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    りつかさ/ス~ちゃんから母乳が出るのはどうやら俺のせいらしい

    #りつかさ

    淫魔パロ ス~ちゃんから母乳が出るのはどうやら俺のせいらしい。だから俺は今その責任をとり、学校のトイレの一室で、一心不乱にス~ちゃんのおっぱいを吸っている。
    「ッ、ン」
     ころころした弾力を舌先で転がすと、じゅわ、と口いっぱいに広がる甘さ。体はこんなに正直に、俺に応えて蜜を溢れさせているのに、ス~ちゃんのくちびるは固く閉ざされ、どうしても堪えきれなかった呻きだけが喉をふるわす。そのちぐはぐさがエッチだなと思う。ス~ちゃんが頭をのけぞらせ、振動を拾った戸板が、かたんとわずかに揺れた。清潔なトイレを満たす、うっすらアイボリーがかった湿度。それがス~ちゃんの吐息でみるみる桜色に染め変えられていく。狭い個室に呼吸と衣擦れ、俺のくちびるが立てる水音だけが響いて。増幅されて、肌にぶつかって。体ごと秘密でくるまれている感覚に、背筋がぞわぞわ粟立つ。
     ス~ちゃんのおうちは由緒正しいお武家であり、おとぎ話みたいなエピソードに事欠かない。ご先祖の勇敢なお殿さまが、巷を騒がす妖怪変化の退治に出かけ、そのままお嫁さんにしてしまった、とか。そういうのが本気で家系図に書いてある。それによると、閨にて欲の露を食らう――要するにエッチな方法で人のエネルギーをごはんにする、『淫魔』の遺伝子が、ス~ちゃんにも受け継がれているという。何世代も経て影響力を失ったはずのそれが、俺という吸血鬼の魔力にあてられるうち、いわゆる先祖返りを引き起こしてしまったのだとか。
     言ってもうちはス~ちゃんの家系図に登場するような『本物』ではないので、魔力なんて、仮にあったとしても大したものじゃない。ただ傍にいるだけならどうってことなかっただろう。けれども俺たちはそうじゃなかった。ス~ちゃんの体の奥の奥、本来なら誰も触れなかったはずのその場所に、俺の欲望を直接あげた。俺のぜんぶを感じて味わって刻みつけて忘れられなくなってほしいって、ス~ちゃんには言わないけれど、本当はそれくらいの粘っこい気持ちでもって、繰り返し、繰り返し。やがてス~ちゃんの遺伝子はその味を『思い出して』しまったのだ。だから俺のせい。というか、俺たちの共犯だ。
     そういうわけで俺は、ス~ちゃんの愛しいお兄さま兼、ス~ちゃんのごはんという大役も担うことになった。その見返りとしてなのか、いつしかス~ちゃんの体が提供してくれるようになったのが母乳だ。吸血鬼は人の体液を吸って生気をもらうので、確かに母乳を出してもらえれば、毎回肌を傷つけて血を吸うよりもwin-winなわけです。そこまで見越して適応してくれる、ただの人間とは文字通りひと味違う高性能な体。愛ってなんて都合がいいんだろうね。
     そんな不思議なしくみには弊害もあって、ス~ちゃんの体は俺への愛しさを感じると勝手にお乳を分泌し、胸が張ってしまうらしい。だから抱きしめたりキスしたり、時には大事だよって伝えるだけでもけっこう怒られることがあって、そればっかりは俺もちょっと不本意だけれど。同時に、愛されるのが上手な生きものだな、とも思う。ス~ちゃんが俺にときめいてくれた分だけ、胸の張りを解消する必要が生じるので、俺はこうして時々ス~ちゃんを誰もいない空き部屋やらトイレやらに押し込むことになる。搾るだけなら一人でできるとス~ちゃんは言うけど、せっかくス~ちゃんが俺のために生み出してくれたものだから、余さずいただくのが俺なりの責任のとり方のつもり。それと、単純に、ス~ちゃんのこと本当はぜんぶ食べちゃいたいって思うから。血を飲み尽くすわけにはいかないけれど、母乳ならス~ちゃんを損なわないままで、おなかいっぱいス~ちゃんを味わうことができる。もしかしたらス~ちゃんの体にはたらいたのはそういう防衛本能なのかも、なんて。
    「っふ、ぅ」
     ス~ちゃんは俺の背中にすがりながら声を殺している。おなかほどまで開けたワイシャツから、覗く肌は夕暮れの帳が下りていくみたいに上から少しずつ色づいて、しっとり汗をかいているのが分かった。ぷくりと浮き上がった乳輪をなぞって、舌を一周歩かせると、甘ったるいミルクの味にほんのりしょっぱさが混じる。それが俺に、もっと欲しいって思わせる。ふわふわの肉ごとかじりとるように歯を立てて、喉を締めて吸い上げる。ア、と鋭い声がス~ちゃんの口から漏れて、とくとくと俺の中にス~ちゃんの体液が落ちていく。おなかの奥が、俺の芯が、ぽうっと火をともしたように熱くなる。
     俺がス~ちゃんにそそぐ飲み込みにくい感情が、ス~ちゃんの中をめぐり優しいとろみに変わって、俺を生かす糧として溢れてくる。申し訳ないほど満ち足りて、むずがゆいほどあったかい、幸福の循環の中に置かれてしまったなと思う。
     顔を上げて、ス~ちゃんに見せつけるように舌なめずりをした。二人ぶんの吐息はもう足もとから個室をいっぱいに浸していて、波うつ熱のベール越しに、ス~ちゃんのひとみも濡れてはらはらと揺れている。
    「おいしい、のですか……?」
    「味見してみる?」
    「いえ、……っんむ」
     表情に一瞬、好奇心がよぎったことくらい、ス~ちゃんのお兄さまとしてはお見とおしだ。お行儀のよいくちびるが、欲望に蓋をする言葉を吐いてしまう前に、俺のを押しつけてふさいだ。
    「んんっ」
     濃厚な甘みでもったりと鈍くなった舌を、唾液ですすぐように、ス~ちゃんの舌に塗りつける。ついでに顎の裏の敏感なところを、先っぽでこすってあげると、背中に回るス~ちゃんのゆびに力がこもった。ぢゅぷっ、と粘り気のある音が頭を埋め尽くして、できるはずの息継ぎもうまくできていない気がして、とろりと滴る濃密なシロップの中へ、このまま溺れていってしまいそうに思えた。たぶんス~ちゃんもそうだろう、と思った。そうならいいと思った。
    「……は」
    「どう? 甘いでしょ」
    「わかりません……私の味なのか、凛月先輩の味なのか」
     口の端からこぼれたしずくを、ス~ちゃんのゆびが掬いとり、真っ赤な舌がちろりとぬぐう。同じ味を感じて、同じ熱に浮かされていると思うと、のどの奥がつんと痺れる心地がする。そういえば俺のことも、甘いってよく言ってるな、と俺は思い出す。ス~ちゃんのあらぬところで、俺をあらぬ食べ方する時にも。
    「一生懸命吸っていらっしゃるので、よほどおいしいのだろう、と思いまして」
    「そう?」
    「ええ。凛月先輩、頬がPinkに染まって……ふふ、愛らしいです」
     ス~ちゃんのおやゆびが、俺のまつげをくすぐるようにして、目の下をそっと撫でていく。そこにも汗がたまって濡れていたことに、それで気づいた。ス~ちゃんのまつげがうっとりとうつむき、小部屋の薄暗さを味方につけて、ほっぺに朱い影が差す。夜色のひとみは潤み、妖しいほほえみをつくって俺をいざなう。おいしそうって言われているんだと分かる。
    「……そうなっちゃうの、誰のせいだろうね」
     ああ、これこそ俺が育ててしまった、本当の魔物の力ってやつなんだ。逃れられないと知る俺は、ただこの子の獲物として、欲望をまた燃やすほかないのです。
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