もういつからかわからないくらい幼馴染である男の事が好きだった。
自分の命を救ってくれたからこの命は彼の為に使おうと思っていた。
比喩じゃなく、彼の為ならば死んでも良いと思っていた。
彼が大切で誰よりも好きだったからそう思ったのだ。
理屈じゃない、そう感じてしまったのだから仕方ない。
だからといって幼馴染にも自分に同じような感情を向けて欲しかったわけじゃない。
出来ればもう姉や自分に囚われないで普通の幸せを享受して笑って生きていってくれればそれで良いと思ってた。
その内、離れなきゃいけない。もう自分たちから解放してやるべきなのだ。
だけどあと少しだけ、もう少しだけ側に居たいと欲張ってズルズルとその隣に居続けてしまったからいけなかったのだろうか。
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