきすぎたら、引き剥がすように頭を掻き混ぜる。彼女はまた不満そうに唇を尖らせた。
    こいつが何を求めているかなんてわかっている。ここまでしておいて、っていうのも。
    そのままじゃれあっていると、必然的に甘い空気にだってなったりして。でも、こいつは知らない。大人がどれだけズルい生き物か。

    「おい、こら。こっちは……だーめ。今はこれで我慢して」
    俺は大人だ。重なりそうだった唇は、重なる前にちゃんと避ける。あからさまにしょんぼりした頭を撫でつけて、何度何度も撫でてやる。

    「卒業までイイ子にしてたら、ちゃーんと俺がはじめてもらってやるから」

    今は手を出す気なんてさらさらない。でも手放す気だってこれっぽちもないのだ。
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