About:Wed Diazエオルゼアより南、南洋諸島の1つからやってきた長身の青年。
アッシュブラウンの髪、海色の瞳、褐色の肌を持つ。
霊3月25日(6月24日)生まれ。
24歳の時にリムサ・ロミンサで冒険者登録をし、現在26歳。
小さな島一つを生活の拠点とする漁村の子として生まれ、14歳まで自らも漁業に勤しんでいた。
両親、祖父、妹と暮らしていたが、ある夜突然島の人間が次々と異形化して殺し合う事件が起き、ウェド自身も異形化した妹に殺されかけ、応戦した際に逆に妹を殺してしまった。
絶望したウェドは自ら命を絶とうと海に身を投げるが、海上で交易船を装った対・無法者専門の海賊船に回収され、24歳で船を降ろされるまで覆面警察のような仕事をすることになる。
未開の土地の生まれながら、この船で元・海賊の老人とその仲間たちの保護下で過ごし、読み書きや文学・歴史・海図や星図の詳細な読み方など比較的高等教育を施されたために、リムサへ移住しても生活に苦労は無かった。
持ち前の明るさ、人懐こさとさっぱりとした振舞いで瞬く間に街に馴染み、さまざまな冒険へ身を投じることになる。
都会へ出てからも自分の育った村の古い信仰や習慣を続けている。死生観は自然や精霊に寄り添っていて、「命が尽きたら魂は精霊の元へ、肉体は大地へ還って次の命の礎に」「死はこの世での役目を終えたものに訪れる」「死に意味はなく、魂の生き様に意味がある」という考え方。
何をさせてもそつなくこなせる天才肌だが、それを可能にするために日頃の積み重ねも欠かさない努力家であり、勉強やトレーニングを日課にしている。
機械いじりが好きで、銃器などの武器や乗り物の修理もできる。しかし美術・料理のセンスは皆無で、その画伯ぶりはアリゼーにも勝る。
生まれてこのかた海での生活をしてきたためか、リムサ由来の斧術や銃術に長ける。巴術にも強い興味を示し、読書に勤しむ様子が度々目撃されている。故郷の事件が何故起こったのか、その原因を突き止めたいと思っているため、学者や召喚士たちに話を聞いてまわっていた。
整った顔立ちとしなやかな肉体、誰にでも優しい態度から、女性に大変モテる。本人も故郷の女神信仰が滲み付いて「女性はこの世界で最も尊く美しく、丁重に扱うべき存在」と思っているので、いらぬところで要らぬ恋愛トラブルをひっさげて帰ってくる事がしばしば。
お世辞でなく本気で思ったことを選んで褒めているのでたちが悪い。しかし恋愛関係には絶対に発展させず、後腐れない一晩の関係しか持たないようにしていた。
夜の誘いは男女問わずあまり断ることがないが、基本的に疲れるし面倒だと思っており、実はたいして色事に興味がない。あくまで「自分が必要とされているなら付き合う」姿勢。
覆面警察をしていた頃は色仕掛けの囮捜査を担当していたため、ハニートラップはおてのもの。毒や薬に耐性があり、心理戦も得意。
困っている人を進んで助けたり、自分に得のないことでも気持ちよく引き受ける反面、生殺与奪に一切の躊躇いがない冷酷な顔も持つ。過去に奴隷商に恋人を殺されたため、特に人攫いや奴隷商人に対して多大な復讐心を抱いていた。
ただし、例え殺し合った敵でもその命の尊厳が踏みにじられた時には激しく怒りをあらわにする。
戦い方は的確で無駄のない無機質なものだが、「多くの命を奪ってきた自分は、いつ死んでもいいはずだ」と思っている節があり、死に場所を探すように危険な仕事を受け続けていた。
アンバーと言う名の雌の鷹を連れ、まるで恋人のように扱っている。
その可愛がりようは仲間内でさえドン引きされるほど。なおアンバーはウェドをおおいに信頼こそすれ甘えるような様子はなく、時折迷惑そうに羽を膨らませている。
酒と煙草を嗜む。煙草は自作していて、スパイスのような少し変わった良い香りがする。
エールよりはワイン派。相当飲めるが飲み方を工夫しているだけなので飲み過ぎれば普通に酔う。
○主な人間関係(うちよそ)○
*テッド・リドア
・・・現在の恋人。小柄ながらに勇気のある青年。
*カナ
・・・東方系の青年癒術士。良き理解者で、家族のような存在。
*カイン・ウッフェルマン
・・・頼れる巨漢の友人。後腐れない夜の相手。
*アルダシア・ガラム
・・・天敵。テッドの支配者だった男。
*シーナ
・・・叔母。ウェドを殺そうとしている。
*サンディ・ラキ
・・・カナ経由での友人の一人。なにかとウェドを支援してくれる、縦にも横にも大きな灰毛のロスガル。旅の画家。コウジン訛りで間が抜けている。
*ヤコブ
*ムー
*トモ・ロウ
・・・ウェドの仕事仲間。特にヤコブとムーは付き合いの長い理解者。正体の掴めないトモには警戒心も抱いている。
○詳細○
*14歳まで*
父はエオルゼアの公用語が話せるために交易を担当していた島の有力者。母は巫女、妹はその後継者。
ウェドは南洋の民族には珍しく、褐色・暗色の髪でありながら青い瞳を持って生まれた。
14歳の夏のこと。父の仕事に興味を示さず、専ら祖父の漁業を見習っていたウェドは、いつものように小舟に乗って刺突漁へでた。あたりが暗くなり始めた頃、いざ帰ろうと櫂に手をかけたところで、彼は島の異変に気付いた。坂を登った高台、村がある方向のそこかしこに煙が立っている。
大急ぎで島に戻ったウェドを待ち受けていたのは、どろどろとした液状をした妖異だった。
妖異はどこからともなく現れ、逃げ惑う村人を無残に殺していく。ウェドが家に駆け戻ると、妹が息絶えた祖父にしがみついて泣いていた。
パニック状態の妹の手を取り、必死で崖下の小舟までの道を引き返すも、途中で数を増した妖異に追いつかれたウェドは、漁で使う銛を片手に立ち向かう。
周りを囲んでいた妖異を撃退し荒い息を整えていると、背後に庇っていた妹が突如として苦しみ始めた。驚いて振り返ったウェドの目の前で、妹はみるみるうちにその姿を失い、無数にあらわれた妖異と同じ姿と化す。
理解が追い付かず唖然とするウェドに、一瞬前まで妹だった何かは容赦なく攻撃を仕掛け、彼の左頬に一生消えることのない切傷を残した。
防戦しつつ妹の名前を叫び続けたウェドだったが、咄嗟に突き出した銛がその心核を貫いてしまい、自分の手で妹を殺してしまう。
どろどろと崩れ落ちる妖異が最後に発したのは、「おにいちゃん」とウェドを呼ぶ声だった。
絶望したウェドは溶け落ちた妹の残骸を飲み込み、再び集まってきた妖異を背に自ら海へ身を投げた。
「なんで、どうして…ああ、お前を化け物として死なせたくない。魂を『人』として精霊の元へ還さねば、再びこの地に帰ってこれない…!おれがお前を飲み込んで、人として共に連れて行こう」
死を願ったウェドは、しかし海上で交易船に回収され、一命を取り留める。
彼を引き上げた船は、藍鷹号という表向き交易船を装った対無法者専門の海賊船だった。
船長の老人は生きる気力を失い抜け殻のようになったウェドを息子のように育て、心が立ち直るまで決して見捨てず、仲間・家族として扱った。
*16歳の頃*
船の仲間たちはウェドを表の世界へ返そうと、事あるごとにラノシアの小さな島に住む元船員の老人宅へ預けていた。ウェドはそこで出会った年の近い活発な少女と想い合うようになる。
が、ウェドが不在の間に藍鷹号の追っていた奴隷商の襲撃を受け老人は殺され、恋人だった少女は拐われてしまう。
少女を奪還すべく奴隷商のアジトへ囮として乗り込んだウェドだったが、何者かの密告で正体がばれ、自らも捕らわれて少女と共に性奴隷として扱われた。この時目の前で少女をいたぶられた挙句にその命を奪われ、藍鷹号の船員たちによる救出劇によってまたしてもウェド一人が生き残る。
妹を殺し、恋人を守れなかったウェドは、自身の存在意義をならず者への復讐と粛清に見出していく。意欲的に教養や戦術、航海術、世渡りの技を身につけ、さらに人攫いや性奴隷商のもとに潜り込むために身体を使った性的な訓練も受けて、ウェドは見る間に藍鷹号でも指折りの船員に成長した。
*24歳〜現在*
育ての親である船長を看取ったウェドは、「リムサへ向かえ。冒険者になって、おまえ自身の物語を生きるために生きろ」という遺言を受け、船員たちに見送られながら老人の形見の雌鷲とともに新しい世界へ踏み出した。
自分の手で愛する家族を殺してしまった経験から、目の前で大切な誰かを失う恐怖に耐え切れず、恋人や家族は決して作らずに仲間とも一定の距離を置いていた。
妹を殺してしまったことにより植え付けられた「自分だけが生き続ける恐怖」は、以前リムサに立ち寄った際に知り合い幾度か仕事の協力要請をしたことのあった東方人で、船を降りてからさらに親交が深まったカナの存在でやわらぎ、恋人を守れなかったことで生じた「愛する人を失う恐怖」は、近年出会って恋人になったテッドの手によって癒されていく。