東向きワンルーム5承花。
久々に仕事が早く終わってお家ご飯頑張ってJ太朗待ってるK京院。
炙り和牛 秋刀魚 南瓜いとこ煮 茸茶碗蒸し。秋深まる食卓。
よし✨
帰宅のチャイムが鳴るもJ太朗がなかなか入って来ない。
K「どうしたんだい いつもは黙って入って来るのに」
玄関の扉も開け放しで手招きするJ太朗に怪訝顔で近づくとK京院の手を黙って引くJ太朗。
扉の向こう西の空に大きな満月。
K「わぁ…」
そういえば中秋の明月だったっけ
肩を寄せて一緒に月を見る。
K「もしかして これを見せたかったのかい」
J「ン…」
K「君は年々 言葉が少なくなるなぁ」
J「そうか」
K「でも 見せてくれてありがとう」
‘月がきれいですね‘
K「夕飯食べ終わったら散歩にでも行こうか」
J「それもいいが 夜更けになりゃ部屋の窓からも見えるぜ」
K「…そんな遅くまで寝かせない気か」
J「精のつきそうな良い匂いがしてたんでな」
K「ちょっ…扉!扉閉めてくれ」
抱き込まれて抗議するも‘ただいま‘と いい声で囁かれたなら ‘おかえり‘ と抱きしめ返すしかない。
秋の夜長。月は東に日は西に。