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    shiraseee

    @shiraseee_0108_

    気ままに更新しています。
    サイレント更新&修正は常習。
    凪茨ばかりですが、たまに他CPなども。

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    shiraseee

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    以前書いた、どこかの大きなお屋敷に住む幼主人凪×執事茨で、猫の日のおはなし。
    猫と日向ぼっこする幼凪を書きたかっただけです…🐈‍⬛
    突発的に書いたので短め。なんでも許せる方向け
    ※凪砂年齢操作

    ##凪茨

    小さな主人と暗紅の執事と黒猫────────


    ある晴れた日のこと。
    あたたかな陽射しが降り注ぐ、緑豊かな庭園。
    薔薇の咲くアーチ状の植木をくぐり抜けた先、ガーデンチェアに座り読書をする、銀の髪が美しい少年。
    しかしページを捲る手はすでに止まっていて、うつらうつらと小さく船を漕いでいると。
    ──がさっ
    何かが薔薇の生垣から飛び出す。
    飛び出したそれは少年の足元で止まった。
    それの何やら生暖かい感触に気付き、少年の意識がそちらに向いた。

    「……ねこ?」

    目を擦って見ると、艶やかな毛並みの黒猫が、人懐っこくすり寄っていた。

    「……ねこ。どうしたの?」

    屈んで尋ねる。
    黒猫は少年を見上げて小首を傾げた。
    それからゆっくり足元から離れて、一番陽の当たる場所に黒猫は寝転んだ。

    「……今日は、あたたかいもんね」

    少年は黒猫の隣に座って、無防備にも曝け出された腹部にそっと手を乗せた。
    黒猫は動くことなく、少年を受け入れる。

    「……わ、やわらかい。ふわふわ…」

    見ただけでも分かる毛並みの良さは、実際触れると見た目以上の手触り。ふわふわ。

    「……気持ちいい?」

    ごろごろ喉を鳴らし、少年の掌にすり寄る黒猫。
    撫でながら少年は黒猫の横に寝転ぶ。
    黒猫が、少年の腕の中に潜り込んできた。
    少年も頬を黒猫の額にすり寄らせて、お互いの体温をわけあう。
    そしてひとりと一匹は、一緒にぽかぽかの日向ぼっこ。




    「───…ま、凪砂様!起きてください、凪砂様!」
    「……ん、いばら……?」
    「ああ…!良かった、ご無事ですか!?こんなところで倒れているから、驚いたじゃないですか…!」

    少年──凪砂を必死に呼ぶ声が、微睡みから目覚めさせる。
    凪砂の胸元で眠っていた黒猫もすっかり目を覚まし、きょとんと目を丸くして茨を見上げていた。

    「……茨。あのね、ねことお昼寝してた。見て。にゃん。ふふ、ほら、ご挨拶」

    茨の様子とは真逆に、凪砂は至極にこやかに、黒猫の頭を撫でながら茨に言う。
    凪砂に撫でられ、黒猫はまたご機嫌に喉を鳴らしていた。

    「なっ、…どっ……、どこから連れてきたんですかその猫!?」

    普段なら微笑ましい光景だと思えるが、全く状況の掴めない茨は色々と言葉を飲み込み、そう言うしかなかった。




    「……茨みたいで、かわいかったな」
    「えっと…?自分みたい、とは?」

    しばらくして、その黒猫を探していると言う飼い主が見つかり、引き渡した。
    名残惜しそうに見送っていた凪砂が呟く。

    「……迷い込んできてしまったから。ひとりぼっちで、かわいそうで」
    「…………」

    その時を思い出していた。
    凪砂が、茨に出会った時。手に入れたいと思ったあの日。
    隣に立つ茨の手を握る。

    「……でも、茨には私がいるよ。もう、寂しくなんてないでしょう?」

    見上げて、微笑む。
    それを一瞥し、茨も表情を綻ばせた。

    「…ええ。手のかかる主人がいるおかげで、一人になる時間も、寂しがる暇もないですよ」
    「……ふふ。私は嬉しい。ずっと一緒にいてね、私の茨。ねえ、今度一緒に、日向ぼっこしよう」

    抱き上げられ、凪砂は茨にすり寄った。
    先程の黒猫にした時より、甘えるように。
    離れまいと、ぎゅっと抱き着いて。

    「そうですねぇ…。お勉強をたくさん頑張って、お稽古もしっかり受けて、好き嫌いなくお食事を召し上がってくれたら、ご一緒しますよ」
    「……いじわる」



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    Replies from the creator

    shiraseee

    DONE凪砂くんが眠る茨を見つめて、かわいいなぁ、好きだなぁ、と思うおはなし。同棲している凪茨。
    茨は眠ってるだけになってしまいました。

    新年書き始めとなりました。とんでもなくふわふわとした内容ですけども…こういう凪茨が好きなので、今年もこんな感じのを書いていきます。
    暇つぶしにでもなりますと幸いです。
    拙作ばかりですが、たくさん書いていきたい!どうぞ今年もよろしくお願いします。
    しあわせの風景────────

    薄ら開いては閉じを繰り返す瞼に、注ぐあたたかな陽射し。まだ少し重たいけれど、微睡みから目覚めていく意識が次に捉えた柔らかな匂いに幸福感すら覚え、覚醒していく。
    日向より私に近しい匂いは、すぐそこにある。
    すん、と小さく鼻を鳴らして吸いこんだ。再び眠りに誘われてしまいそうになる安堵感と、心地良さ。この匂いにほだされ、自然と求めてしまう。
    随分そばにあったぬくもりも抱き締め漸く開いた私の視界は、見慣れた暗紅色が埋め尽くしている。
    「……茨…」
    「……………」
    「……?」
    ───珍しい。ぴくりとも反応がない。
    普段なら名前を呼べば起き上がるとまではいかずとも、私の声を聞けば、ふと長いまつ毛を持ち上げ茨の美しい青に私を映してくれることが常だった。その時の、茨の世界にまず私が在れるひとときに期待して暫く様子を見ていても、瞼は開くどころか、かたく閉ざされたまま。どうやら茨は、無防備にも私の腕の中で熟睡している。
    2000