桃色の髪自分の髪が嫌いだった。
桃色という髪色のせいで、女に間違えられたり、かわいいとかきれいとか、強くなるのに必要のない言葉を投げつけられる。
褒められてるのよって母さんに言われたけど、揶揄われてるだけだと思っていた。
女の子だったら良かったのにね、もったいないわねって。
いつも一緒にいた少年、格闘家として同じ強さを目指すフェザーは、太陽の光を跳ね返すような明るくて濃い金色の髪だった。癖なのか毛先が上に向かって跳ね、愛嬌があり、当人の性格をそのまま表すような姿が羨ましかった。
切っても髪はすぐ伸びる。だんだん髪型を気にするのがめんどくさくなり放置した髪は、気付けば肩の辺りまで伸びていた。普段の生活や鍛錬のときに鬱陶しくて邪魔だから後ろの高いところでひとまとめにした。
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