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    rani_noab

    @rani_noab
    夢と腐混ざってます

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    rani_noab

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    週ボス報酬は俺です 完

    さあ行こうぜ!
    この冒険に満ちた、ブランニューワールド!

    世界は夜だった。
    星あかりに照らされた世界の中で、春来華に埋もれるようにその人は眠っていた。
    横顔に幼さはなく、伸びやかな手足は花畑に投げ出されている。青年の姿をしたその姿には面影がよく残っており、彼こそが空が知るハルに違いなかった。
    柔らかそうな生地の衣服から見える素肌は健康そのもので、ただ深い眠りについているように見える。
    彼の周囲には、酒瓶や盃が転がっている。それは三人分あった。
    足を踏み出しそうとした空は、ふいに世界が揺らめいたのに動きを止める。
    燦々と降り注ぎ始めた光がハルを照らしだす。春の日差しめいた穏やかな光の下、音もなく現れた桜が花びらを散らして静寂を保っていた。
    その光にもハルが目覚める様子はない。穏やかな景色の中で、彼はずっと眠っていた。
    これは過去だ。
    空は理解する。
    ハルシオンが辿った過去の光景がそのまま描き出されている。
    だって、今また、現れたこの光景を空は知っていた。
    空とパイモンとハルで買い食いをした璃月の街並みだ。ハルはすぐそこに映っている屋台のモラミートがお気に入りだった。
    静寂があたりを包んでいる。誰もその眠りを妨げないようにしているように。
    「空!」
    はっと顔をあげた空は、そこで周囲に自分とパイモン以外見当たらないことに気づく。
    「鍾離たちはどこ行ったんだ!?それに、あれってハル……だよな……?」
    「…………」
    空は息を大きく吸ってから、足を踏み出した。
    世界がまた夜へと戻る。花畑の中を歩いて、空はハルへと近寄っていった。
    「っ」
    あと10歩ほどで触れるくらいに近寄れる、そんな距離になった瞬間に、立ち塞がるように空の前に小さな人影が立ち塞がった。
    「それ以上は近寄ると危ないよ。空君」
    「ハル?」
    現れたのは、幼い姿のハルだった。体が透けているが、そんなことは気にした様子もなく、いつも通りの調子でハルは言った。
    「ハル!どうしたんだよ。その体……、それに、後の奴は起きないのか?」
    隣でパイモンが不安と心配が混ざった声音でハルに呼びかけるのに、ハルは笑う。
    「うん、起きない。というか起こしちゃダメだと思う。心配かけてごめん、二人とも。本当はもっとちゃんと消えるはずだったっぽいんだけど、ハルとしての活動だけじゃ、力をうまく昇華出来なかったらしくて」
    「何……言ってるんだよ……」
    困った顔をして説明するハルと、自分達の真剣さが噛み合わないことにパイモンが困惑した声を出す。
    「人間の……それも小さな体じゃ乱れた元素力を抑えるのには向いてなかったんだ」
    「オイラたちにもわかるように話せよ!」
    パイモンの大きな声に目を見張って、ハルの顔が余計に困ったようなものになった。どうしよう、と言うかのようなその顔に気を緩めそうになるが、ここで引いたら彼を取り戻せないような気がした。
    「……影ちゃんと八重ちゃんが来てるんだね。あと、モラクスも」
    ハルの言葉は、ハルとは違ったものだった。きっとハルシオンの記憶が混ざっているのだろう。
    「分かるの?」
    「空君が何事もなくそこに立っていられるのは、三人が地脈の乱れを抑えてるからだ。俺が起き上がれないのは、俺が本当に目覚めてしまうと、その力が俺に集まってしまうから。そうなったらきっと自我を失っちゃうと思う。俺はそんなんに強くないから、力を発散させようと暴れまわっちゃうと思うんだよね」
    残念そうに言ってハルはため息をついた。
    「せっかく会いに来てくれたのに、ごめん、空君、パイモン。でも、『ハル』は追憶から生まれたハルシオンの残滓でしかないし、地脈に還るのが正しい在り方だから……」
    「それってハルが消えるってこと?」
    空の問いかけに、パイモンが弾かれたように口を開く。
    「そんなの駄目だ!ハル、オイラたちと旅するって言っただろ!」
    「…………春は、巡るから春なんだよ。俺は世界の流れを変えるつもりはないんだ。二人に、悲しい思いをさせてしまうのは嫌だけど、また世界を元通りに巡らせるために、この地脈異常を元に戻す必要がある。今まで何事もなかったのは、ハルに力が集まっていってたからだ。つまり、俺が少しずつ元素力を正常に流し戻せば、全部元に戻るよ」
    それが正しいことで、それ以外の方法はない。
    そう告げるような声音で言ったハルに、空がゆっくりと口を開く。
    「じゃあ、ハルはなんで俺たちに着いてきたの?」
    空?とパイモンが呼びかけるのに構わず、空はハルを見据える。
    「だったら、俺たちと一緒に旅をする理由なんてなかったよね」
    「それは……俺にはこの状況を理解するための記憶がなかったし、その俺に頼れるのは空君たちだけだったから。騙すつもりなんてなかったんだ。ごめん、空君、パイモン」
    肩を落としたハルに、空は落ち着くように息を吐きながら答える。
    「知ってる。ハルは脳天気過ぎて、そんなことしようと思いもしないだろうし」
    その気やすいがゆえの言い方に、ハルは眉を下げて笑う。
    「空君は俺のことよく分かってるなあ。そうかもね。俺は楽しければそれで良かったから」
    「地脈に還るのって、楽しい?」
    「え?」
    何気ないように放られた言葉に、ハルは虚を突かれた声を上げた。周囲の花の香りが強くなったような気がする。
    「俺たちと旅をするより、楽しい?」
    「そら……くん……それは、」
    動揺したように視線を空から外すハルを見つめて、空は続ける。
    「俺は……」
    パイモンと視線を合わせた空はパイモンが頷くのに頷いて、また空を見る。
    「俺たちは、ハルが居ない旅なんて嫌だ」
    俯いたまま身を起こしたハルに、ざわりと空気が揺らめいた。わずかな風が空の髪を揺らす。また花の匂いが濃くなる。濃い緑の匂いが忍び寄るように広がっていく。
    「俺を起こさないでよ」
    呟くように言ったハルに、夜空が歪み始める。
    「良いんだよ。夢で。楽しい夢だった、で良いじゃん。なんでそんな風に言うんだよ。俺はもう失われたものなんだ。たまたま地上に芽を出せただけ。ただの残滓でなんの役にも立たない。一緒に居たって、足手まといだし、良いことなんてないじゃん」
    「それ、本当にそう思ってる?」
    パシリ、と何かにヒビが入る音がした。
    「俺とパイモン、八重神子と将軍、そして鍾離先生。なんで俺たちがここに来たか分かる?」
    「……空君、俺は……」
    空は胸に手を当てる。
    短い旅だったけど、ハルのことはよく知っている。
    だから、この言葉が伝わることも知っている。ハルが空たちをどう思っているのかを、知っている。
    「ハル、俺たちを信じて」
    ハルは顔を上げる。その顔が泣きそうに歪んでいるのを、空とパイモンは見つめた。
    「信じてるよ。だって空君は、ヒーローだからさ」
    泣き出す前のように声が震えている。ハルは後ろのまだ眠る青年を振り返った。それから躊躇うように空に視線を戻す。
    「良いの?」
    「うん。起きて、ハル」
    空の言葉に、ハルは少しの間黙っていてから、ゆっくりと頷いた。
    小さな体が吹き始めた風に溶けるように消える。同時に、青年の目がゆっくりと開いた。
    身を起こす青年に、呼応するように世界が振動を始める。
    この揺れには覚えがあった。なにせここは黄金屋だ。敵を追い詰めたなら、崩れ始めるのがいつもの展開だった。
    夜空が消えて石の天井が現れる。花の香りが強くなり、濃い緑色の蔦が壁を這ってヒビを作っていく。床に亀裂が走り、大きな音を立てて割れ、崩れていく。落ちていく青年に空は剣を握りしめて駆け出した。手を伸ばす。まだ手は届かない。
    遥か下に落ちて着地した先は奇妙に葉や花が大きく伸びた花畑だった。
    「空!」
    顔を上げると、武器を構えたままの雷電将軍や、八重神子、そして鍾離がいた。彼らはすでに戦っていたようで、その衣服や呼吸には乱れがある。
    黄金屋に似た地下の中央で、青年が裸足の足をゆっくりと花畑におろす。
    「俺を呼ぶのは誰?」
    眠りから覚めるように、ゆっくりと目を開いた彼──残滓のハルシオンの手には、刀がある。
    その表情には空たちへの親しみはない。光のない瞳、何かに苦しむように息をついて、ハルは地面にむけている切っ先を揺らした。
    「愛想のないもてなしに飽きてきたところじゃ。よく引きずり出したぞ、童」
    八重神子の呆れた声音に、雷電将軍が応える。
    「地脈の乱れがおさまりましたね。その代わり、力は彼に集約しているようですが」
    「問題ない。かつてハルシオンは言っていた。友が間違った道を行くのなら、殴って目を覚まさせてやれ、と」
    「じゃあ遠慮しなくていいね」
    空の言葉に三人の視線が空を向く。
    「行くよ、ハル」
    地を蹴った空に、ハルの口元はにこりともしなかった。

    体の動きが鈍くなる。
    春の眠りから覚めた時のように、緩やかな気だるさに苛まされる。ふとすれば戦う意味を忘れそうだ。この花の香りが戦意の邪魔をする。
    ハルの武術は決して鋭くない。付け入る隙はあるだろう。だがそれは、空たちが万全な状態な場合だ。
    伸びる草に足を取られる。切っ先に絡みつく。八重神子の雷撃が容赦なく草を焼き払い、焦げた青臭さが周囲にぱっと広がる。
    ハルは反撃をしなかった。ただ猛攻を防ぎ、弾き返す。一定の距離まで近づくと、円形に吹き荒れる風が空たちを吹き飛ばした。
    下手をすれば秘境の外に押し出されてしまうだろう。感じるのは拒絶だ。
    眠ろうとする、この世界のルールに則った意志。
    ハルの言葉から推察すると、この地脈異常を引き起こしている魔神の残滓を消すのがハルの生まれた理由なのだろう。その力と共にまた眠りに着くつもりなのだ。
    その残滓をなんとかしたとして、ハルがこの世界に残れるかなんて分からない。でも、黙って見送るなんて出来るはずがなかった。
    強風が空の体を吹き飛ばそうとするのを、鍾離の岩柱が防ぐ。
    空の剣がハルを守る蔦や花を切り裂いても、ハルにたどりつかない。
    振り上げられた切っ先に花が散る。地に落ちた花はまた根を伸ばし、葉を広げて空たちを阻む。
    「このままじゃ拉致があかないぞ!」
    パイモンの焦った声がする。
    討伐が目的じゃない、力を使わせることが目的のこの戦いは、自然と持久戦となる。
    「目覚めたくないのなら、私たちを排除しなければなりません。ハルシオン」
    不意の雷電将軍の声に、ハルの顔が雷電将軍の方を向いた。その瞳には警戒の色がある。
    「妾たちはお主の眠りを妨げるもの。お主、このままでは負けるぞ?」
    その意図を悟ったように八重神子が唇を笑みの形に釣り上げるのに、ぞわりとハルから感じる気迫が強くなった気がした。
    強い力がハルにまとわりついている。
    ハルが左手を雷電将軍たちに伸ばす。
    「これでお別れだ」
    「八重神子!将軍!」
    構えた二人の姿を案じる前に、目を開けていられないほどの暴風に襲われた。それは黄金屋の中を吹き荒れて花を散らし、風圧に息が詰まって目を開けていられなくなる。
    風が収まってすぐ顔を上げた空は、二人の姿がどこにもないのに顔色を変えた。
    「余所見をするな空!」
    鍾離の槍が空に絡みつこうとしていた蔦を切り裂いた。
    「秘境の外に強制的に追い出されただけだ。だが、今の無理な力の行使で、彼はかなり削られたようだ」
    風をはらんだハルの髪が見える。こちらを向いたハルの動きは先ほどより鈍い。
    「あの時はお前の望みを聞き、ただ見送った。だから今回はお前が譲る番だ。ハル」
    ハルの視線が鍾離を向く。その顔にはうまくいかずに苛立たしく思う感情が浮かんでいる。
    風に花びらが巻き上げられる。再び大きな力が風に乗り、黄金屋に花びらを撒き散らす。
    「…………」
    ハルは鍾離に何かを言おうとして、結局何も声を発さなかった。
    「先生!」
    空の呼び声に答えたのは暴風の方だった。
    風が収まり目を開けた時、鍾離の姿はそこにはなかった。
    きっと無事だ。ハルが先生を害するはずは無い。さっき鍾離が言った通りに、秘境の外へ弾き出されたのだろう。
    ハルは肩で大きく息をしていた。首を振って目眩に耐えるかのような仕草をする。
    それからハルは空に向き直る。何かを願うかのように見つめたハルは、手を空の方へと向けた。弾き出される前に──!
    剣を構える。駆け出した。
    強い暴風を刃で切り裂いて空は走る。風の音が強くて他には何も聞こえない。舞い散る花と風で目も開けられない中、空はとうとう風を切り裂いた。
    ハルの力が急速に弱っていくのを感じる。視界が開ける。目の前にハルがいる。
    驚いた顔で空を見つめるハルに、空は剣を捨てて抱き付いた。
    「そらくん……っ!」
    先ほどまでの硬質な声音と違う、ハルの声であることに、空は笑った。
    二人して花畑に倒れ込む。勢いで花びらが散った。
    「大事にするって言ったから」
    出会った日から、ずっと連れていくつもりだった。
    「一緒に行こうぜ。ハル!」
    いつの間にかすぐ近くまでパイモンが飛んできている。
    「オイラたち、仲間だろ!」
    笑うパイモンに、くしゃりとハルの顔が歪んだ。
    「良いのかな」
    「良いに決まってるだろ!ハル!」
    パイモンの返事に、ハルはなおも不安そうに言う。
    「これ、夢じゃ、ない?」
    「夢じゃないよ、ハル」
    空とパイモンの声に、ハルは深く息を吸ってから震える声でそっと言った。
    「俺、一緒に行きたい」
    ハルがそう口にした瞬間、花畑が一斉に散った。
    ずっと感じていた元素力が散り散りになり、緑色の光の粒子となって、風に乗って消えていく。それに誘われるように、黄金屋も光を帯びて、粒子となって砂が崩れるように消えていく。
    周囲を光が包み、やがてその光は外の日差しへと取って代わっていた。風がそよいでいる。
    その様子を眺めていた空は、それから隣にいるハルの方へと視線を向けた。地面に座り込んでぽかんとした顔をしているのは、空が一番よく知っている表情だ。
    「ハル!また小さくなっちゃってるぞ!」
    「え?」
    目をぱちくりとして自分の体を見下ろしたハルは、少年の姿に戻っていることに気づいたらしい。
    「あれ……、よく分かんないけど、力を使っちゃったからだと思う……」
    「曖昧だなあ」
    「俺もよくわかんないし……、でも、このままじゃあんまり一緒にいられないかもしれない。俺すごく弱ってるっぽいから」
    「なんだって!?」
    空が立ち上がっても、ハルは立ち上がれないようだった。
    「力が流れ出したままなのがわかるから」
    それから残念そうに笑って、ハルは何かを指差した。
    「でももうしばらくは大丈夫。ほら、空君、せっかく花芽が出たんだから、受け取った方が良いよ」
    いつの間にか生えていた地脈の花芽へに、空は黙って近寄ると樹脂の対価を支払って花を開く。
    きらきらとした何かが足元に転がった。
    それを拾う前に、誰かの手がその一つを拾い上げる。
    「全く、曖昧で適当で不真面目なのはいつもですよ。なんですかあの剣術は。ちっとも上達していません」
    「将軍」
    雷電将軍が拾ったのは、聖遺物だった。花冠にあしらわれていたものと同じ形をした花を、雷電将軍はハルのこめかみへと付けてやる。
    その将軍を見上げて、ハルがへへ、と笑った。
    「影ちゃんに教えてもらったからこれでもましにはなったんだけどな……」
    その呼び方に満足したような顔をしながらも、呆れたそぶりで将軍は腰に手を当てた。
    「なら、妾も八重ちゃん、と呼んでくれるじゃろう?」
    そう言って近づいてきた八重神子が拾い上げた、小さな懐中時計をハルの首にかける。その八重神子におずおずとハルは言う。
    「や、八重ちゃん…………」
    「なんじゃ小童」
    面白がるようにぴしゃりとされた返答に眉を下げたハルに、もう一つ近寄る人影。
    鍾離は何かを拾い上げる様子はなく、懐から小さな杯を取り出した。
    「昔、お前に預かっていたものだ。無くしそうだから持っていてくれと言ったのを覚えているか?」
    「まだ持っててくれたんだ……」
    綺麗に磨かれている盃を手に、ハルははにかむように笑った。
    「ありがとう、モラクス。……今は鍾離先生か」
    「お前に先生と付けられるのは妙だが、悪くはない」
    「じゃあ鍾離?」
    「お前はもう少し情緒を学んだ方が良い。それまで先生と呼んでくれて構わないぞ」
    一番情けない顔をしたハルに、三人が笑うのを一緒に笑っていたパイモンは、そうだ!と口を開くと、人差し指を立てて言う。
    「おかえり、じゃあ無いよな?この場合」
    「そうだね。ハル」
    呼びかけて顔を上げたハルに、空とパイモンは笑った。
    「おはよう、ハル」
    「おはよう!」
    「うん、おはよ!空君!パイモン!」
    嬉しそうに笑ったハルは、二人に飛びついた。
    ハルの体がいつも通りの温かさであることに安心して、空は問いかける。
    「体は大丈夫そう?」
    「うーん」
    ハルは自分の手を何度か握り、それから背後を振り返る。何もなくなった花畑は、花芽も消えていた。
    首を傾げてからハルは頷く。
    「なんか大丈夫っぽい」
    「緊迫感がないというか……曖昧だなあ……」
    パイモンの声に、ハルは鍾離を見上げる。
    「この聖遺物のおかげ?」
    鍾離を見やったハルに、鍾離は腕を組むと考えるようにした。
    「あれは春の訪れを祝福する祭典の時に使われていた聖遺物だ。揃った今、お前と相性が良いだろう。お前がどうなるかまでは俺には想像がつかないが、力の流出は止まったようだな」
    「じゃあまた、ハルと旅ができるってことか?」
    パイモンが顔を明るくして問いかけるのに、鍾離は頷く。
    「ああ。出来るだろう」
    やったあ!と二人で声を上げたハルとパイモンは、それからパイモンがはっと気づいたように、花芽のあったあたりをくるくると回る。
    「落ちたのってあの聖遺物だけだったのか?モラは?」
    そのパイモンに、空があきれたように腰に手を当てた。
    「あるわけないでしょ。だって」
    全員の視線がハルに向くのに、ハルは笑って胸を張り拳を胸に当てた。



    「週ボス報酬は俺です」





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