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    江 谷

    過去のあれこれを供養してます。

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    江 谷

    MOURNING『キミにうたう「すき」のうた』(http://sukinouta.web.fc2.com/)さまより【黒子と火神に7のお題】をお借りしました。(黒バス)
    3.おバカと子供 黒子は時々、本を読む。
     だいたいは、いつもみたいに感情の分からない顔で字面を追っているのだが、今日は時々、何かを考えているかのように視点が止まった。

    「なあ黒子、なに読んでんの?」
     火神が手を止めて黒子に聞く。
    「いいから、火神君はさっさとノート写してください」
     顔を上げてそれだけ言うと、黒子はまた手元の本へと顔を下げた。

     授業中に寝ていた火神は、当然ノートをとっていない。コピーすればいいわと考えていたら、まさかの提出しかも朝イチ、手書き以外は認めないという三重苦を負うはめになってしまった。
     当然、泣きつく先は黒子である。練習後、片付けもそこそこに、黒子の手を引っ張って帰宅した火神だ。
     マジバで写すという手もあったのだが、いつ終わるかも分からないものを延々イスに座って書き写す自信がなかったし、自宅というプライベートエリアで黒子を独り占めしたかったという下心も少なからずあった。おかげで、案の定作業は難航しているものの、火神の想像よりは捗っているという状況だった。
    1948