「んぁ、悟ぅ♡」
「どーしたの♡もうイきそう?♡」
「ぅん♡あ、やばっ♡イく♡イくっ♡♡あぅっ〜〜〜!!!♡♡♡」
「中ぎゅ〜ってしてるね♡」
トントンとリズム良く打ち付けられていた腰の動きが止まり、俺の中の収縮が収まるまでゆっくりと待ってくれる。幸せそうにおでこや鼻先にキスを落としながら「気持ちいいね♡」と蜂蜜より甘い声で囁いてきた。
「もう大丈夫そう?」
「うん」
「じゃあちょっと激しくするよ♡」
少しだけ強い力で腰を押さえつけられ、俺の良いところを擦りつつも悟が射精しやすいような律動が始まる。正常位の体位で俺の上に覆い被さり耳元で色っぽく喘ぎながら、必死に俺の名前を呼んでいた。
「はっ♡好き♡好きだよっ♡う゛っ♡♡」
ゴム越しに熱い精子が勢いよく注がれ、ゆるゆると腰を動かしてからゆっくりと中から陰茎を抜かれた。手早くゴムを処理した悟が俺の体を抱き上げ、無駄に広い浴室まで連れてってくれる。
「今日も可愛かったよ、ありがとう♡」
「いや、何回も言ってるけどありがとうって言われることはしてないよ」
「もー!してるの!!あと僕がありがとうって言いたんだから気にしないで!あ!ほら僕が体洗うからじっとしてて」
手につけたボディソープを悟の手で拭い取られ、そのまま体を洗われる。このままエロい雰囲気に持っていかれ、第二回戦に持ち込まれると考える人が大半だろう。
しかし俺の恋人である悟はいやらしいことを一切せず、マジでそのまま寝かしつけられるのだ。もしかして俺が寝た後にシコってるのではと思い、一度頑張って起きてみたのだがそのようなことは全く無かった。
いや別に良いのよ?
俺も男だから一、二回の射精で満足出来るのは知ってるよ?
けどあまりにも優しすぎんか?
毎回挿入までめちゃくちゃ時間をかけてくれるし、俺が止まってと言ったら止まってくれる。イった後は落ち着くまで待ってくれるし、賢者タイムを感じさせる事なく世話をしてくれる。
何度か今日は俺がやるからと積極的にフェラをしたり騎乗位をしようとした時もあったけど、気を使ったように気持ちいいよとありがとうを言われてなんとなく盛り上がりにかけたし、ご奉仕してくれたお礼といつもより前戯を多めにされて、ピロートークをしながら奉仕
されるよりするほうが好きだから頑張んなくていいよと言われてしまったのだ。
しかし俺も健全な成人済み男性、しかもアナル開発済み。
でろでろ甘々セックスももちろん良いが、発情した獣のようにセックスになだれ込むとか!イってるのに腰動かされるとか!気を失うまでヤるとか!やってみたいだろ!?
そういうおねだりしようにも、ほら分かる人には分かると思うんだが、あの顔面が丁寧に俺の事抱いてくれてるのにさらにプラスワン欲しいですとか言えないだろ。というか大体俺が悟と付き合えてる事自体が奇跡なんだから、あんまり迷惑をかけたくないし。
俺の腰を抱きながら幸せそうに寝息を立てている悟の頭を撫でると、むにゃむにゃと幸せそうな笑顔を浮かべた。
「さて、どうしようかな…」
*
「今人気沸騰中の恋する媚薬!皆さんも試してみませんかー!!」
仕事終わり、悟が泊まりにくるので近道をするためにいつもは通らないラブホ街を通っていると、布面積の少ないド派手な格好をしたお姉さんが大声で色々とアレな宣伝をしていた。恋する媚薬ってなに…。というか試供品で媚薬配る日本どうなってんの?
「あ!そこのお兄さんもどうぞー!!」
「いや、俺は大丈夫なんで…」
「そんなこと言わずに!これで恋人さんとあっっつい夜を過ごしちゃってください!!これうちの会社のHPが載ってるチラシです♡心配だったらHP検索してみてくださいね」
「は、ハハ」
凄い勢いで媚薬とチラシを渡されてしまった。お姉さんがっつありすぎだろ。
一度渡されたものを返品する勇気も出なかったのでとりあえずカバンに入れて家へと帰り、軽く夕食を済ませ風呂に入りながら中の準備をする。シャワーの音にかき消されそうになっていたが、玄関の鍵が開く音がしたので悟が家に入ってきたのだろう。
風呂から上がりタオルでガシガシと頭を拭きながらリビングへ行くと、ソファに脱力して寝転がっている悟がいた。
「お疲れさま」
「うん、今日の仕事本当に疲れたんだけど」
俺は悟の職業を詳しく知らない。本人は高専で教鞭を執っていると言っているが正直信じていない。だって高校の先生にしては出張とか多すぎだし、そもそも目隠ししてる先生とか怪しすぎるからだ。
「いつもの上司?」
「上司ってか上層部」
「よく頑張りました」
手入れの行き届いたサラサラの髪を撫でてあげると気持ち良さそうに目を細めた悟。そのまま俺の手を掴みグッと体を引き寄せ、俺が上から覆い被さるようにキスをされた。
「舌ちょうだい」
「ん、」
そっと舌を差し出すと甘噛みをされながら口内へ招き入れられる。
「唾液飲ませて」
「変態」
「なんとでも言って」
ふふんっと自信満々に言ってきたのでしょうがなく溜まっていた唾液を垂らしてあげると、下品に舌を伸ばしてそれをキャッチした。
「〜、キくぅぅ」
「ヤバすぎ」
流石にちょっと恥ずかしかったので「お風呂貯めておいたから入ってきな」と赤くなっているだろう顔を隠しながら悟から離れる。
「え、もうちょっとちゅーしようよ」
「やだ」
「やだってなに、可愛すぎるでしょ」
「いいからお風呂入ってきて!」
「はいはい」
よっこいせとソファから立ち上がった悟はそのまま大人しく風呂場へ向かった。
…なんか今日ちょっとだけ強引だったな。もしかしたら今日ならいつもより激しめのセックスができるかも!?
明日は休日、抱き潰されてもなんの支障もない。しかも俺にはさっきお姉さんに貰った媚薬がある!キたんじゃないか!?
そうと決まればいざ実行とウキウキで仕事用の鞄の中から瓶に入った媚薬を取り出し、一応貰ったチラシでやばい薬じゃないかを調べる。レビューは高めで期待値がどんどんと高まっていく。無味無臭か、ならお風呂上がりに飲む水に混ぜておこう。
ドキドキと高鳴る心臓を押さえながら悟がお風呂から上がってくるのを待つ。突然水を渡されたら不自然だろうからキッチンで洗い物をしているふりをしていると、下着だけを身につけた悟がリビングに入ってきた。
「冷たい水ちょうだい〜!」
「はいはい」
あくまで自然に。事前に薬を入れておいたコップに氷を入れ、悟のためだけに買い溜めをしているミネラルウォーターを注ぐ。手が震えないように気をつけながらソファに座っている悟のもとへコップを持っていき、渡した。
後は悟がこれを飲んでくれるのを待つだけだ。
目線を逸らしながら隣に座りスマホを弄るふりをする。
悟がコップを口に付けた。
それが傾き媚薬入りの水がいよいよ口内に…!
「...何か入れた?」
え!?バレた!?匂いしないのはさっき確認したんだけどな。というか悟一口も飲んでないじゃん。これで媚薬入れましたってバラすのめちゃくちゃ恥ずかしいから知らないふりしてよう。
「なんの事?」
「ふーん」
シン、とした空気が俺たちの間に流れる。心なしか空気も重いし、肌がビリビリするような感じだ。
「もう一回だけ聞くけど、何か入れた?」
「さぁ」
「あっそ」
え、もしかして怒ってる?なんで?
どうしようと内心焦っているうちにものすごい力で悟に腕を掴まれ、そのまま寝室まで連れて行かれる。体が浮いたと思ったらベッドの上にぶん投げられ、俺の上に悟が馬乗りになった。
「どこで僕のこと知ったのかは知らないけど、バレたなら好きにしていいよね?」
「な、なんのこと」
「ここまできてとぼけるなよ、僕が五条悟だってこと知ってんだろ?」
「だから、なんのことっ!」
「あーうるさい」
なにが起こっているんだ!?僕が五条悟だってこと知ってんだろって、悟は悟なんだからそうだろ!?何を言ってるのかがさっぱり分からない。
両手をシーツに押さえつけられ身動きを取ることも出来ないし、そもそもここで抵抗したら悟がもっと怒りそうな気がして仕方ない。
「ん、いいのあったね」
ベッドサイドに置いてあったスマホの充電ケーブルを手に取った悟は、俺の両手首をそれでキツく上へ縛り上げた。
「いい眺め」
はーっと熱い吐息を吐いた悟はそのまま体を上に移動させ俺の顔に跨がり「舐めろ」と正常時でも大きいそこを口元に擦り付けてきた。
「さとっ、!?」
落ち着けと言おうと口を開いたその一瞬を狙って、悟の陰茎が俺の口内へ入り込んでくる。
「噛んだりしようとしても無駄だからね、無限のことも知ってるんでしょ?」
口を塞がれているからただでさえ息苦しいのに、それに追い討ちをかけるよう悟は俺の鼻を摘んできた。「ちゃんと出来たら離してあげる」と笑っている悟。命の危険を感じた俺は口の中でムクムクと大きさを増していくそれを必死に舐め回した。
「〜」
「苦しいね、けど前が悪いんだよ?僕のことを裏切ったんだから」
裏切ってなんかない!!そう叫びたいのに声を出すことは出来ない。段々と頭に血が上っていって意識がふわふわとしてくる。悟のを舐めないといけないのに、舌がいうことを聞かない。生理的な涙が溜まっていき視界が歪む。
あ、これ俺死ぬかも。
そう思ったタイミングで口内から陰茎が抜かれ、鼻を押さえていた手が離された。
「ごほっ、ごほっ」
「ちんこで窒息死するところだった?」
「さど、るっ」
「黙れよ」
息が整う前にもう一度陰茎を咥えさせられる。だたでさえデカいそれが無遠慮に喉奥まで入ってくるせいで嗚咽いてしまい、胃液が上がってきそうだ。
そんな俺の苦しみを知ってか知らずがゆっくりと腰を上下に動かし始める悟。待ってくれ、これ以上は無理だと足をバタつかせても悟は何も変わらなかった。
「〜っ!!」
「喉締まって気持ちいいわ」
「んぶっ、」
「ははは、顔ブサイクすぎ。僕これと付き合ってたとかマジか。笑えてくる」
ズキンッと心臓に矢が刺さった気がした。
なんで、こんなことになってしまったんだろう。ただちょっといつもより激しいセックスをしたかっただけなのに。
「っ」
「え、泣いてんの?可愛いねぇ」
馬鹿にするように俺の頭をよしよしと撫でながらも腰の動きを止めることはしない。口内に俺の唾液と悟の我慢汁が溜まっていき最悪の気分だ。
「ほら、もっと口まんこ締めろよ!」
前髪を掴まれ無理やり顔を上げられるとそのまま激しく頭を動かされ、プチプチと髪が抜ける感覚がした。
「っ」
「なあ、なんで俺のこと裏切った?」
「〜!!」
「最初からそのつもりで近づいてきてたの?もー、完全に騙されてたよ。演技上手だね」
演技じゃない。悟のことを本当に愛していたのに、なんでそんなこと言われないといけないんだ。
「もしかしてコンドームに入った俺の精子とか売っぱらったりしてた?笑 確かにいっつもゴムしてって言ってたもんね」
そんなはずないだろ。普通に後で処理するの面倒くさいし、お腹痛くなるの嫌だったら言ってただけなのに。
ゴツゴツと喉奥を使われて吐き気が酷い。鋭い眼差しの悟は俺の知っている悟じゃないみたいで、恐怖でもっと涙が出てきた。
「あー出そう、喉に全部出すからしっかり飲み込めよ?吐いたらそれも食わせるからな」
我慢汁の量が多くなってきているのが分かる。何度も何度も重たいピストンを繰り返されたせいなのか、喉の奥から鉄の味かする。
「ん、っ」
グッと頭を押さえつけれられ勢いよく喉奥に悟の精子が注がれる。鼻から抜けるその生臭いい香りに吐いてしまいそうになったが、吐いたらそれも食わせるからなという言葉が恐ろしくてグッと堪えた。
嗚咽きながらも粘っこい精子を飲み干したところで、ようやく陰茎が口から抜けて呼吸が楽になる。
「口開けて中見せな」
そう言った瞬間、開いていた口に悟の長い指が突っ込まれ、その拍子に悟の爪が俺の顎裏を引っ掻いた。
「っ!?」
「あはは、血出てんのウケる。もっと酷くしようか」
「もう嫌だっ」
「嫌ってお前ねえ。最初に仕掛けてきたのはそっちでしょ」
「仕掛けてきたって…」
「ーもうまじでシラけるのうざいからやめくんない?殺したくなるから」
痛みより先に衝撃を感じた。耳元で何かが破裂したように思えたが、悟の手のひらが俺の頬を叩いたのだと理解した時には、いままで感じたことのないような鋭い痛みを感じた。
「首イった?笑」
「〜〜!!!」
「もう一発いっとこうか」
笑いながら俺の顎を掴み正面を向かせた悟は、先ほど平手打ちをした方と別の頬を狙いを定めるようにペチペチと軽く叩く。
怖い、怖すぎる。恐怖で動くことが出来ない。
「何震えてんの?」
「ぁ…」
「まあいいや、えーい!」
勢いよく振り下ろされた手のひらが俺の頬に当たる。顔も首も心も全部が痛い。
「うっ、う゛…」
「泣くなよ〜、愛してた恋人に裏切られたこっちが泣きたいんだから」
「ごめ、ごめんなさいっ」
「ごめんで許される呪術界じゃないよ、そこ分かってんでしょ?」
そしてもう一度平手打ちをされた。
もう何が起きているのか分からない。心と体がめちゃくちゃで自分が今どんな表情をしているのかさえ分からなくなっていた。
「ー、マジでイライラする」
怒りと苛立ちが混ざった悟の声は信じられないぐらい怖い。癇癪を起こした子供のように髪を掴まれると、また髪の抜ける感覚がしてハッと息を吐いた。
「四つん這いになって」
「?」
「四つん這いになれって言ってんの。は?その脳みそなんのためについてるの?使えないなら僕が頭蓋骨割って取り出してあげようか」
興奮しているのか早口でそう言った悟は、俺のおでこに指先をちょんとつけた。
文字にしてみればそれだけ。なのに悟の指先がおでこに触れた瞬間、全身に鳥肌が立ち、息をすることを忘れてしまうほどの感覚に見舞われた。
「ビビってんの?」
「ぁ…」
グッと指先に力が入る。全身から汗が吹き出して、歯がガクガクというか震えた。
「なーんてね、お前なんかのために術式使うわけないじゃん」
何がおかしいのか腹を抱えて高笑いする悟。その様子は狂気に満ち溢れていて、俺の知っている悟の雰囲気とは一切違っていた。
「はぁ、面白かった。それでお前はいつになったら僕の言うこと聞いてくれる?」
あ、マズい。
痛みと恐怖で震える体に鞭を打ち、四つん這いになると尻の中に直接冷たい何かが入れられた。そして酷く熱いものがアナルの縁に当てられて、まさかと思った時には慣らしていないそこに悟の怒張が入り込んできた。
「あっ!!!」
「キッツ笑」
摩擦が無いことから先ほどの冷たいものはローションだったのかと理解することが出来たが、それに安堵している暇は無い。尻が裂けるような感覚と激痛、慣らさないとこうも痛くなるのか。
「ざどっ、る、っ、痛゛い!」
「痛いの〜?じゃあもっと痛くしようか」
逃げられないように腰を掴まれ、
【一晩レイプされてゲロとか吐いた後↓】
寒さと全身の痛みで意識を浮上させると、俺はなぜが自宅の廊下で寝ていた。
一瞬何があったのかをできなくて思考を停止させたが、すぐに昨晩あった出来事を思い出しす。絶対に死んだと思った。
悟は今もこの家にいるのだろうか?いや、いてもいなくても早くこの家から出なければ。
そう思い立ち上がろうと体に力をいれた瞬間、全身に激痛が走った。
「っ〜!!」
なんだこの痛みは。
恐る恐る目線を自分の体に向けてみると、いたるところに打撲痕と切り傷がありそこから流れ出た血が赤黒くなって固まっていた。足の爪は剥がれ見るも無残な姿になっているし、乾いた吐瀉物が俺の体と廊下を汚している。
「な、にご 」
叫びすぎたせいか喉も枯れていて、咳をするたびに喉の奥で血の味がする。
「あれ?生きてたんだ」
背後から絶対に聞きたくない声が聞こえてきた。
一晩にして植え付けられた恐怖で体が硬直し、振り向く事が出来ない。
「家の中で野垂れ死んでほしかったのに。一般人を殺すときの力加減難しいな」
ペタペタとフローリングを裸足で歩く足音が近づいてきて、ストンと俺の前に頬杖をつきながらしゃがみこんだ。
「何、その目。昨日殺されなかっただけましだと思いなよ。毒盛った男を一晩生かしてあげる僕ってば優しいなあ」
「⋯どぐ、じゃな、い」
「まだ否定すんの?逆に凄いね。てか喋れるんだ」
ふーんとつまらなそうに言った悟は俺の腕を掴み、そのまま立ち上がって浴室まで俺の体を引きずるように連れていかれた。
「体汚いからシャワーで流してあげる。ついでに死にたくなるぐらい苦しいことしよっか!」
ニコっと、この状況でなければ心が幸せいっぱいで満たされるような笑顔を浮かべた悟は、俺を空の湯船に投げ入れ躊躇すること無く冷たい水のシャワーを俺にかけてきた。
「っ!?」
水が傷口に染みて激痛が走る。
乾いていた血や土瀉物が強い水圧で流れ落ち、湯船に溜まっていく様子を視界の端で捉えていた。
「殺そうと思えばいつでも殺せたんだよ。けどいざお前の心臓を貫こうとするときこれが惚れた弱みってやつ?」