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    suzumi_cuke

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    suzumi_cuke

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    20220601和田大尉と鶴見中尉が月島軍曹の外套について話している話。我ながらしょーもないし微妙な下ネタだしでどうしようかと思ったんですが、書いてしまったので置いておきます。特にCPとかはないんですが、しいていうなら右月で鶴和鶴です(なんで??)

    和田大尉と鶴見中尉が月島軍曹の外套について話している話 短い夏は過ぎたが、日中きびきびと動けば汗ばむ、そんな日のことである。営内では行進の演習が行われていた。監督しているのは月島軍曹である。
     兵舎の陰に沿って移動していた和田大尉は、大声で指示を飛ばす月島に気づき、ふと思うところがあって、後ろに付いて歩く鶴見中尉へ首だけで振り返った。
    「月島軍曹はいつも外套を着ているな。寒がりだったか?」
    「いいえ、そういうわけではないのです……」
     歩きながら、憂いに満ちた顔で鶴見はふるふると首を振った。ならば何故、と和田は怪訝な顔をした。鶴見の言い方に引っ掛かるものがあったせいかもしれない。防寒以外で外套を着用する理由というのが、すぐには思いつかなかった。それを察したか、鶴見が片手で月島を指し示しながら説明を始めた。
    「なにせ月島は部下たちに大変人気がありまして」
    「? うむ」
     今更鶴見に言われるまでもなく、月島が兵たちから慕われていることは和田もよく知っていた。指導は厳しく、細かいことも見逃さない、そういう点では恐れられていたが、無闇な鉄拳制裁には走らない。叱り方もカラッとしているというか、後を引くような陰湿な言い方はしないので、叱られた側も一時は落ち込んだとしても、腐らずに再び励むようになるようだ。自分たち上官の目の届かないところで、兵たちの変化に目を配り、世話をしてくれているので、和田にとっても大変助かっている。
     それで、人気があることはわかっているが、それと外套がどう繋がるのか。
    「外套を脱ぎますと、体の線が出てしまうんです」
    「……?? まあ、そうだろうな……」
     いまだ、和田には話が見えなかった。鶴見の言っていることは理解出来るのだが、意図が皆目わからない。
    「ほら、月島はああいう尻の持ち主ですから」
    「尻」
    「あれで動き回られると、部下たちの士気が上がって」
    「士気が上がるのはいいことではないか……」
    「まあそうなんですが、士気以外のモノも上がってしまうんですよね」
    「士気以外のモノかあ……」
     和田はどこか遠い目でしばらく空を眺めた。
    「……その、お前の部下たちは色々と大丈夫なのか?」
    「大尉殿の部下でもありますが」
    「もういい。そもそもお前が大丈夫じゃなかったな」
     半眼で睨む和田に対し、鶴見は肯定も否定もせずに、ふふ、と微笑した。
    「外套を着用していても、動きに支障はありません。あれは優秀ですから」
    「わかったわかった。着せておけ」
     虫を払うようにぱたぱたと手を振って、和田はこの話はもうやめだと言いたげに鼻を鳴らすと、足を早めた。
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    TRAINING20240530鯉月。大団円後くらい。かわいこぶって口説いたのに不発に終わった話。何日もしてない!っていっても「先週しましたよね」「もう4、5日経つが!?」って感じ。天然ボケみたいだけど軍曹は本気で少尉が病気なのかと心配していたし、ちゃんと休んでほしいと思っている。
    口説き文句は明解であれ もう何日も、鯉登は月島とまともに触れ合えていなかった。
     別に喧嘩をしているだとか、気持ちが冷めただとか、特段の理由があるわけではない。ただただここ最近、課業が忙しすぎるだけである。
     これで全然会えないというならばいっそ諦めもつく。そうでなく、書類の受け渡しで手が当たったり、振り返った拍子に肩をぶつけたり、そんな触れ合いと言えないような接触を毎日するくらいには、常に近くにいるのだ。
     それだから、課業に没頭している時はともかく、ちょっとした休憩時や、少し気が逸れた時に月島が目に入ると、途端に恋しさが募る。
     ところが、月島のほうはいたって平静なのである。鯉登が次々差し込まれる課業を捌き、珍しく少し早く片付いたという日でも、「早く帰って休みましょう」と諭して解散する、そんな感じであった。休むよりは、二人で熱く濃密な夜を過ごしたいという気持ちのほうが鯉登はずっと強かったが、疲れているのは自分だけではないのだからと己に言い聞かせ、見苦しく駄々をこねることはしなかった。
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    MOURNING鯉月。樺太帰り道の杉リパ(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14554097)のオマケで前に書いた短いやつ。193話後くらい。賑やかしに置いておきます。怪我してるから血の臭いがするのか人殺しだから染み付いているのか、どちらにせよ良いことではない
    193話後くらい むくりと音もなく起き上がると、鯉登はかぶっていた上着を手に月島の枕元に立った。
     寝台に手をつくと、聞こえるか聞こえないかといった程度に軋む音がして、耳聡く月島が薄く目を開けた。自分の顔を覗き込んでいる鯉登に気がついて、不審そうに眉をひそめる。
     鯉登は真顔で見下ろしていた。
    「寒くて眠れんだろう」
     ぼそりと低い鯉登の呟きに、月島はしょぼ、と瞬くと億劫そうに答えた。
    「……さっきまで寝てましたが……」
    「一緒に寝てやる」
    「いえ結構で」
    「狭いな。少し詰めろ」
    「話を聞かない……」
     上着をばさりと月島がかぶっている毛皮の上にかけると、鯉登は寝台にあがった。鯉登に押しやられ、どう考えても定員を超えている寝台に月島は鯉登と並んで横になった。鯉登と壁に挟まれながら、月島はとにかく心を無にしてこの時間をやり過ごそうと決めた。決めた矢先に、鯉登が月島のほうに身体を向けてきた。吊ったままの腕を広げる。
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