魏無羨、犬になってしまう(嘘だろ…?!俺が…犬?!)
池を覗き込み、魏無羨はその場で気絶した。すぐに藍忘機が倒れている犬を見つけ、近くに落ちている服でその黒い犬が魏無羨なのではないかと連れ帰る。静室で目を覚ました魏無羨はキュウと鳴き、藍忘機の膝にすがりつく。己の前足を見て
魏無羨は鳥肌が立った。まごうことなき犬だ。藍湛、どうしようと目を潤ませて彼を仰ぐ。
「やはり君は魏嬰なのか」
「わん」
魏無羨は自分の鳴き声に恐れ、尻尾を丸めて藍忘機の服に隠れるように体を小さくした。
「私がいる。怖くない」
よしよしと頭を撫でられる。
「きっと元に戻る」
邪祟の影響である事は予想ができた。今朝、犬に似た人形を藍景儀が持っていた。
悪い気を放っていた為、取り上げて処分をしたのだ。
翌日、元の人間の体に戻っていた。
「藍湛!戻ってる!」
「うん。良かった」
「あのままじゃあ藍湛のここの世話もできないからな。よしよし」
魏無羨は藍忘機の緩く立ち上がりかけているソレを撫でる。
藍忘機は魏無羨を見つめた。少し眉が寄っていた。
覚悟はできているんだろうな、とでも言いたそうだ。
魏無羨は肩頬を上げ、上半身を脱いだ。
「来いよ。昨日のお返しだ。今度は俺がお前を撫でてやるよ」
fin.