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    乙麻呂

    @otomaro777

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    乙麻呂

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    いつも黒ポメなんふーちゃんに癒しを頂いてますみやこさんの呟きから、なんふーちゃん小説を書かせていただきました🙏🙏🙏私が書くとどうしてギャグみが出るのか😇

    ※南陽殿、玄真殿のネタバレを含みます。

    南陽殿と玄真殿の小神官の受難ふと、意識が浮上するのを感じた。

    窓の向こうは暗く、まだ深夜だと判る。
    殺気を感じたわけでもなく、寝付きが悪くなるような出来事があったわけでも無い。
    何故目が覚めたのだろう?
    僅かな疑念を抱きながらも、慕情はまた目を閉じる。
    しかし、拭えぬ違和感に目は冴えるばかりだ。
    何なのだろう。
    慕情は気分を変えようと傍らの水差しに手を伸ばし………その手を止めた。
    やけに居心地が悪いわけだ。纏う衣が僅かに大きい。
    そして、その袖から伸びた手は少しばかり輪郭が丸かった。
    目を凝らさないと分からないような微妙な変化だが、慕情が自身の体の変化に気付かないわけがない。
    「…………?」
    反射的に、慕情は自身の顔に触れていた。
    頬も丸みを帯びており、斬馬刀を使い込んだ証の手の平のまめも無い。
    枕の下を手で探り、潜ませていた短刀を取り出すと鞘からスラリと抜いた。

    磨き抜かれた銀の刃に映し出されたのは、“玄真将軍慕情”では無く“玄真殿の小神官扶揺”の姿だった。

    昨日、寝入るまでは確かに本尊だった。それは、慕情の寝衣を纏っている事からも確かだ。
    法力が暴走でもしたのだろうか。いや、自分がそんな間抜けな失敗をするわけが無い。
    だが、疑問に思いながらも慌てるような事は無かった。
    慕情は自身の体に巡る法力を意識し、本尊の姿に戻ろうとして………………

    「!?」

    初めて目を見張った。
    確かに法力は巡っているのに、元の姿に戻る事が出来ない。
    呪いでも受けただろうか?いや、そんな覚えがあったら呑気に就寝していない。
    何度か試してみるが、結果は変わらなかった。
    これは少々まずいかも知れない。
    とりあえず深刻な害は無さそうだが、かと言ってこのまま“扶揺”が玄真殿の主として振る舞うわけにはいかない。
    そして、玄真将軍が突然行方知れずになるなどあり得ない。
    他の神官に何と言われるか。
    とりあえず、心配などされないだろう。玄真将軍は任務もこなさず勝手な行動を………などと好き勝手に噂されるなど冗談では無い。
    だが、扶揺の正体を明かす事も出来ないので、頼れる神官も…………

    考え込んでいた慕情は目を見開いた。
    そうだ。この状況で頼れる奴が一人だけいる。
    頼るのはかなりとても物凄く不本意だが、少なくとも同じ将軍の地位にいるアイツならば、玄真将軍の不在を誤魔化すくらいは出来るだろう。
    扶揺と言う存在の説明もしなくて良いし、文句を言いながらも頼られると断りきれないチョロ………お人よしな所もある。
    アイツに借りを作るのは癪だが、今度しこたま餃子でも振る舞ってやればそれで忘れてしまうだろう。
    慕情の………いや、扶揺の口元に笑みが浮かんだ。
    そうと決まれば、扶揺はベッドから飛び降りると素早く黒衣に着替えた。
    この時間に出歩く神官など裴茗くらいだろうが、万が一他の神官に見つかったら面倒な事になる。
    音も無く窓から庭に降りると、玄真殿を抜け出して一直線にとある神殿を目指した。
    南陽殿は、やはり他の神官の気配は無かった。
    そっと門をくぐると、庭へ回り込んでアイツの私室の窓へと向かう。
    目当ての窓からは灯りが漏れていた。
    どうやら起きているらしい。
    さては、弓の手入れにでも熱中して寝るのを忘れているんだろう。
    扶揺は軽く咳払いをすると、窓を叩いた。
    「おい、風信。いるんだろ?ちょっと開けろ」
    潜めた声だったが、すぐに中からドタドタと足音がした。
    窓がガタガタと鳴り、開く。
    「むー…………!!」
    中から、やけに嬉しげな声がした。
    同時に、窓から勢いよく太い眉の少年が顔を出す。
    その顔が、扶揺を捉えて笑えるくらいの間の抜けた表情になった。
    「…………やお?」
    南陽将軍の私室から現れたのは、厳しい南陽将軍風信では無く、黒髪の小神官南風だった。
    「ちょうど良かった。俺もお前に会いたかったんだ」
    何とも表情筋が忙しい事に、南風は間抜け面をにこにこと笑みに変えると、いつに無く積極的に扶揺を招き入れた。
    その、《困り果てていた時に救世主が来た》かの様な態度に、扶揺は全てを察した。
    扶揺は窓枠を飛び越え部屋に入ると、着地と同時に床を蹴った。

    「この役立たずが!」

    「ぶっ…………な、何をするんだ!?」
    扶揺の飛び蹴りをくらいよろけながら、南風は目を見開いた。
    扶揺は南風にずいっと顔を近付けて至近距離で睨み付ける。
    「うるさい!たまに頼ってやろうって時に限って使えない奴が悪い!南陽将軍の名が泣くぞ!?」
    南風は唖然と扶揺の詰りを聞いていたが、ようやくピンと来た。
    つまり、扶揺も自分と全く同じ事態に陥っているのだ。
    南風はぐぬぬと太い眉を吊り上げ、唸った。
    「お前が言うな!」

    将軍の私室に、小神官二人の怒鳴りあう声が響き渡った。


    ◆◇◆◇

    半刻後。

    南陽殿、風信の私室の真ん中で、扶揺と南風は向き合って座っていた。
    口喧嘩より、今は優先すべき事がある。
    扶揺が腕を組んで口を開いた。
    「とりあえず状況を確認しよう」
    「ああ」
    南風も深く頷く。
    「私は、普段通りに執務を終えて床についた」
    「ああ、俺もだ」
    「昼間は………殿下の補佐をしたな」
    「うん」
    「特に変わった事は…無かったと思うが」
    「確かに」
    扶揺の眉がピクリと跳ねた。
    「おい、俺は鏡に向かって話してるのか?返事くらいまともにしろ。会話もろくに出来ないのか?」
    「え?」
    扶揺に睨まれ、南風はきょとんとした。
    「だってその通りだろ?」
    “たまたま”行動を共にしていたのだから、扶揺と南風が振り返る一連の行動は同じ物だ。
    コイツに扶揺以上に堪能な語彙と詳細な記憶を求めるなど、期待するだけ無駄だろう。
    それは分かっているが、扶揺は不服そうに顔を顰めた。
    「せめて、補足する事は無いのか?」
    問われ、南風は難しい顔で考え込んだ。
    「違う事と言えば……殿下に、食事に誘われた」
    扶揺はふとした言動を血雨探花に揶揄されて、怒って先に帰ってしまったのだった。二人が別行動をしたとしたら、そこだろう。
    扶揺は呆れた顔をした。
    「それじゃ無いか?原因は。よくもあんな怪しい物を食えるな」
    「食って無い!!」
    しかし扶揺は面白げににまにまと南風を見る。
    「フン、天下の南陽将軍が腹痛で異常をきたすとは、信徒が泣くぞ。巨陽だけでなく、食中毒の神まで兼任する気か?」
    「どっちも受け持った覚えは無い!!!そもそも食べて無いし腹も痛く無い!それに殿下の料理で戻れなくなるなら、血雨探花は一生仮の姿のままだろう!?」
    言いながら、いや、いっそそうであった方が世界の平和の為だなと思った。
    血雨探花は殿下の手料理か本尊に戻れなくなるリスクなら、迷わず殿下の手料理を取るだろう。
    「それに、それだったらお前までこうなってる理由が説明出来ない」
    言うと、扶揺は余計な事に気付きやがってと責めるような目で南風を見遣り、舌打ちした。
    どうやらこれは南風が何かしでかしたせいであり、自分には一切非は無いと言う事にしたかったらしい。
    別に、慕情を責める気は無いのにどうしてそうも身構えるのだろうか。
    プライドが天より高い奴なので、絶対に自分が罠に嵌められたとは認めたく無いんだろうな、とぼんやり考えながら、南風は先を促した。
    「とりあえず、霊文殿に報告するか」
    なってしまった物は仕方がない。
    いきなり南方を司る将軍二人が行方不明となったのでは困るので、原因究明よりも今は元に戻るのを優先すべきだろう。
    扶揺は白目を剥いた。
    「流石、考えるのが苦手な南陽殿。他力本願な意見だな」
    「だったらお前は他に案があるんだな!?」
    「だからそれを今考えてるんだ!」いつもの調子で怒鳴り合い、同時に黙り込む。
    “霊文殿を頼る”よりも画期的な意見を出せないのが悔しいのか、扶揺は焦れたように口を尖らせて真面目に考え込んでしまった。
    南風はその口をじっと見つめ、そして………

    ちぅ

    「ひっ!?な、何するんだ!?」
    扶揺が仰反った。反射的に手の甲でごしごしと唇を擦る。
    見開いた目元まで赤く染まっていた。
    南風はぱちりと瞬きし、我に返った。
    やばい。無意識だった。
    だって、扶揺が唇がツンと尖らせて黙り込んでいたら、するだろう!?
    「そ、それはアレだ………殿下が前に言ってただろう。とりあえずキスをすれば戻ると!」
    南風は誤魔化すように咳払いした。嘘だ。完全にノリと勢いだった。
    大体、殿下とそんな話をした事など無い。
    しかし、妙な所で純粋な扶揺は間に受けたようだった。
    顔を赤く染めたまま、信じられないとばかりに叫ぶ。
    「お、お前らは馬鹿か!?どんな状況なんだ!?とりあえずキスとか、絶対血雨探花あたりに騙されてるだろ!!全くあの人も何でホイホイ信じられるんだ?大体お前は止めろ!!それでも元従者か!?馬鹿!!考え無しの節操無し!!じゅーやんめ!!」
    狼狽えて吐き捨てる様が可愛くて、もう一度したいな、なんて考えてしまう。
    南風としては、解決を急がなくても良いんじゃないかと思っていた。
    元々人界に降りる事が多いのが南陽将軍なので、数日ふらりと姿を消したとしても誰も気に留めないだろうなと楽観している部分もあった。
    「……そんなに馬鹿にしなくても良いだろ」
    あんまり扶揺が馬鹿馬鹿ばぁかと罵倒するので、南風はムッと口を歪めた。
    扶揺は黙ったが、南風の顔をじとーっと睨み付けた。神経質に上がった眉がピクリと揺れる。
    「……………何だよ」
    扶揺は答えなかった。代わりに、無言で少し身を乗り出す。
    南風の顔で間違い探しでもしてるように、扶揺は南風の顔を睨み付けたままだ。少しずつ顔が近付く。
    「……………ふーやお?」
    それとも、こっちで呼んだ方が良いのだろうか。
    「むー…………」
    ちん、と言う音は、柔らかい感触に吸い込まれた。
    扶揺は啄むように南風の唇を舐めると、身を起こしてふふんと笑った。
    どうだ、見たか?と言わんばかりだが、頬はまだ赤みが残っていた。
    南風は唖然として、ゆっくりと瞬きをした。
    「ほら、やっぱりこんな事で戻るなんて馬鹿馬鹿しい。そんなお伽話を信じるなんて、お前は馬鹿だろう」
    扶揺は早口で捲し立て、腕を組むと南風の追求を跳ね除けるようにフンと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
    そわりと心の奥底が浮き立つ。
    南風は扶揺の顔を覗き込んだ。
    「いや、もう少し試さないと分からないかも知れない」
    南風の目を見た扶揺が何故か慌てふためいた。
    「試すって何を試す気だ!?じゃれつくな鬱陶しい!!」
    南風の顔を手の平で押し除け、扶揺は真っ赤な顔で叫んだ。
    あ、コレは押せばいけるな。
    何がいけるかは問うだけ野暮と言うものだ。
    確信し、南風はにまりとして扶揺の手首を掴もうと手を伸ばし…………

    「南陽将軍、失礼致します!!何事ですか?」

    バタバタと足音が近づき、次いで南陽の私室のドアが勢い良く開いた。
    入って来たのは、黒衣より数段格上の服を纏った神官だった。
    南陽将軍の補佐役である神官だ。扶揺も何度か目にした事があった。
    補佐官は素早く部屋を見回し、部屋の中央でひっくり返った南風と、それを突き飛ばした格好の扶揺を見て不審げな表情をした。
    「お前達は…」
    「私は南陽将軍の部下だ。将軍より勅命を受け、この場にいる」
    侵入者扱いされる前に、南風が起き上がって威厳たっぷりに言った。
    床を転がったせいで髪が乱れていて、あまり格好がついていない。
    「はぁ、そうですか」
    補佐官は南風と扶揺を見遣り、何とも言えない顔をした。
    だが、とりあえず害意は無いと判断したらしい。
    補佐官は南風を見た。
    「それで、南陽将軍はどちらに?」
    「南陽将軍は…………」
    南風の言葉が不自然に途切れた。
    横目で、助けを求めるように扶揺を伺う。
    扶揺は優雅に微笑した。
    「南陽将軍は腹が痛いそうで、休まれている」
    「腹が…?」
    神官が………それもかの屈強な武神がハライタごときで寝込むわけが無い。
    補佐官は怪訝に呟き、南風に本当かと目で問いかけてきた。
    南風は即座に否定しようと口を開いた。
    しかし、言葉が続かない。
    南風は数秒の沈黙の後、重々しく頷いた。
    「ああ、突然痛くなったらしい。私に留守を託して行かれてしまった」
    南風のただならぬ様子に、補佐官も息を呑んだ。
    「そんなに痛いと?」
    「すごく、痛いそうだ」
    南風は神妙に繰り返した。
    扶揺は沈痛な様子で俯いている。
    二人の小神官のただならぬ様子に、補佐役はそれ以上追求するのを止め真顔になった。
    「了解致しました。私に出来る事はありますでしょうか」
    「南陽将軍が本調子で無いと知れれば、良からぬ事を考える奴もいるかも知れない。くれぐれも、他言無用で頼む。……………………と、言っておられた」
    補佐官より下っ端の筈の南風の言葉に、補佐官は恭しく拱手した。
    「は、玄真将軍始め、他の神官の耳には決して入らないよう対象致します」
    そして早速人払いしようと、意気込んで部屋から出ていく。

    玄真将軍始め、とはどう言う意味だろうか。
    アイツが弱った隙に寝首をかくならば、何百年前にとうにやっている。
    扶揺は少し引っかりを覚えたが、そんな事は今はどうでも良かった。
    こんな阿呆な理由で簡単に引き下がってくれるとは、南陽殿の神官は随分と素直だ。
    実際の所、扶揺は沈痛などでは無く、笑いの衝動に打ち震えているだけだった。
    南風がムスッとそれを睨む。
    「お前のせいでこうなったのに何で笑うんだ!?」
    思い切り不機嫌に曲げられた唇は風信のモノと変わらない筈なのに、何故かやたらと可愛らしく見えた。
    扶揺は笑いながら、宥めるようにちゅっと口付けてやった。
    南風の不機嫌な空気が霧散する。
    今度は、邪魔は入らなかった。



    ◆◇◆◇

    やたらと機嫌が良い三郎に、謝憐は首を傾げた。
    「何かあったのか?珍しいな」
    “南風と扶揺と関わった後なのに機嫌が良いのは珍しい”と言うのが正確だろう。
    あの二人が帰ったから機嫌が良いと言われたらそれまでだが、今日の三郎はいつもより機嫌が良かった。
    「うん、ちょっと面白い事があって」
    少年姿のまま、三郎はにこりと笑う。
    その手には水筒を弄んでいた。
    「………それは?」
    「哥哥にとってはただの水だよ」
    「へぇ?」
    三郎が含んだ話し方をするのはいつもの事なので、謝憐は追求せずに分かったような分からないような顔をする。
    三郎は「そんな事より夕食はまだ?」と甘えた声を出した。
    「ああ、しまった!煮込みすぎた!!」
    慌てて炊事場に戻る謝憐を愛おしげに見つめ、三郎は水筒を懐にしまった。
    実際、三郎は大した事はしていない。かつて、砂漠で水をくれた“優しいお節介な従者共”に、恩を返しただけだ。

    “現形水”と言う不思議な水がある。
    かつて、扶揺とか言う小神官が三郎に飲ませようとしてきた水で、それを飲むと本当の姿が現れると言う。
    絶境鬼王である三郎にとっては、鼻で笑うようなガラクタだ。
    そして、三郎の手の中にあるのは、その真逆の作用を持つ水だった。
    最近鬼市で流行っている物で、飲めば一定時間仮の姿のままになると言う。
    変化が苦手な低俗な鬼が、姿を変えて悪巧みをする時に使うような代物で、半日もすれば効果が切れる。
    「神官でも一応効くみたいだな」
    三郎の漏らした呟きは、謝憐の耳に届く事なく菩薺観の空気に溶けて消えた。


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