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    Kuon_ao3

    @Kuon_ao3

    覚え書き、感想まとめ等に使いたいなと思ってます。

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    Kuon_ao3

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    #ハートの国のアリス
    aliceInTheCountryOfHearts
    #スペードの国のアリス
    aliceInTheLandOfSpades

    [4/30] 30話後、次元を超えるエースとアリス ディーラーが締め切りの合図を告げ、プレイヤー達にカードを配る。一歩後ろからその様子を眺めながら、次のラウンドから参加するべく、エースはアリスに初心者向けのルール説明を始めた。
     配られるカードは二枚。二十一を超えないようにカードの数字をコントロールするゲーム。十から上のトランプ札は全て十点扱い。そしてAは。
    「Aは、一点または十一点、都合の良い方で数えることが出来る」
     エースの声に耳を傾けていたアリスは、妙な感覚を覚えて口を開いた。
    「……あなたって、ディーラーもやっていたりする?」
     隣に居ることに対する、強烈な違和感。隣に並び立つプレイヤー同士ではなく、例えばそう、卓を挟んだ向かい側に座っている方が。何故かどことなくしっくりくる気がして、アリスは改めてエースに向き直った。
    「ディーラーを? 俺が? まさか」
     からからと笑い飛ばすエースとは対照的に、アリスは腑に落ちないまま左右に首を傾げる。
    「でも」
     言葉を続けたエースへと。視線を上げると、眩しそうに細められた瞳があった。
    「俺は君と、ブラックジャックで遊んだことがあるのは確かだよ」
     緑の国で一生懸命カードとにらめっこをしていた少女は、全てを忘れた頭ではなく、身体が覚えていた記憶をひととき、彼と共有した。
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