永劫別離「アスアド、ま〜た連休溜め込んでるでしょ? 科学院の上役達が取れって言ってたよ〜?」
「科学院内の宿舎での休息は取っている」
「あそこベッドないじゃん! しかも思考を仕事から遊びに変えるだけだし! それに僕が連れて帰らないと家にも帰らないんだしさ〜」
「なら、テュシアが毎日俺を連れて帰ればいいだろう」
「んも〜♡ かわいいこと言ってぇ♡ 僕だって研究がなかったらそうしてるって分かってて言うのずるくない?」
「何がだ? ム……?」
「あ、そうだ、ね、ね、スメール行きなよ、気分転換にさ! お兄さんにも会えるかもしんないし!」
永劫別離
あの日のことは今でも鮮明に思い出せる。テュシアはやたらと連休を勧めて、スメールに行けと騒いでいた。スメール、と聞くと、アスアドは面識もない兄を思い出す。そして四年後と約束を交わした、名も知らぬ女を。
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