本日閉業あおぞらお悩み相談室 優しいよ。本当に。俺の言うこと半分くらいは聞いてくれるし。あとの半分?それは良いんだ、俺達の意見が合わないのなんてしょっちゅうだから。どうしてもの時は俺も言うし。言葉だけじゃなくてやり方は色々ある、例えばほら、これとかさ。
旅先のパークで出会った少年は誰かを待っているらしかった。
あの人がどう思ってるか?知らない。でも俺より色々考えているみたい。気にしなくていいのにね。大人って大変そう。それとも俺もいつかわかるのかな。あの人の気持ち。俺なりに見つけたつもりだけど。だから今ここに居るんだけど。それでもまだ遠いんだ。どうすればいいんだろう。大人になったらいいのかな。
言葉に迷っていると背後にもうひとつ声が増えた。
「君はそのままでいいよ」
「そう?」
「ああ」
少年に追い抜かれて後ろを向く。
並べば存在感のある長身二人。そのうちどちらかというと背の低い方が何ら緊張を見せることなく言った。
紹介します。
「夫です」
……なるほど、そう来たか。