プリンは三個、コーラは一本「はぁ〜めっちゃ興奮する」
一郎は彼女を連れて池袋を案内していた。案内と言っても普通の観光案内ではなく作品の舞台となった場所を巡る、所謂聖地巡礼だった。
「いつもみんなが遊んでるとこやん。アニメと現実がシンクロする感じたまらんわ」
「ここであのキャラが、とか思うとドキドキしますよね」
じゃあ次の場所に行きましょうと一郎が歩き出そうとすると近くを歩いていた男性が声をかけてきた。
「あ、一郎君。こないだはありがとね」
「あぁ、佐藤さん。またいつでも連絡ください」
頼りにしてるよと言って去っていった男性を見送ると一郎は彼女に先程の男性が萬屋の客であることを説明した。
「イケブクロの何でも屋さんやもんね。あ、今日も依頼あったんちゃうん?大丈夫?」
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