同居しているナランチャとフーゴ
ブチャラティがナランチャの部屋を用意してくれたというのに、ひとりでいるのが心細いのだろうか、わざわざフーゴの部屋に来て、一緒に寝ようとしてくるナランチャがめちゃくちゃ気に入らないフーゴ。
フーゴの部屋に入ってこようとするナランチャを注意するために、その日フーゴは寝たふりをしてみることにする。
案の定、その日も寝ているふりをするフーゴの部屋に、こっそり入ってくるナランチャ。
がたがたと物音がする。
ナランチャがそっと近づいてくるのがわかる。
(何をする気だ……?いたずらか?)
その瞬間、柑橘のにおいがふわっと鼻をかすめて、それからくちびるにやわらかな感触をかんじる。
びっくりしすぎて目を開けるフーゴ。
ナランチャと、ばっちり目が合う。
真っ赤な顔をするナランチャ。
「なんで『今日は』起きてんだよ……」