ある麻薬の存在を知れここはミカグラ島の警視長官の部屋だ
ルーク
「麻薬ですか?」
ナデシコ
「そうだ、イギリスで今不可思議な麻薬の取り引きが行われている」
チェズレイ
「不可思議ですか?」
アーロン
「いきなりトチ狂ったかと思ったら自殺かます奴がいるんだよ」
モクマ
「あっ、その病状なら知ってるよ、チェズレイと一緒にある組織に入り込んだ時に同じ事が起こったよ!ありゃあ、一度音波の事件を沸騰させちまったね」
モクマが思い出したように言うとルークとアーロンが深刻な表情になった
チェズレイ
「モクマさ〜ん、あなたは空気を読みませんね」
モクマ
「えっ!?あっ、す、すまん……別にルークやアーロンの事を言ってる訳じゃないんだよ」
ルーク
「それは、分かっているつもりです……ですが、やはり……」
モクマ
「うん、うん…そうだね、ルークは気にしちゃうよね……面目ない」
モクマは申し訳なさそうにしているとアーロンはナデシコを睨んだ
アーロン
「で?今回はどうして集まったんだ?まさかその麻薬についての語り合いじゃないだろ?」
ナデシコ
「当たり前だ、その麻薬を取り扱ってるのが今一番面倒くさい組織なんだ」
ルーク
「組織って事は、その麻薬はその組織が扱っているんですか?」
ナデシコ
「あぁ、コルシカ団体の組織とまでは突き止めたんだが、いかんせん相手が大きな組織でね、ファントムの力を借りてようやく組織の名前が分かったんだ」
チェズレイ
「ファントムの力ですか……」
ナデシコ
「今回ばかりは、相手が手強くてね、あたしも二、三日徹夜をしたのさ」
モクマ
「あのナデシコちゃんが!?シキとか使っても駄目だったの?」
ナデシコ
「あぁ、手練れの奴らが多くてねハッキングしてもすぐにプログラムを書き換えられてしまうんだ」
ルーク
「シキのハッキングじゃ、キツイってかなりのプログラムを使ってるって事ですね」
ナデシコ
「あぁ、今回ばかりは中から入って組織を殲滅しないといけないぐらい危険な麻薬も関与しているから、君たちを呼んだのだ、後シキとファントムを使ってくれないか?」
モクマ
「まぁ、今回その組織の名前を手に入れたファントムの力は必要不可欠かもしれないけど……」
モクマはルークたちを見た、ルークはアーロンやチェズレイを心配していた
チェズレイ
「私は別に構いません、ただボスに何かするなら容赦いたしませんがね」
アーロン
「……お前はいいのか?」
アーロンはルークに向かって言うとルークは苦笑いする
ルーク
「確かに少し心配だけど、皆が居るから大丈夫だよ」
アーロン
「そうかよ」
アーロンはそっけなく言うもやはりルークが心配だと分かる、それがルークは一番嬉しかった
ルーク
「あれ?組織を壊滅するのが目的なら目的地は…」
ナデシコ
「イギリスのNYだ!」
それを聞いた瞬間アーロンは顔を真っ青にした
ルーク
「大丈夫か!?アーロン???」
ミカグラからイギリスへは空路を経営しなければならない、しかもかなりのフライト旅行であるのだ、飛行機嫌いのアーロンが真っ青になるのは必然だったのだ。だが、これはほんの序曲でしかない事を僕たちは知らない、あの恐ろしい麻薬と関わるきっかけになったこの事件の序曲だと……。
ルーク
「やっと、着いた」
チェズレイ
「これほど公共機関が息苦しいのは初めてでしたね、ミカグラ行きの飛行機の方がまだスリリングがありました」
ルーク
「チェズレイ……」
チェズレイを真っ青な顔を見た後、震えてるアーロンを見るとアーロンはチェズレイを睨んだ
アーロン
「ふざけんな!何が自家用ジェット機を使ってここに来るなよ!?」
ルーク
「まぁ、確かに自家用ジェット機はないよね」
ルークたちは現在ニューヨークに来たのだが、飛行機大嫌いなアーロンは悪顔で座り込んでいた
ルーク
「アーロン大丈夫か?」
アーロン
「大丈夫に見えるか?」
ルーク
「いや……さて、これからの捜査方法だけど、今回は地道に情報を集めるのは厳しいな」
チェズレイ
「そうですね、しかも今回は私やボスの職業は場所や状況に応じて伏せた方がよろしいですね」
モクマ
「だよね〜♪麻薬取り扱ってる組織に国家警察が来たら何しでかすか分からないからねぇ」
チェズレイ
「私自身もあまり目立つと危険ですし、今回はボスと怪盗殿が主に情報収集を考えたいのですが……」
アーロン
「事が事だ、情報なんて手に入るのか?」
ルーク
「まぁ、無理だろうなぁ〜、とりあえずアーロンを休ませないと、すまないがチェズレイとモクマさんも手に入りづらい情報収集をお願いします」
チェズレイ
「こちらの方は大丈夫ですよ!」
チェズレイがニッコリ笑っているのを見てルークは苦笑いしながらアーロンと速度を合わせて歩いた
ルーク
「とりあえず飲み物でも飲んでゆっくりしようか」
ルークが周りを見渡すとビリヤードと酒場が一つになっている場所があった
ルーク
「すみません、連れを休ませたいのですが……」
酒場の前に門番()が立っていたので顔色悪いアーロンを見せて門番に言うと、門番は少し疑いの目を向けたが、アーロンが顔色悪い目付きで門番を睨んだため、門番は怯え中に通す
アーロン
「ルーク、お前今回は絶対年齢と本職業をバラすなよ」
ルーク
「えあっ、うん」
酒場に入りカウンターにアーロンは座り水を注文する
ルーク
「流石に長時間のフライトには負けたね」
ルークが何気なく言うとアーロンは、その聴覚を活かした情報を集める
アーロン
「ドギー、どうやらここはこの街のギャングのボスのたまり場みたいだ」
ギャングの言葉に反応して水を含んでいた物を吹き飛ばした
ルーク
「ギャングって、何年前の話なんだよ」
アーロン
「さぁなけど、コルシカ財団に関連はあるみたいだ」
ルーク
「相変わらず君の聴覚は本当に凄いね」
ルークは再び水を含み、アーロンの顔色も徐々に戻ってきた
ルーク
「情報収集に苦戦すると思ったけど、ここがまさかギャングのたまり場でコルシカ財団と関連があるなんて、実は僕の目利きはスゴイって事かな」
アーロン
「目じゃなく鼻だろあそこにいるヤツがボスっぽいな」
アーロンが目を送るとルークも見てみると金髪がいやに目立つ青年が誰かと話していた
アーロン
「日本から来たヤツらが、あいつの取材に来たみたいだな、ギャングの取材か……日本も刺激が欲しいのかね」
ルーク
「うぅ~ん、僕ならモデルを頼みたいかなチェズレイみたいに綺麗だし」
アーロン
「詐欺師の名前を出すな」
ルーク
「あはは」
長時間の飛行機はチェズレイも嫌い、チェズレイのチャーターに乗せられてここに着いたのだが、アーロンの口から魂が出そうになるくらいに真っ青になり、目的地に着いても真っ青だったのだ
ルーク
「けどおかげで早く目的地に着いたし、そろそろ本格的に行動した方が……」
ルークは会計しようとしたが、アーロンはいきなりルークを引き連れカウンターの奥に逃げるといきなり騒ぎが起こった
ルーク
「なっ、何だぁ」
アーロン
「知るか複数の足音が聞こえたと思ったらこうなったんだよお前は裏口から出て、おっさんか詐欺師と合流しろ」
アーロンがカギ爪を装備して周りを確認する、ルークはアーロンの指示に従い裏口から出ようとすると黒人の子どもと黒髪の少年と出会い、暴漢に襲われそうになっていた
ルーク
「頭を下げて」
流石に狭い場所で銃を撃つ訳にはいかず暴漢に回し蹴りを食らわす
「うわっ一発」
ルーク
「気絶させただけだよ、それより、キミ達の安全を優先するから僕の後ろを着いてきてもらってもいい」
「何かマッポを相手してるみたいだぜ」
「けど、僕達は武器を持ってないし出るまで守ってもらおう、スキッパー」
スキッパー
「まぁ、英ちゃんがそういうなら……」
ルーク
「よかった、僕はルークです、君たちは」
「僕は奥村英二です、彼はスキッパーです、スキップとも呼ばれてるみたいですが……」
黒髪少年が奥村英二で黒人の子どもがスキッパーらしい、銃をまだ構えるわけにはいかず、出入口の方に行く前に来た道を見る
ルーク
(追っ手が少ないし、あの人数ならアーロンがもう来てもいいのに……)
ルークはうしろ髪引かれるように裏口を目指す
ルーク
「ここが裏口」
スキッパー
「あぁ早く英ちゃんを安全な場所に避難させないと」
ルーク
「……」
ルークは再び後ろを振り返るも追っ手もアーロンも相変わらずだった、ルークはタブレットを取り出し靴底を割る、これは緊急事態に使うようにチェズレイに言われたタブレットの隠し場所である、偽物のタブレットを元々あったタブレットの場所に入れて裏口から出ると大勢の男性が、英二とスキッパーを囲んでいた
男性A
「うんだまた知らないガキが出てきたぞ」
ルーク
「ガキって……」
ルークは実際年齢を言おうとしたが、酒場に入る前にアーロンが年齢を言うなを守る
男性B
「こいつどうするんだボスはスキッパーだけをご所望だろ」
男性A
「いや、この二人も連れて行く」
ルーク
(えっ僕も)
男性B
「っちおい来い」
英二は怯え車にすぐ入りルークもこういうのは慣れてるので車にすんなり入る、スキッパーが暴れてると金髪が酒場の出入口から出てきた、スキッパーは彼をみると更に暴れるが大人と子どもの体力では叶わず、スキッパーを入れ急発進する前に口笛が聞こえルークは咄嗟に英二と一緒に伏せる、すると聞き慣れた音とある匂いがしルークは慌ててそちらをみる
ルーク
「大丈夫……」
見た好光景は生き絶えた男性だった、ルークは英二にその光景を見せないように後ろを見ると、アーロンと金髪の男性が何かを言い争っていた、その間に自分達を拐った人物は全員のタブレットを取り出し窓の外に出した
英二
「あの、何が起きて……」
ルーク
「分からない、けどキミは一般人……なんですよね匂いは気になるかもですが目を開けないように……」
何が起きているのかは僕にも分からない、だが守る者がいるならば僕は例え何があっても守ってみせる本物のタブレットは未だに靴底の間に隠れているから望みはまだある