ハスマリーの研究所に保護される前までのある少年と名の無い兵士それはいつもこように地雷原を避けて小さな子達にお腹一杯に食べてもらえるようにシナリー区から隣町まで行って、食料を貰い帰る途中で大きな爆発音と大きな風が自分自身を駆け抜けた。その時嫌な予感がして荷物を抱きしめ、孤児院があった方に走ると嫌でも自分には分かる、何故ならそこは元々自分が居た孤児院だからだ、大きな煙が空に上がっている、院長先生や他の子たちがどうなったのかは、おれには分からない、けどこのハスマリーに産まれ孤児として育っていた自分には理解できてしまう、けど理解できたとして子どもの精神力が保つ訳がない、だから無事を信じて荷物を抱きしめ再び隣町まで戻った。
(これからどうしよう……)
自分自身には頼れる大人などいない、ハスマリーに産まれた孤児はこれを運命と思うしかないのだ、おれはそれすらも理解出来るほど大人ではなかった。
路地裏で銃撃の音が聞こえた、そこに近付く者など当たり前のごとく居ない、けどおれはそこに向かう、路地裏に入ると更に銃撃の音が聞こえたかと思うと男性の声が聞こえたかと思ったら静かになった、おれはゆっくりとその路地裏を覗くと、血塗れの男性が倒れていた、このハスマリーでは見慣れた光景と音だが、この光景を見るのは少年には衝撃が強かった、少年は青ざめ路地裏から顔を反らす
(な、何?どういう事?)
少年は再び路地裏を覗くとそこには二人の男性が倒れていた一人は先ほど見た男性だがもう一人は意識があった、少年は男性の元に駆け寄り辺りを見渡す、安全な場所と人がこちらに近付かないのを確認して男性の腕を掴み引きずるかたりで男性を安全な場所に連れて行く。
「これでよしっと!」
少年は簡易だがベッドに男性を横にさせて、傷口を確認した、銃で撃たれて倒れたように見えたがどうやら違ったようだ
「うぅっ」
男性が意識を吹き返すと知らない所にいてポケットから銃を引き出し周りを見るも、幼い少年が居ただけだった、だが男性は警戒を解かなかった
「あっ、目を覚ましたんだね!銃撃の音が響いていたから銃撃の時の怪我だと思ったけど、違ったみたいで……顔色悪いし、飲み食いしてないのかな」
少年は支給品を漁ると固いパンを取り出し、水に浸す
「いきなり固い物を食べるといけないんだって、お兄さん顔色悪いから食べてなかったんでしょこれならお腹もビックリしないから……」
固形物より柔らかいのがいいと判断しちぎっては水に浸し男性の口元に渡すと、それを含み噛んでくれたので、ゆっくり男性に渡していった
「本当は暖かい飲み物とかあるといいけど、支給品だし文句は言えないか、寒くない」
少年が聞くと男性は首を降った
「なら良かったしばらくここは大丈夫だから身体を休ませてね」
食事を終え、少しお腹が満たされれば眠くなるのは人間の本能で自分自身が弱っている証拠でもある、本来なら周りに警戒をしなければならないが、その余裕さえ感じなくなり私は意識を手放した
「寝ちゃったや…食料は支給品でしばらく持つけど、怪我した時の包帯とかは支給品に含まれないから、この人の怪我どうしよう」
少年は周りを見て兵士が居ないのを確認し、男性が眠っているのを確かめ支給品が配られる場所に向かった。