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    しすい

    @kona_sis_dayo

    @kona_sis_dayo
    しがない文字書き
    完成したけどぴくしぶに上げるほどじゃないやつメインの掃き溜め
    もしかしたらぴくしぶにあげるかもしれないけど……

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    しすい

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    moti様(@MotiTench)のおかずカウンターネタお借りして書き上げたもののもはやよく分からなくなったセバ転♀供養
    ・自機♀の自我が死ぬほどあるし名前もがっつりある、何なら設定もある
    ・セバスチャン口調むずかしい
    ・五億年ぶりの小説なんて書くもんじゃねえ

    果たして悪魔はどちらか ある日、頭上に変な数字が見えるようになった。
     なにこれ? と思えどレイヴィニアには全く分からない。ぴんとくるものもない。しかも頭上に数字があるのは男子だけで、その男子も全員が全員あるのだが、ゼロだったり、13とかだったり、数字にばらつきがある。
     談話室をうろついて友人を探せば、暖炉の前でその二人は談笑していた。当然二人の頭上にも数字はあって、5と31と書いてある。何の数字か分からないが、どうやらオミニスの方が少ないらしい。
    「おはよう、セバスチャン、オミニス」
    「ああ、おはよう」
    「おはよう、きみは今日も元気そうだな」
     ──ところでその頭の数字、なに?
     なんて事を聞けるはずもなく、レイヴィニアは他愛もない話をして二人と一日を過ごすことにした。魔法薬学で出来の悪いウィゲンウェルド薬を作ったり──主にオミニスだけだが──魔法史で睡魔と戦ったり。何の変哲もない平和な日である。レイヴィニアも毎日校外へ繰り出す訳ではないので、アッシュワインダースやランロクの信奉者と出くわすことなく済む日が一番好きだった。
     次の試練まで音沙汰もなく、特に依頼も困り事も今はなさそうで、しばらくは勉学に励めそうである。これは断じてウィーズリー先生から少しばかり長めのお小言を貰ってしまったからではない。もちろん通りすがりのブラック校長からの遠回しな嫌味があったからでもない──これはほんのちょっぴりムカついたけれど。
     こうして、レイヴィニアは兎にも角にも丸っと二日も普通のホグワーツ生と何ら変わりない生活を過ごした。一週間くらいは過ごせそうな具合の平和さである。
     この二日で気付いた事といえば、そう、例の数字がどうやら自慰をした回数であり──これは非常に恥ずかしいのだが──レイヴィニアをオカズにしたもの、らしい。
     気付いた理由はセバスチャンの頭上にある数字で、セバスチャンとちょっぴりハプニングがあったせいだ。これがなければレイヴィニアはずっと気付かなかっただろう。
     そのちょっとしたハプニングがあった後、男子トイレに行ってから合流したセバスチャンの頭上にあるカウントがひとつ増えていたので大層驚いてしまい、ローネン先生の授業での呼び寄せ試合は失敗したという訳だった。
     何しろこの二日でカウントはセバスチャンだけが増えていたし、健全な男子であればそれなりに欲求がある事くらい知っている。昨夜目くらまし呪文で姿を消して動いている時に、やっぱりグレースはいいよなとか俺はあいつで抜いただのなんて猥談も聞いてしまったので。
    「レイヴィニア? どうしたんだ、今日のきみはずっとらしくないぜ」
    「え、あ、そ、そうかな」
    「ああ、そう思うね──なあオミニス?」
    「確かにいつものきみなら、呼び寄せ試合で0点なんてことにはならなかっただろうな」
     オミニスにまで言われてしまうと、レイヴィニアはさすがに言葉に詰まる。密猟者や信奉者を殺したって、一応は同族になる悪魔を祓ったって、いつだって澄まし顔で何でもありませんなんて顔をしているのに。
    「……やっぱり何かあったんだろ、それって僕には話せない内容か?」
     ぐっと距離を詰められ、レイヴィニアの目が泳ぐ。
    「セバスチャンが無理なら俺でも構わない。ただまあ、一つアドバイスをするとしたら、セバスチャンには素直に話した方がいい、後が面倒だからな」
     オミニスから釘を刺されたレイヴィニアはとうとう観念したように両手を上げる。
    「話すから……その、地下聖堂に行かない?」



    果たして悪魔はどちらか



     地下聖堂にて、二人は膝を突き合わせていた。オミニスも本当は道連れにしようかと思ったのだが、しかしレイヴィニアにはちょっと難易度が高かったのでやめた。オミニスには純真無垢でいて欲しい気持ちがあるのだ。
     そして洗いざらい暴露した訳だが。
    「それじゃあ、つまり、なんだ、その……僕がきみで抜いてたのは全部バレてるのか」
     いつもの余裕綽々といった姿のセバスチャンはそこにはなかった。耳まで真っ赤にして俯いている。年頃の男の子相応の反応に、レイヴィニアはほんの少しだけ優越感を覚える。こんな姿を知っているのは自分だけなのだ、少なくとも今この瞬間だけは。
    「ええと、うん、そうなるね……」
     正直なところを言えば、セバスチャンにそういうことに使われるのは少しばかり嬉しかった。想い人にそういう目で見られて嬉しくないはずがない。
     セバスチャンは何か覚悟を決めたような顔をして、短く息を吸った。
    「なあ、きみ、今付き合っているような男はいないよな」
    「えっ? いないけど……」
     そもそもそんな暇がないことくらい、あなたが一番よく知ってるでしょう。
    「ああ……そうだよな」
     そして束の間の沈黙が訪れる。
     普段はフィールドガイドのページ集めに密猟者狩り、信奉者のアジトを虱潰しに殲滅しては古代魔術の痕跡を調べるという多忙っぷり。その上で授業に課題に、依頼を引き受けては解決するという有様。一部の生徒からは、レイヴィニア・ファウストには時間や睡眠という概念はない、なんて言われているほどだ。それでも同寮の二人やイメルダ、他寮のポピーやナティなどの友人と過ごしているので、いよいよ人間かを疑われている。
     とはいえ、そんなレイヴィニアが存外かなりモテるということはセバスチャンがよく知っていた。アプローチを掛けようとする生徒との会話にしれっと混ざっては牽制し、彼女に決闘を挑んであわよくばデートに持ち込もうなんて輩を悉く蹴散らしているのは、他ならぬセバスチャン・サロウである。これはレイヴィニアも知らないことだが。
     そう、セバスチャンは焦っているのだ。関わり出した当初は打算もあったが、今ではすっかりレイヴィニアの虜になっていた。あれほど険悪だったオミニスと仲良くなり、自分の知らない間に打ち解けている。他寮のアミット・タッカーに至っては星見台の話で盛り上がる始末。これで焦るなという方が無理な話である。
     ──つまるところ、だ。
     セバスチャン・サロウは彼女にゾッコンなのだ。
     分かりやすいほどにベタ惚れで、オミニスはおろか今では同学年ならそれを知らない人間はレイヴィニアしかいない。へぇ、彼、あんな顔できるんだね、というのはギャレス談。とろりと甘ったるい顔と声でアプローチして、石にしてしまわんばかりの鋭い目つきで相手を牽制する。まるでバジリスクかグラップホーン、あるいはアクロマンチュラかシー・サーペントか。まあ、とにかくそれだけ凶悪で狡猾で凶暴になるのだ、手に負えたものではない。
     そんな彼が彼女をおかずにしているとバレたらどうするか。獲物を前にした捕食者が、なぜ獲物を逃がすのか、その道理は存在するのかという疑問のように馬鹿馬鹿しい。
     セバスチャンは彼女が動揺すると分かっていながら、距離を詰めてしっかりと抱きすくめた。当然彼女のか細い肩がびくりと震えて、慌ててセバスチャンを押し戻そうとする。
    「僕がきみをどう思ってるのか、知りたいと思わないのか? きみをおかずにしてるんだ、知りたいだろ?」
    「え、あ」
     ひどく熱っぽい視線に当てられた彼女は、思わず抵抗が止まった。自分の腕の中で抵抗もせず、顔を真っ赤にした想い人を見て、仄暗い感情と歓喜が同時に沸き上がって来たセバスチャンの口の端が釣り上がる。
    「僕が、教えてやるよ」
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    しすい

    MOURNINGレイヴィニア・ファウスト、あるいはレイヴィニア・ゴーントに対するオミニスのお話を書こうとした何か
    悪魔、あるいはゴーント その転入生は奇妙な娘であった。
     スリザリンでありながら勇猛果敢、知的好奇心に溢れており、困った人間を助けて回る。組分け帽子はグリフィンドールかスリザリンかでウンウン唸ったというのが噂だが、あながち間違いではないのかもしれないな、とオミニスは思う。彼女はいつもどこかしらから血の匂いがしていたし、ある時はウィゲンウェルド薬の匂いをこれでもかとばかりにさせていたので、あまり危険な事に首を突っ込むなよと口を出してしまった事もある。──まあ、聞き入れられた事はないが。
     レイヴィニアの名前を、オミニスは彼女が転入するずっと前から知っていた。何しろ彼女は己の従姉妹に当たる存在だからだ。ゴーント家にあってマグルと交わったが為に異端とされた魔女、その忘れ形見だと言うのは記憶に新しい。当然の如く家系図からは消され、ほんの半年前にようやっと夫婦諸共殺されたが、娘のレイヴィニアが魔女としての才を開花させた事で面倒な事になっていることもオミニスは知っている──レイヴィニアは知らないことだが。
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    しすい

    MOURNINGmoti様(@MotiTench)のおかずカウンターネタお借りして書き上げたもののもはやよく分からなくなったセバ転♀供養
    ・自機♀の自我が死ぬほどあるし名前もがっつりある、何なら設定もある
    ・セバスチャン口調むずかしい
    ・五億年ぶりの小説なんて書くもんじゃねえ
    果たして悪魔はどちらか ある日、頭上に変な数字が見えるようになった。
     なにこれ? と思えどレイヴィニアには全く分からない。ぴんとくるものもない。しかも頭上に数字があるのは男子だけで、その男子も全員が全員あるのだが、ゼロだったり、13とかだったり、数字にばらつきがある。
     談話室をうろついて友人を探せば、暖炉の前でその二人は談笑していた。当然二人の頭上にも数字はあって、5と31と書いてある。何の数字か分からないが、どうやらオミニスの方が少ないらしい。
    「おはよう、セバスチャン、オミニス」
    「ああ、おはよう」
    「おはよう、きみは今日も元気そうだな」
     ──ところでその頭の数字、なに?
     なんて事を聞けるはずもなく、レイヴィニアは他愛もない話をして二人と一日を過ごすことにした。魔法薬学で出来の悪いウィゲンウェルド薬を作ったり──主にオミニスだけだが──魔法史で睡魔と戦ったり。何の変哲もない平和な日である。レイヴィニアも毎日校外へ繰り出す訳ではないので、アッシュワインダースやランロクの信奉者と出くわすことなく済む日が一番好きだった。
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