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    しすい

    @kona_sis_dayo

    @kona_sis_dayo
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    完成したけどぴくしぶに上げるほどじゃないやつメインの掃き溜め
    もしかしたらぴくしぶにあげるかもしれないけど……

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    しすい

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    🌱弟の話

    永劫別離「アスアド、ま〜た連休溜め込んでるでしょ? 科学院の上役達が取れって言ってたよ〜?」
    「科学院内の宿舎での休息は取っている」
    「あそこベッドないじゃん! しかも思考を仕事から遊びに変えるだけだし! それに僕が連れて帰らないと家にも帰らないんだしさ〜」
    「なら、テュシアが毎日俺を連れて帰ればいいだろう」
    「んも〜♡ かわいいこと言ってぇ♡ 僕だって研究がなかったらそうしてるって分かってて言うのずるくない?」
    「何がだ? ム……?」
    「あ、そうだ、ね、ね、スメール行きなよ、気分転換にさ! お兄さんにも会えるかもしんないし!」



    永劫別離



     あの日のことは今でも鮮明に思い出せる。テュシアはやたらと連休を勧めて、スメールに行けと騒いでいた。スメール、と聞くと、アスアドは面識もない兄を思い出す。そして四年後と約束を交わした、名も知らぬ女を。
     その話をした時、テュシアは兄に会うべきだと、約束が果たされずとも向かうべきだと、熱弁を振るっていた。確かに今を逃せばいつ連休が取れるかも分からないことを考えれば、今がその時なのかもしれない。ちょうどイースティングハウスの実験は直に山場を迎える。他の研究は隅へと追いやられ、不正が蔓延り、腐り切った科学院。そこから離れ、フォンテーヌではなく他国で休暇を過ごしても良いかもしれない。
     そしてテュシアの言う通り、兄に会ってみよう。アスアドは一目でもいいから兄に会ってみたかった。家族がいた事実を、この目で確かめたかった。
    「そうだな……そうしよう。テュシアは行かないのか?」
    「僕まだ仕事残っててさぁ〜、だからたまにはアスアドが聞かせてよ! 旅の思い出!」
     それが、過ちだった。長期休暇申請を出し、それが無事に通って荷造りを始めて、出発は明日の休暇二日目でいいかと思った矢先。

    「フォンテーヌ科学院が爆発事故を起こしたって!」

     その報を聞いた時、嘘だと思いたかった。今朝も普段と変わらない挨拶や会話をして、科学院に向かうテュシアを見送ったのに。
     アスアドは呼吸が浅くなる感じがして、どうにか科学院へと向かおうとした。人混みを掻き分けて、カーレス線の乗り場へ向かえば巡水船は運行停止中。ならば歩いて向かおうと乗り場を離れようとした時。
    「待ちなさいアスアドくん」
    「……………ユースフ、さん」
    「ひどい顔色をしてるわ……科学院に行く前に少し休んだ方がいいわね」
     知人夫婦にそう言われて、アスアドは少し休むことにした。二人はアスアドより落ち着いていて、情報をだいぶ集めているようだった。曰く、爆発の規模はかなり甚大なこと。そして、恐らく生存者は極めて少ないだろうこと。
    「焦る気持ちは分かるわ、大切な人がいたらなおさらよ」
    「……僕もきっと、君の立場だったら同じように慌てていたと思う。だが今は焦っても仕方ない、君に必要なのは休息じゃないかな」
     夫妻に買ったばかりらしいココアを差し出されて、大人しく受け取る。一口飲むと、ほんのり優しい甘さが広がって、焦っていた心が少しだけ落ち着く。
    「……ありがとう、ございます」
    「構わないよ。それじゃあ、そろそろ行こうか。君も早く向かいたいんだろう?」
    「……はい!」
     長い長い時間を掛けて、三人は歩いた。道中で制御不能となったクロックワークマシナリーを破壊しつつ、爆心地近くの宿舎に着いた時、どくりと心臓がいやに脈打つ感覚がした。嫌な予感がしていた。崩壊した宿舎に、最愛がいるような気がして仕方なくて。夫妻が手伝ってくれたおかげで、何人もの亡骸を運び出して安置して、やがて人手が増えてきて、安置される遺体の数が増えていく。きっと科学院だったはずの場所は、今どこもかしこもそうなのだろう。そうして夜明けを迎えようとした頃。
     とても見覚えのあるペンダントと、四肢のない、一部だけになった最愛が瓦礫の下に埋まっていた。
     そこからの記憶はあまりない。ただひたすらに最愛を喪った空虚さがこの身を襲い、夫妻や周囲の人間たちの労る声が遠く聞こえる程度で。
    「……どうして、俺を置いて逝くんだ、テュシア」
     ──俺を、置いて逝かないんじゃなかったのか。
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    しすい

    MOURNINGレイヴィニア・ファウスト、あるいはレイヴィニア・ゴーントに対するオミニスのお話を書こうとした何か
    悪魔、あるいはゴーント その転入生は奇妙な娘であった。
     スリザリンでありながら勇猛果敢、知的好奇心に溢れており、困った人間を助けて回る。組分け帽子はグリフィンドールかスリザリンかでウンウン唸ったというのが噂だが、あながち間違いではないのかもしれないな、とオミニスは思う。彼女はいつもどこかしらから血の匂いがしていたし、ある時はウィゲンウェルド薬の匂いをこれでもかとばかりにさせていたので、あまり危険な事に首を突っ込むなよと口を出してしまった事もある。──まあ、聞き入れられた事はないが。
     レイヴィニアの名前を、オミニスは彼女が転入するずっと前から知っていた。何しろ彼女は己の従姉妹に当たる存在だからだ。ゴーント家にあってマグルと交わったが為に異端とされた魔女、その忘れ形見だと言うのは記憶に新しい。当然の如く家系図からは消され、ほんの半年前にようやっと夫婦諸共殺されたが、娘のレイヴィニアが魔女としての才を開花させた事で面倒な事になっていることもオミニスは知っている──レイヴィニアは知らないことだが。
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    しすい

    MOURNINGmoti様(@MotiTench)のおかずカウンターネタお借りして書き上げたもののもはやよく分からなくなったセバ転♀供養
    ・自機♀の自我が死ぬほどあるし名前もがっつりある、何なら設定もある
    ・セバスチャン口調むずかしい
    ・五億年ぶりの小説なんて書くもんじゃねえ
    果たして悪魔はどちらか ある日、頭上に変な数字が見えるようになった。
     なにこれ? と思えどレイヴィニアには全く分からない。ぴんとくるものもない。しかも頭上に数字があるのは男子だけで、その男子も全員が全員あるのだが、ゼロだったり、13とかだったり、数字にばらつきがある。
     談話室をうろついて友人を探せば、暖炉の前でその二人は談笑していた。当然二人の頭上にも数字はあって、5と31と書いてある。何の数字か分からないが、どうやらオミニスの方が少ないらしい。
    「おはよう、セバスチャン、オミニス」
    「ああ、おはよう」
    「おはよう、きみは今日も元気そうだな」
     ──ところでその頭の数字、なに?
     なんて事を聞けるはずもなく、レイヴィニアは他愛もない話をして二人と一日を過ごすことにした。魔法薬学で出来の悪いウィゲンウェルド薬を作ったり──主にオミニスだけだが──魔法史で睡魔と戦ったり。何の変哲もない平和な日である。レイヴィニアも毎日校外へ繰り出す訳ではないので、アッシュワインダースやランロクの信奉者と出くわすことなく済む日が一番好きだった。
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