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    呉秋@gosyuu5

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    #杏千版ドロライ

    第21回 お題:『染まる』『爪』『勉強』

    ものすごく短い杏千SSです。
    最初は幼い頃の千視点、次に二十歳の兄上視点です。

    #杏千
    apricotChien

    杏千版ドロライ 第21回

    お題:『染まる』『爪』『勉強』

    あにうえは、いま おべんきょうちゅうです。りっぱなたいしになるためには、たんれんだけでなく おべんきょうもしなくてはいけないと あにうえはいいました。
    せんは まだおべんきょうはむつかしくて よくわかりません。けど いつか ぼくもたくさんおべんきょうをして、りっぱなたいしになります。
    おべんきょうちゅうは あにうえは ぼくとあそんでくれません。たんれんのときは ぼくに ほのおのかたをみせてくれたりして とってもたのしいです。けど、おべんきょうちゅうは せんのことをみてくれません。さみしくて つめがのびたおゆびで あにうえのおなかをツンツンしたら こらっておこられちゃいました。はやく おべんきょうおわらないかなぁ。



    千寿郎は今勉強中だ。立派な隊士になるため、人の役に立つためだと学校でも習っていない分野の勉強をしているらしい。今は、俺のためにと医学書に目を通している。さっき覗いてみたがさっぱり理解が出来なかった。千寿郎はこんな本を理解出来るほど賢い子になったのだと感服した。
    だが、勉強中、千寿郎は俺に構ってくれない。俺が脇腹でもつついて悪戯をしようものなら「兄上、もう!」と窘められてしまう。そう言って怒る顔も可愛らしいことこの上ないのだが。早く本を閉じて俺を見てくれないものかと、ジッと千寿郎の横顔を見つめていると、次第にその頬が赤く染まり出した。照れているのだろうか、俺を視界から外すかのように、ゆっくりとそっぽを向かれてしまう。すると、今度は紅潮しだした耳と項がよく見えた。
    うむ。金糸がかかる細い項は、どうもそそってしまう。俺が千寿郎の項を好んでいるのは、千寿郎自身も知っているはずなのに、それを敢えて見せつけてくれるとは。
    「よもや、誘ってくれているのか」
    心の声が思わず口から出てしまったが、仕方がない。わざと爪を立て、するりと赤い項に指を滑らせると、千寿郎は観念したのか漸く本を閉じた。
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    sena

    MOURNING支部の下書きからサルベージ。
    最早投稿したのかも謎なので、ここにあげてみた。若干加筆修正しましたが、話の本筋は変わってないので、まぁいいでしょう(?)
    誘い文句にお応えしませう「何だか、口寂しくありませんか」

    ソファで寛ぎながら、平然を装ってそんなことを告げた。脈略のない僕の言葉に、隣り合ってテレビを見ていた兄はぴたりと動きを止める。時間にして僅か二秒足らず。兄は首だけでこちらに向き直った。左横からは熱いくらいの視線が突き刺さるが、僕は前方のテレビを見る振りをして動かない。

    「千寿郎」

    せっかちな兄が僕の名を呼んだが、それにも答えない。兄を無視している訳ではない。先程の自分の発言を無かったことにしたいだけだ。見えない矢印が僕の左半分に突き刺さっているが、あくまで気付かない振りを続ける。うん、テレビのチャンネルを変えて誤魔化そう。そう考えてすぐ横のリモコンに手を伸ばしたが、碌に見ずに掴んだそれは、リモコンではなかった。ごつごつとした節ばった指が誰のものかなんて、すぐ分かる。慌てて掴んだ手を離したが、もう遅かった。指の隙間に節ばった指が滑り込み、がっちり絡んで離れない。力が入っていなさそうなその指は、どんなに振り解こうとしても全く揺るがない。そもそも兄に力で勝てる筈もなく、諦めて力を抜けば左隣から小さく吹き出す声が聞こえた。流石にもう気付かない振りは通用しない。おずおずと左を見れば、隣に座る兄は至極楽しそうな顔をしていた。
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