秘密に酔う「旬はずっとオレと同じだもんね!」
「うん!どんなことも全部一緒だよ!」
それが俺達の口癖だった。そしてあの2重ダンジョンを経てからは、次第に交わされなくなった言葉だった。
珍しく弟の旬と休みの重なった日。テンションの上がった俺達は久しぶりに家で飲もうとチキンをデリバリーした。2人して甘辛ダレのチキンを頬張り同じタイミングでビールを飲む。すこし味の濃い甘辛チキンをほろ苦くもサッパリとしたビールで喉奥に流すことのなんと至福なことか。
自然と旬に向き合い、互いににんまりと満足そうな笑みを浮かべ何度目かになる乾杯をした。
「うまいなぁ、旬」
「あぁ、うまいな。シュン」
元々酒に強くない俺は既に1本空けた辺りで丁度よくふわふわとしてくる。
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