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    冬春ブラネロ♀ お題「身長差」「照れ隠し」
    幼なじみ&許婚のブラネロ♀
    ちゃんとお付き合いから始めてあげたいブラッドリーと、今さらすぎて恥ずかしいネロの話。

    #ブラネロ
    branello
    #女体化
    feminization

    Marry me!- Marry me! -

     俺には許婚がいる。
     春の国と冬の国の友好な関係作りのため。ガキの頃にそう決められたブラッドリーとは、ずっと幼なじみだった。
     許婚とは言っても、手を繋ぐくらいしかスキンシップはなく、兄妹のように育ってきたのだ。
     そんな関係が最近、異常をきたし始めている。

    「それ、いいじゃねえか」
    「似合ってるぜ、ネロ」
    「自信持てよ。お前以上に俺様好みの飯を作れるやつはいねえ」

     褒める。やけに褒めてくる。
     そのうえ、以前より春の国に訪れる回数が増えた。しかも滞在時間のほとんどはネロの傍で過ごしている。
     最初は何か思惑があるんじゃないかと思ったものだが、自分を称賛してくるブラッドリーの表情に裏は無さそうで、余計に困惑した。女を口説く練習台にされてるんじゃないか、と思ってしまったのはちょっと申し訳なかった。あいつはそんなに失礼なやつじゃない。
     それと、単純に恥ずかしかった。だから素直に「ありがとう」なんて言えず、そっぽを向いてしまったり、逃げてしまったり。その分ブラッドリーと話す機会が少しだけ減ってしまっている。
     まあ、話といっても、いつも軽口を叩き合う程度だけれど。

     そして、今日もブラッドリーはリケと一緒に苺摘みをしていた所にひょいと現れた。最初こそ肉が喰いたいと煩かったものの、結局リケと一緒に収穫量を競い合っている。
    「ネロ! ブラッドリーの手、僕よりも大きくて一度にたくさん取れるんですよ。ずるいと思いませんか?」
    「俺様の一部なんだから、ズルでもなんでもねえよ。つうか、それならお前がでかくなるまで勝負できねえじゃねえか!」
    「あははっ、ムキになるなよ。もう子どもじゃねえんだから」
     思わず笑っていたら、ブラッドリーは急に真剣な顔になって、「いいな。ずっと笑ってろ」なんて言い出して。ネロは咄嗟に顔を背けて「馬鹿じゃねえの」と返した。照れ隠しにしても、可愛く無さすぎる。
     ぷちぷちと苺を収穫しては、リケの籠に入れていく。ブラッドリーは文句を言っていたが、無視だ無視。
     一体どうしたんだよ。いつもそんな感じだったか?たしかに褒める時はちゃんと褒めるやつだったかもしれねえけど。
     悶々としていれば、暫くの間作業に没頭していたらしい。ふと横を見ると、ブラッドリーはリケに収穫し終わった苺を渡していた。よく頑張ったじゃねえか、と褒めている様子は普段通りかもしれない。
     ──やっぱり俺の勘違いか。
     ほっとしたような、がっかりしたような。ぼんやりと二人を見つめていたら、不意にブラッドリーが寄ってきて、ネロの耳元でひっそりと囁いた。
    「おい、ネロ」
    「うわっ、な、近……」
    「話してえことがある。この後時間とれ」
    「え、今じゃ駄目なのかよ……?」
    「お前がいいなら、いいけどよ。ガキの前で言っても構わねえなら、ここで言ってや…」 「やっ、やっぱり後でいい! 二人、で……」
     二人で。ブラッドリーと、二人っきりで?
    「言質は取ったぞ」
     ブラッドリーはにやりと口端を上げる。
     ──ハメられた。
    「二時間後に、花時計前のベンチだ。絶対来いよ。……二人でだからな」

     
    「……早すぎたか……?」
     結局そわそわと落ち着けなくて、ジャム用の苺の下拵えすら手に付かず。心配したリケに、「大丈夫です、ネロ!ミチルと一緒に頑張りますから、休んでいてください!」とまで言われてしまった。
     レシピは教えてきたけれど、子どもだけで大丈夫だろうか。様子、見に行くべきか?
     時間は約束の三十分前。まだ余裕がある。ネロはベンチから立ち上がり、キッチンに向かって歩き出そうとした。

    「おい!」

    「!? ブラッ……」
     どたどたと背後で靴音が聞こえて、それからブラッドリーの声がした。なぜか、焦ったような。振り返る直前に後ろから腕を回され、強く抱き締められる。歩き出そうとしていた身体はつんのめったが、難無く抱えられてしまった。
    「へっ……?」
    「てめえ、逃げるつもりかよ」
     困惑と混乱で、脳内に疑問符が飛び回った。逃げる。まさか、ブラッドリーとの約束を放り出して逃げようとしたと思われてるのだろうか。
    「せっかく俺様から言ってやろうってんのに。聞きもせずに逃げようなんざ、許さねえぞ」
     胸の上にかかった腕に力が込められ、さらに密着度が上がった。嫌でも体格の差を感じてしまう。自分の顔の横に、ブラッドリーの端正な顔が寄せられた。
     少しだけ左肩の方に視線を向ければ、余りにも近い距離でブラッドリーと目が合った。大きな赤色は完熟した苺のように鮮烈だ。だけど、そんな可愛らしい表現は似合わない雄々しさも併せ持っている。
     腹立たしくもブラッドリーがにょきにょきと身長を伸ばしてからは、こんなに近くで見つめ合うことなんてなかった。だから、ほぼ耐性はゼロと言ってもいい。
     どくりと心臓が鳴った。かあっと体中が熱くなる。ネロは思わず正面に向き直った。
    「は、離せよ……っ」
    「おっ、照れてんのか? ようやく可愛げのある反応したじゃねえか。……けどよ、そんくれえで恥ずかしがってたら、この先困るんじゃねえの」
    「この先、って」
    「結婚すんだぜ、俺たちは」
     ブラッドリーの口から、結婚なんて言葉を聞くのは初めてだった。俺と将来一緒になるのをどう思っているのか、ちゃんと尋ねたことはなかったから。
    「でも、お前は……」
    「てめえ最近、あんまりブラッドって呼ばねえな。それも照れ臭いのかよ」
    「う、うるせえぞブラッド! 俺はお前のほうが、許婚とか、そんな国が決めたレールには乗りたがらねえと、思っ、て……」
     勢いよく話し出したのに、後半は尻窄みになった。だってこれじゃあ、俺は結婚したかったけどお前は違うだろ──間違ってはねえけど──みたいなことを本人に暴露してるんじゃないだろうか。
    「いや、その……」
    「俺はレールになんか乗らねえよ。自分で作る道に、お前が必要だと思っただけだ」
     てらいなく告げられた言葉に、ネロはぎゅうと胸が締め付けられた。幸せか、喜びか。少しだけ涙腺に響いた。恐る恐る、斜め下から見上げるようにブラッドリーを窺う。
    「ネロにしか俺様の隣は任せられねえ」
     ブラッドリーはネロを抱えたまま身体をずらし、長い指でサイドの髪を撫で、耳にかける。次いで前髪を掬い上げ、軽く額に口付けた。
     驚いて、思わず目を閉じる。だけど唇の感触は一瞬で離れてしまった。片頬を大きな手で包まれるのを感じて、もう一度ブラッドリーを瞳に映す。
    「最初から婚約者だと、絶対余計なこと考えるだろうが。だからごちゃごちゃ面倒くせえてめえのために、このブラッドリー様が恋人から始めてやろうと思ったわけだ。優しいだろ?」
     自分が考えそうな、というか考えていたことまで予想されている。完敗だった。
     そうだ、こんなやつを好きなった時点で、敵う筈がない。
    「指輪はまた今度だ。嵌めてやるし、嵌めさせてやるよ」
     頬を撫でていた手が、するりと落ちてネロの指を掬い上げた。嵌めさせてやる、までセットなのがこいつらしい。そういうところは、嫌いだけど、嫌いになれない。
    「断るわけねえよな、ネロ」
     てめえも俺のこと、好きなんだろ。
     ブラッドリーは、いつものように自信たっぷりに笑う。
    「……ばーか」
     好きだよ、の言葉の代わりに、ネロはブラッドリーの襟元を引っ張って、その傲慢な唇を塞いでやった。
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    44_mhyk

    SPOILERイベスト読了!ブラネロ妄想込み感想!最高でした。スカーフのエピソードからの今回の…クロエの大きな一歩、そしてクロエを見守り、そっと支えるラスティカの気配。優しくて繊細なヒースと、元気で前向きなルチルがクロエに寄り添うような、素敵なお話でした。

    そして何より、特筆したいのはリケの腕を振り解けないボスですよね…なんだかんだ言いつつ、ちっちゃいの、に甘いボスとても好きです。
    リケが、お勤めを最後まで果たさせるために、なのかもしれませんがブラと最後まで一緒にいたみたいなのがとてもニコニコしました。
    「帰ったらネロにもチョコをあげるんです!」と目をキラキラさせて言っているリケを眩しそうにみて、無造作に頭を撫でて「そうかよ」ってほんの少し柔らかい微笑みを浮かべるブラ。
    そんな表情をみて少し考えてから、きらきら真っ直ぐな目でリケが「ブラッドリーも一緒に渡しましょう!」て言うよね…どきっとしつつ、なんで俺様が、っていうブラに「きっとネロも喜びます。日頃たくさんおいしいものを作ってもらっているのだから、お祭りの夜くらい感謝を伝えてもいいでしょう?」って正論を突きつけるリケいませんか?
    ボス、リケの言葉に背中を押されて、深夜、ネロの部屋に 523

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    DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第6話。
    ※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。

    【あらすじ】
    雪崩に巻き込まれ、マスターたちとはぐれたランサーとオルタ。
    洞窟で嵐をしのごうとするが、ランサーの様子がおかしいことにオルタが気づく。
    彼女が本当に「クー・フーリン」なのか疑いを持っていたオルタは、ランサーを問い詰めるが…。
    ミラーリング #6(カルデア編) 死にたくない、と彼女は言った。
     腹を裂かれ、血に沈み、全身から命を流しながらも、彼女は言った。死にたくない。
     その身を疎まれ、弄ばれ、それでも必死に生きた末にこのざまとは、なんて、なんて、あわれな女!
     今際の際にみじめたらしく泣く姿が許せず、私は言った。
     体が朽ちても、その名が語り継がれるように。
     その身が伝説に昇華され、永遠に生き続けるように。

     ──おまえを、英雄にしてあげる。

    ✳︎✳︎✳︎

     ランサーは目を覚ました。
     真っ先に目に入ったのは、オレンジ色に明滅する濡れた岩の天井だった。
     吐いた息が白く立ち昇っては消える。

     寒い。

     ぼんやりする頭で自分の白い息を見つめていると、唐突に記憶が蘇った。
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