シンジくんが、怪我をした。
今日の使徒との戦いで攻撃を避けられず、左脇腹を切られてしまったらしい。
戦いには勝利したけれど、初号機の中にいたシンジくんも勿論影響はある訳で。
縫合手術を経て、『数日間検査を兼ねて入院しましょう』と言う医者の言葉通り、シンジくんはそのまま病室へ運ばれていった。
---筈なのに。
そのシンジくんが何故か今、僕の上に跨がっている。
「シ、シンジくん…?」
「………………。」
シンジは無言で俯いているので、顔が見えない。
「取り敢えず降りて…」
シンジの腕をなるべく優しく掴んで、気付く。
微かに腕が、身体が震えている。
心成しか、熱を感じる。
「ちょ、君まさか熱があるんじゃ…!」
「………けよ…」
「え?」
「抱けよ…!いつもみたいに、今すぐ…ッ!!」
やっと顔を上げたシンジの顔は真っ赤で、潤み始めた目で息を切らせて渚を睨み付けていた。
それはまるで、夜の情事のようで。
---これは只事ではない。
そもそも、シンジはこんな風に積極的に誘ってきた事なんて一度もない。
まさか、今日の使徒との戦いで負った傷から何かが侵食した---?
「シンジくん、どうしたのさ」
「いいから…!早く…!!」
癇癪を起こした子供のようなシンジを宥めようにも、シンジは『早く』と言って聴く耳を持たない。
ついには着ていた検査着をも、乱暴に床に脱ぎ捨ててしまった。
「…ダメなものはダメ。シンジくん、傷口開いてんじゃない?包帯血が滲んでんじゃん。いくらシンジくんの頼みでも、僕は動かないから」
シンジに巻かれた包帯にじわりと赤が浮かび上がっているのを、渚は見逃さなかった。
ほんの少し揺らぎ冷静を装いつつも、出来るだけ力を込めないようゆっくりとシンジを降ろそうとする。
涙が溢れそうになっているシンジに、渚の中でちくりと罪悪感が募る。
『流石にここまで言ったら諦めてくれるかな…?』
そう思ったのも束の間、シンジは勢いよく再び渚の上に跨がってきた。
いきなりの事で油断しているうちに、いつの間に持っていたのかいつもシンジが使っている充電コードで荒々しく両手首を拘束されてしまった。
「ちょっ、シンジくん!?」
「うるさい!!君はそのままじっとしてればいい。僕は好き勝手やらせてもらうからな!!」
シンジはそう言うと下着を脱ぎ捨て、緩く立ち上がった性器から滲む先走りを指に絡める。
もう既に目に毒だ。
だが本能か、惚れた弱みか、目を逸らす事が出来ない。
そんな渚の様子に気を良くしたのか、シンジは不適に笑い先走りでべたべたになった指を渚の前に持っていく。
シンジが指を動かす度に、指と指の間でつぅ…と糸をひく。
渚は思わず息を飲んで凝視した。
暫く遊ぶように指を動かしていたが、満足したのか手が引っ込んでいき、同時にふと腹に感じていた重みがなくなる。
「?!?!?!」
シンジが腰を浮かせ、所詮M字開脚となっていたのだ。
そしてまるで見せつけるかのように…先程絡ませた指を自ら後肛へと埋めていった。