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    Dom/Subユニバースのナオ武の続き②
    ナオ武前提ですが武ヒナ、キヨ武要素があります
    ⚠️キヨ武では無理矢理、暴力、流血表現あり

    Dom/Subのナオ武② タイムリープで人生やり直す。
     それは人生を変えるチャンスだったけど、オレにとっては恐怖でもあった。
     中学時代といったら、ちょうどSubに目覚めた時期でかなり嫌な目に遭っていたからだ。
     Subだと不良の先輩にバレて、ほとんどレイプみたいにやられていた。先輩の言うことは絶対だったし、大人しく従うことしか生き延びる方法はないと思っていた。付き合い始めたばかりの彼女、橘日向ともそれが原因で自分から別れを切り出していた。結局、Subは普通の恋なんて出来ないんだって思い知ったし、オレは一生強い人間の奴隷なんだろうって諦めたのもこの頃だ。
     
    「いいですか、タケミチ君。絶対にSubだと周囲にバレないようにしてください。Domが皆、君を支配しようとするわけではありませんが、なるべく用心してください」
    「そりゃあ、できる限り隠すけどさぁ。コマンド使われたら逃げられないじゃん。どうすんの?」
    「抑制剤飲んでください。……むしろ、今までタケミチ君はどうしてたんですか?」
    「んん? どうしてたっけ。あんまり覚えてない」
     診断が出た当初は、自分のSubの欲求に自覚がなくて薬もほとんど飲んでなかった。薬は病院で診察を受けないと処方されないから面倒だったし、卒業して家を出てたら、金なんて無いから薬を飲んだこともない。
    「溝中の保健室に抑制剤は常備してありましたから、貰ってください」
    「へー、そうなんだ。知らなかった」
     他人事のような答えにナオトは呆れてため息を吐いた。
    「よくそれで今まで生きてこれましたね」
    「な? オレ生命力だけはあるみたい」
     ハハと笑って答えたら、ナオトに急に顎を掴まれた。顎を持ち上げて「タケミチ君」と呼ぶ声は冷やかだった。ナオトが断りもなく身体に触れてくるのは珍しい。その距離の近さに息を呑んだ。
    「……過去に戻っても、他のDomには絶対触らせないでください」
    「わ…かった」
     真剣なナオトの目に恐怖すら感じる。オレが過去にDomにされてきたことを伝えたら、コイツは何て言うだろう。
     
     ♢♢♢
     
     目を開けると、そこは屋上だった。
     空は青くて、風が気持ちいい。今回のタイムリープ先は中学の屋上みたいだ。視線を前に向けると、目の前には頬を赤く染めた橘日向がいた。
    「あのね、花垣君……」
    「はいっ……」
     思い出した。これは橘に告白された日だ。「二組の橘さんが花垣のこと好きだってさ」とクラスの女子から聞かされていたから、橘のことは意識していた。こんな可愛い子がオレを好きなんて、何かの間違いじゃないかって信じられなかった。すごく嬉しかった。――でも、過去に戻れた今、オレはこんないい子を傷つけたくない。
    「あの、私……」
    「ごめん! オレ、誰とも付き合う気ないんだ」
     告白を遮って、勢いよく頭を下げた。
    「……そう、なんだ…………」
     頭上から震えた声が落ちてくる。
     顔を上げると橘が目いっぱいに涙を浮かべていて、オレはかなり慌てた。こんな断り方をしたくせに、馬鹿みたいだけど、泣かせる気なんてなかったからだ。
    「ごっ、ごめん! ほんとごめん。橘はめちゃくちゃ可愛いし、嬉しかった!」
    「……花垣君は……誰か、好きな人がいるの?」
     橘が涙を頬に伝わせながら、おずおずと尋ねてきた。
    「好きな人とかはいないんだけど、……その、オレ」
     好きな人、という綺麗な響きに言葉が詰まった。 オレはSubに目覚めてから、自分の気持ちなんて無視してセックスしてきた。好きとか恋とか自分には遠い言葉だった。Domに無理矢理やられたこともあったし、ちょっと優しく誘われただけで身体を差し出したこともあった。支配されることに束の間の喜びはあったけど、オレに好きな人なんて、いたことがあったんだろうか。
    「実はオレ……、 Subなんだ。あ、Subって知ってる? ダイナミクスのあれ。オレさあ、Domに命令されたら何でもしちゃうから。……笑っちゃうけど、犬みたいにお座りしろって命令されても抵抗できないし、なんならソイツの前に跪いて、もっと、ってお願いするような人間なんだ。首輪つけられたら興奮するし、放置プレイもすっげぇ興奮するし…………、そんなの引くだろ?」
     捲し立てるように一気に喋った。自分のことを客観的に見ると本当に終わってるな、と思う。橘にSubであるとこを告白するのは、思った以上にしんどかった。胃がキリキリするし、手に汗をかいた。怖くて、橘の顔は見られなかった。
    「花垣君、Subなの……?」
     ずっと黙っていた橘が口を開いた。その声には驚きはあったけど、侮蔑とかは一切無くて、むしろ優しい響きがあった。
    「そう。だから、ごめん。オレはどうしてもSubの本能と……性欲……っていうか、はっきり言うと、セックスが結びついてる。Domとプレイすればセックスする。そんなオレがNeutralの橘と付き合っても悲しませるだけだし……だから付き合えない、ごめん」
    「…………友達でもだめ?」
     橘が涙を浮かべた赤い目で、見つめてきた。
    「え?! 友達?」
    「うん、友達」
    「友達なら、その、いいけど……」
     予想してなかった申し出に戸惑った。でも、正直嬉しい。Subのせいで人生詰んだと思ってたけど、こんな可愛い子が友達になってくれるなんて、オレの人生捨てたもんじゃないなって思えた。
     
     その屋上での告白のあと、橘日向とは不思議な友人関係になった。
    「タケミチ君、一緒に帰ろ」とクラスまで迎えに来て、帰り道の公園で他愛もない話をする。学校ではDomがオレに近づかないようにさり気なく庇ってくれた。今もSub性の影響で体調が悪くなったオレを保健室に付き添ってくれていた。
    「……ごめん、ヒナ。保健室まで付き合わせて。迷惑かけてばっかりだ……」
    「私は大丈夫だよ。それより薬は効いてきた?」
    「うん……」
     保健室のベッドに寝ながら自分の目に手を押し当てた。理由がよくわからない涙が目から溢れてくる。なんでオレは泣いているんだろう。自分が情けないと思っているから? ヒナの優しさに感動しているから? たぶんどっちも当たっている。
    「……なんで、オレSubなんだろう。せめてDomだったらよかったのに」
     ぽつりと呟いた言葉に、ヒナが反応した。
    「タケミチ君は自分がSubなのが嫌なの?」
    「嫌に決まってる。こんな、ただDomに従うだけの人生なんて最悪だろ……」
    「そんなことない。……保健体育で習ったけどね、DomとSubはお互いが必要な素敵な関係なんだよ。……タケミチ君はまだ自分にぴったりのDomに出会えてないだけなんじゃない?」
    「……そういうもん?」
    「そーだよ。早くタケミチ君に優しくしてくれるDomに会えるといいね。それまではヒナが守ってあげる。空手やってたから結構強いんだよ」
     そうヒナに優しく笑いかけられて、我慢出来ずに泣いた。こんないい子は絶対死なせないと決意を固くした。ヒナは「タケミチ君って泣き虫だなあ」と泣き続けるオレの頬を拭ってくれた。
     
     ――過去に戻っても他のDomには絶対触らせないでください。
     過去に戻るときにナオトに言われた言葉だ。オレとしてはちゃんと言いつけを守りたかったけど、一度だけDomに身体を触られた。
     ――清水将貴、……通称キヨマサ君。中学時代に奴隷にされて、Subなのがバレて何度もやられた相手だった。
    「おい、花垣。お前は残ってろ」
     公園で行われた喧嘩賭博のあと、キヨマサ君はそう言った。オレは結局キヨマサ君の奴隷になるルートを回避できなくて、言いなりになっていた。そして、よりによってキヨマサ君はDom。「残ってろ」という命令口調にオレの身体はあからさまに反応して、固まった。
    「お前、Subだろ?」
    「は? ……えーっと、なんのことっすかね?」
     暗い公園に二人きり。この状況はかなりまずい。シラを切るしかなかった。ヘラヘラと作り笑いを浮かべていたら、キヨマサ君がオレの胸ぐらを掴んだ。
    「ひっ……」
    「わかんだよ。オレの命令にたまに惚けた顔してるだろうが……それに匂いがする」
    「匂い? ……な、なんか勘違いじゃないっすか」
     首筋に顔を近づけられて、すん、と匂いを嗅がれた。恐怖で鳥肌が立つ。今日はヒナに言われて、ちゃんと抑制剤を飲んでいる。Subの匂いなんてしないはずだ。きっとハッタリだ。そう自分に言い聞かせても、キヨマサ君の目に宿るDomの力にどんどん力が抜けていった。
    「コマンド試せば一発だろ。Kneel(お座り)」
    「あ……」
     がくん、と地面に膝をついた。完全にコマンドが効いている。そういえば薬を飲んだのは昼だった。もう夜だから、効果が消えているのかもしれない。ヒナ……ナオトごめん。オレはどこまでも馬鹿で、結局変われないみたいだ。真っ先に二人の顔が浮かんできて、心の中で謝った。
     キヨマサ君に公園のトイレに連れこまれて、個室の汚い床に跪かされた。
    「ちょうど溜まってから、やってやるよ。Subだもんな? Domに命令されて股開くのが好きなんだろ」
    「ハハ……冗談キツいっすよ。オレなんかやめておいたほうがいいですって……」
     恐怖で引き攣りながら笑ったら、顔面を殴られた。頭の中が揺れるくらいの衝撃がして鼻血がつうと垂れてくる。手のひらで抑えても指の間から滲み出した。
    「うるせーよ、奴隷が。さっさと服脱げよ。『Strip』(ストリップしろ)」
    「……っ……わかりました……」
     オレはキヨマサ君の命令通り、シャツのボタンを外した。コマンドが無くても抵抗する気力はなかった。手が震えるせいでボタンを外すのに手間取っていたら、キヨマサ君は無言のままオレを蹴り上げた。トイレの個室にドガっという鈍い音が響く。頭、足、腹を次々に蹴られた。
    「下脱げよ、手間かけさせるじゃねえ。クソが」
    「……はい、すみません」
    「コマンド欲しいんだろ? やるよ、……『Present』(局部を晒せ)」
     コマンドが脳に伝わり、震える手でベルトを外した。震えながらも支配される恐怖と喜びが半分づつくらいになってきた。こんなときでも興奮できる自分のSub性に絶望する。そうだ、オレはこんなふうに昔からDomにやりたいようにやられてきた。もう慣れたし、諦めていたつもりだった。…………でも、やっぱり嫌だ。だってナオトと約束したし。他のDomには触らせないって。
     本当はDomの支配されて、何もかも身を任せたい。考えるのをやめること。それが一番楽だと知っている。でも、もう逃げたくない。深呼吸をして、恐怖を押し殺した。
     やられるにしても、タダでやらせるのはもう嫌だ。何か少しでも代償が欲しい。
    「キヨマサ君……オレが上手に気持ちよくしたらご褒美くれます?」
     制服のズボンと下着も脱ぎ捨てて、キヨマサ君の膝に跨った。
    「はあ?」とキヨマサ君が怪訝な声を出す。オレの態度の変わりように動揺がみえた。そのままキヨマサ君の肩に頭を預けて見つめ返した。シャツの上から胸を触ると心臓の音が大きく伝わってくる。どんなに振り切った本物の不良でも所詮中学生だ。経験人数だけは無駄に多いオレからすればキヨマサ君を落とすくらい簡単なはず。そう信じて精一杯、演技した。
    「よくできましたって撫でろってか?」
    「……それも、嬉しいっスけど、…………総長の佐野って人に会わせてくれませんか?」
    「なんでテメーが佐野くんに用があんだよ」
     ギロ、と鋭い目で睨まれたけど、怯まずに見つめ返した。肩に頬を擦り付けて甘えた声で話しかけた。
    「キヨマサ君にしか頼めないんです……お願いします」
     自分の中にある出来る限りの演技力を使って、自分は従順なSubだと目で訴えかけた。「キヨマサ君になら何をされてもいい。何でも嬉しい」そう伝えたら、キヨマサ君の目が熱を帯びてくるのがわかった。
    「……お前がちゃんとオレの言うことが聞けたならな」
    「はい、もちろんです」
     答え途端、乱暴に下半身をまさぐられた。ゾッとする。でも震えそうになるのを耐えながら、キヨマサ君の首に腕を回した。
    「その代わり……お願いしますね、佐野万次郎に会わせてください」
     さらに念押したけどキヨマサ君からは返事はなくて、ただ荒い息遣いと、ガタガタと個室の壁が揺れる音が響いた。
     やっぱり、何度やられても慣れない。
     Subの欲求だけに身を任せて自分は消してしまえば楽になる。――オレは目を閉じて、わざと理性を飛ばそうとした。その時、個室の壁を物凄い勢いで蹴る音がした。
     ガンッ、ガンッと何度も壁を蹴る音。いつの間にか隣に人が入っていたらしい。音がした壁を見上げると、綺麗な顔をした金髪の男が壁の上から睨みをきかせていた。
    「うっせーんだけど。こっちは腹痛くて唸ってんのに、隣でサカるのやめてくれる?」
    「ああっ?!なんだテメェ?」
     反射的にキヨマサ君は威嚇した声をあげた。でも、すぐに顔色が変わり、金髪の男に向かって「…………佐野君……」と呟いた。
    「そこのお前さあ、オレに会いてぇの? だったらあとで遊んでやるから、とりあえず出てってくれない?」
     綺麗な顔でニコっと笑いかけられた。笑顔だけど有無言わさない圧力にオレは「ハイ……」と答えるしかできなかった。
     この人が東京卍會のトップ、佐野万次郎だった。
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