食事会短編のホラー小説。虫の描写や陰鬱な表現などがあります。大丈夫な方がいればどうぞ。
俺が目を開けると、目の前には黒髪の男の子が座っていた。
「壱村先輩、今日は僕との食事会にいらっしゃってありがとうございます」
目の前の男の子はそう言った。服も顔も見たことがある…
「お前は…勇翔か。なんで…」
「えへへ、そうですよ。壱村先輩も元気そうですね」
ずれたような返事をされ、俺は妙な違和感を感じていた。冷や汗をかいた。
周りを見ると、よく海外テレビで男女の登場人物がディナーをする時に使われるような広々としたレストランだった。大体は食事を終え、指輪でも見せながら男が女に結婚を申し出るだろう。ベタ展開だが、今回の雰囲気は異様だ。
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