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    3月29日はみつくりの日✨✨✨Twitterにあげたのと同内容です。
    中高一貫校、中学3年になる🍯&入学直前の🌰。みかつるの日の続編ぽいですが、こちらだけでも読めます。

    科学少年に恋春は出会いと別れの季節だ。

    先週先輩たちが卒業した。
    って言っても、中高一貫校だからすぐ隣の校舎に移るだけで、もう会えないのかぁ、なんて寂しい気持ちになることもない。
    春休みだというのに、僕は一人、学校へと続く満開の桜並木を歩く。
    生徒会長なんてお役目を頂戴してしまった結果、ここ数日は前生徒会長からの引継ぎのために登校している。

    「あれ?鶴さん、今日は用事あるって言ってなかった?」
    桜並木を抜けて校門に曲がろうとしたところで、見知った人影を見つけた。
    「おぅ、光坊!その用事が終わったからここにいるってわけさ」
    鶴さんは一つ上の先輩だ。家が近所で小学校の頃からよく遊んでくれて、同じ学校に進んだ僕を何かと気にかけてくれる。気の置けない兄のような存在だ。
    「今日は三日月さんと一緒じゃないんだね」
    「やれやれ。きみまで俺と三日月をセットで扱うのかい?三日月はきみと引継ぎだろう。それくらい一人で対応してもらわんとな」
    大げさにため息をつく鶴さんだけど、三日月さんとはいいコンビだ。個性派が多い我が校の中でも、鶴さんたちの学年は特に濃い。高校でもきっと面白いことをやってくれるだろう。
    そんな風に独り言ちていたところ、鶴さんの後ろの人影に気付く。
    「そちらは、お友達?」
    「あぁ、こいつは俺の従兄弟だ。言わなかったか?春から後輩だ。ほら」
    鶴さんの後ろに控えるように立っていた子と目が合う。
    ぺこり、と会釈をしてくれたのは有り体に言って、可愛い子だった。細身の鶴さんの背にすっぽりと隠れてしまいそうな体躯だ。髪は艶々した黒だけど、長めの襟足だけ色が赤茶だ。
    「………」
    「光坊?」
    「え?ごめん鶴さん。従兄妹さんだっけ」
    鶴さんに呼ばれて我に返る。
    「挨拶もなくごめんね。初めまして。僕は燭台切光忠といいます」
    にこり、と愛想よく笑うと、従兄妹さんはほんのり頬を紅くした。
    可愛いなぁ。鶴さんのところに遊びに来てるのかな。
    そんな僕に鶴さんがピシャリと言い放つ。
    「光坊。その顔面兵器をしまいなさい」
    「え?僕何も悪いことはしてないよ!してないよね?」
    ただ笑っただけでそんなことを言われても困る。仕舞いようもない。
    鶴さんは無言のままでいる従兄妹さんに声をかける。
    「挨拶くらいしたらどうだい?これからもっといろんな人に会うんだぜ、きみ。」
    言われた従兄妹さんは、少し躊躇った後、
    「…大倶利伽羅、です。はじめまして」
    ちいさいけれど、凛と通る声であいさつを返してくれた。
    「伽羅ちゃんか。よろしくね」
    握手しようと手を差し出したけれど、伽羅ちゃんは戸惑うばかりで、じっと僕を見つめたままだ。
    「転勤で仙台に住んでた叔父が、ようやく年内には東京に戻れそうでな。それなら伽羅坊は一足先に東京の学校に入学したらどうだ、って話になってな。うちの学校に無事合格したんだ。って言わなかったか?」
    鶴さんの言葉に引っかかる。あれ?
    「待って、伽羅ちゃん。君は男の子?」
    どこか噛み合わなかった会話の理由はこれだ。
    僕に問われた伽羅ちゃんは、零れ落ちるのではないかと思うほどその眼を見開いていた。
    「はははは!こりゃ驚きだ!!光坊、きみ伽羅坊が女の子だと思ってたのか?まぁ、確かに可愛らしいけどなぁ」
    「国永黙れ」
    盛大に笑う鶴さんに伽羅ちゃんが鋭い言葉を投げる。これが本来の彼の姿だろうか。
    「ご、ごごごごめんね。伽羅って可愛い名前だからてっきり…」
    「大倶利伽羅、広光です。」
    僕の言い訳に、心外だとばかりに伽羅ちゃんは切り返す。
    大倶利伽羅は苗字だったのか。なんたる…無様だ、僕。
    「いかんせんひょろっこいもんな、伽羅坊は」
    まだ笑いの止まらない鶴さんが助け船?を出してくれる。
    「こう見えて優秀なんだぞ、伽羅坊は。数学に秀でているし、機械いじりも得意だ。仙台じゃ名の知れた科学少年だったんだからな」
    『科学少年』-なんだかカッコいい響きだな。僕は理数系あんまり得意じゃないから、憧れるよ。
    「ほんとにごめんね、伽羅ちゃん。僕失礼な勘違いを…」
    「別に」
    こちらと目を合わせようともしない伽羅ちゃんに、ひたすら詫びを伝える。
    「入学してもあんたと馴れ合うつもりはない。」
    完全に斬り捨てられた僕には為す術もなく、引継ぎの時間に間に合わないからと、鶴さんに背中を押される形で、二人と別れた。

    満開の桜並木。笑いが止まらない先輩に、仏頂面の後輩。うろたえる僕。
    あまりにも恰好つかない出会いから、この科学少年に本気の恋をすることになるなんて、その時の僕には見当もつかなかったんだ。
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    DONEちゅきこさんの【Dom/Subユニバース】『COLORS』シリーズ設定の獅子王×加州SSです。本編メインカプは🍯🌰ですが、こちらは🌰の高校の先輩獅子王くんと🍯さんの同僚加州くんの話。
    チラチラ本編のネタばれアリ。また、D/S初心者の勝手な解釈がてんこ盛りの何でも許せる方向けの極みですので、自衛お願いたします。

    ちゅきこさん、いつもありがとうございます✨
    カサナル、ココロ「痛っ・・・!」
    思わす体がこわばったのは、恋人にも伝わっただろう。
    幾度目になるかわからぬお泊りの夜。
    獅子王は今夜こそは、と内心期待をかけて、加州清光の家へ足を踏み入れた。

    一目惚れから始まった交際はそろそろ半年になる。
    お互い、いい大人だ。もう一段階踏み込んだ関係になっても何も問題はない。そう思っていた。

    何の予定もない週末を控えた金曜日。獅子王は意気揚々と加州のマンションに現れた。手土産にデパ地下のデリでつまみを買ってきた。加州が好きだと言っていたブラッスリーのバゲットは、獅子王の会社からここまでの道のりにあるので、毎週立ち寄ってしまう。
    出迎えた加州が用意した、青江にもらったというチーズをバゲットに合わせ、加州が最近気に入っているという蜂蜜ワインを相伴に預かる。こっくりとした味わいもいいが、やっぱビールが一番だ!と宣うと、呆れたような、それでいて優しさのにじみ出る笑みを浮かべる加州。いつもと変わらない夜だった。
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