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    江 谷

    過去のあれこれを供養してます。

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    江 谷

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    刀剣乱舞で夢十夜。

    【第三夜】 こんな夢を見た。
    「きみに預かってもらいたいんだ」
     石切丸が小さな鍵を差し出した。何に使うのか、どこの鍵なのか。石切丸からはいっさい説明がなかった。必要になれば使えばいい、と言われたが、必要な場面が思いつかなかい。僕は「とりあえず預かっておくよ」と答えた。
     薬研藤四郎が廊下をすれ違いざま、僕を呼び止め「これを」と鍵を差し出した。また鍵かと取りあぐねていると、薬研藤四郎は僕の手を取り、手のひらを上に向けさせ鍵をのせた。手を添えて握り込ませた後、その拳にぽんと手を重ねてから「確かに渡したからな」と言って去っていった。また理由は分からなかった。
     その後、本丸のあちらこちらで、たくさんの仲間から鍵を渡された。一本の時もあれば数本まとめて渡される時もあった。最後に鍵を渡してきたのは、にっかり青江だった。
    「さあ、これで君が持っている鍵は全部でいくつになったかな」
     僕は分からないと首を左右に振った。
    「いまので三十六本目だよ。君の元主と君が斬ったとされる人間の数と同じだ」
     僕は困惑した。その逸話と、これらの鍵にどんな関係があるのだろうか。
    「君が本当に斬ったかどうかではなく、そう言い伝えられていることが重要なんだよ。ほら、早くその鍵を使わないと、それは君の所に追いついてしまうよ」
     にっかり青江は僕の後ろを見つめながら、そんなことを言った。その時、なにかが床の上をひきずるような音がした。ザラザラと、人が畳の上をゆっくりはって進んでいるような音に聞こえた。
     近づいてくる。そう感じた時、僕はとっさに袂に入れていた鍵を握りしめた。どの鍵をどう使えばいいのか、それはまだ分からない。
     チャラチャラと鳴る鍵の音を聞きながら、ああこれは夢なのだ、と僕は夢の中で思った。
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