恋のはじまり「これ届いてたぞ」
ランドルは自宅の重い扉を開け、灯りのついたリビングへと向かう。
リビングではトレーニング用に開けられたスペースでフェザーが腕立て伏せをしていた。フェザーは顔を上げずにそのまま、おかえり、とだけ告げ、引き続き小声で数字をカウントしている。
「…99、100!」
フェザーがトレーニングを終え起き上がるとランドルの方へ顔を向けて言った。
「おかえり、ランドル!」
「ただいま。これ、プロテストの案内だろ」
ランドルはマンションのエントランスのポストに入っていた封筒の束から、フェザー宛の封書を差し出す。
「おお!サンキュー!」
それを受け取ったフェザーは手で破らんばかりの勢いで封筒を開けようとしたので、ランドルは慌ててハサミを差し出した。
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