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    yowailobster

    ☆Тайно следовать
    POIPOI 175

    yowailobster

    ☆Тайно следовать

    20210328 軽度暴力描写あり 11話を見て書いたので実質11話感想です

    愛抱夢があのときランガにはっきり伝わるように己の弱さを晒けだし縋ったなら無条件には肯定されずとも拒絶もされなかったのではないかなと思ってます まあそうしないどころか誤魔化すように怒りをぶつけたうえで全部受け止められちゃったんですが…よかったな…

    ##暗い
    ##全年齢

    リフレインに沈む 腕を引きずられてやって来たのは岩の隙間、巧妙に隠された扉の前だった。舌打ちした男が焦れったそうに服の内側をさぐり、機械音と共に開いた扉の奥へと迷いの無い足取りで進んでいく――自分を連れたまま。
     油断していた。客に囲まれ喋り続ける暦に飲み物でも用意しておこうと一人輪から外れたのは間違いだった。自販機へ伸ばした手首を背後から掴まれ、それが男の手だと気づくよりも早く愛抱夢が走り出した。予め人気の無いところを知っていたかのような行動におそらく気づいた人間は誰ひとり居ないだろう。
     ギャラリーの前からわざと姿を消し、隠れて自分が一人になるのを待っていたのだろうか。もしくは――存在を認識されなくなっていたか。Sのトップ、伝説の男。それが一夜にして、こうも。
    「誰か、誰か居ませんか……!」
     ロッカーがあるだけの小部屋に向けて男が乱雑に腕を振り、身体は床へと強かに叩きつけられた。ろくに息もできないまま、泥にまみれた手に再び押さえ込まれる。
    「はなして……っ、はな、せぇ……ッ!」
    「すまない」
     青い髪から滴ってくる雨粒よりよほど冷たく淡々と謝罪を述べる男は、しかし決して放す気はないとばかりに更に指に力を込めた。
     ビーフ後から明らかに様子がおかしい。動きに遊びがなくなり、異様に焦っている。そして、目だ。自分を連れてくる間も男はずっとどこか目の焦点が合っていない。現実を捉えず、己の燃やす炎だけを見ている。仮面の奥の暗い赤に知らず背筋が震えた。
     何をするつもりなのか。まさか、決勝前に先制攻撃を?判断材料があまりにも足りない。男の発言はいつも抽象的で捉え方がわからず自分には難しすぎる。まして内面なんて理解できるはずもない。
    「僕は一人だ」
     愛抱夢がぽつりと呟いた。
     短く切られた言葉はあまりにも幼い。
    「何を……」
    「僕の周りには誰もいない。皆僕の前から姿を消す。いつだって取り残される」
     瞬間、脳裏に景色が浮かぶ。吹きすさぶ雪。どこまでも白い世界で色を持つのは自分だけ。おかしい、確かにもう一人居たはずなのに。
     心臓が強く脈打つ。声が出ない。
    「でも、君が」
     やめてくれ。
    「孤独な世界に君が……君が来てくれた……君をあの日見つけてから……僕はもう一人じゃなくなった……」
     燃え盛る炎がぱちぱちと美しい火花を放つ。運命を夢見る子供の瞳。その輝きは一瞬の内にしてごうと上る火柱にかき消された。
    「君と出会うために僕は失った、そう思えばこんな世界にも耐えられる……けれど」
     あいつら。喉の奥から絞り出されたそれは、怨嗟だ。
    「許さない……血筋……有象無象……僕自身……どうだって構わなかった何もかもがひどくこの身をさいなむ。また奪われる。僕の愛、僕の全て――!」
    「……ッ!」
     手の甲に爪が食い込む痛みにようやく声が戻った。わずかな叫びはなんとか届いたらしい。荒れ狂っていた男が徐々に我を取り戻す。
    「……すまない」
     力の抜けた身体がずるりと被さってきた。泥水がシャツを汚していく。説明どうしよう、転んだって言えばいいかな、取り留めもなく考えて思考を散らす。
     意識を現実に戻せ。これ以上近づいてはいけない。
    「……失うのが恐ろしい」
    「……」
    「恐ろしいから、永遠にしたい」
     弱々しくかすれた声が二人だけの小部屋に響き、扉の外に届くことなく霧散した。
     水滴が濡れた仮面を伝いほほに落ちていく様は落涙に似ている。
     この男も泣くのだろうか。
    「僕は永遠になるなら君とがいい……君じゃなきゃ駄目なんだ……」
     思考の海に沈んだ男はついにうわごとのような言葉を波間から放つだけとなった。手の力はほとんど入っていない。これなら簡単に逃げられそうだ。
     そうだ、逃げてしまえ。見なかったことにして、聞かなかったことにして、知らなかったことにすればいい。早く逃げろ。こんなすがりつく手なんて振りほどいて。
     どこへ行ったの。頭の内側で声がする。どうして今出てくるんだ。もう自分はそんなこと思っていない。終わりにしたんだ。それなのに。
     誰でもいい。早く助けに来てくれ。自分と彼を引き離して、あの男の言うことなんて聞くなと叱り、二度と男に近づくんじゃないと命じてくれ。彼の感情の全てを正しくないと断じてくれ。そうでないと、そうでもしないと――自分は。
    「一人は寂しい。一人は嫌だ――」
     ああ。誰か。誰か。
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    9s0z9

    Траурごじょ、割とよく電話してるから、メールより電話派かなぁなんて思ったところから始まったらこんな感じに落ち着いた。テンデ関係ない。笑
    でもまぁ無自覚期間もいいよね。きっとこのゆじは勝算有で告白するんだけど、「え、先生俺の事好きなんじゃないの⁉」って吃驚して、「え⁉好きだけどそういう意味で…(0.02秒)好きに決まってんじゃん‼」で解決するごゆ。
     僕は電話派。携帯開いて文字打って。『今』用があるのに、すぐ返事が来るとも限らないメールでのやりとりより、サクッと電話して終わりにしたい。無機質な文字の羅列より、耳元で感じる相手とのやり取りの方が、齟齬がなくて済む。
     それはなにも仕事上の話だけではない。プライベートでも『今』そう思ったから電話をかける。相手が出れないならそれまで。
     でも今の子はそうでもないらしい。今の子なんて白々しく言ったけど、悠仁の事だ。
     悠仁は電話をかける前に、電話をかけていいかメールをくれる。律儀と言うか、それが彼なりの気遣いらしい。『先生は忙しいから』なんて。忙しかったら電話は取れないんだし、一々気にしなくていいのに。
     しかし最近の僕は、そんなメールとやらが好きになってきた。勿論ただのメールじゃない。悠仁からのメール限定で。ああ今はラインって言うんだっけ。
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