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    あさい

    @mtmt_shtn3

    気軽にリアクションをいただけると大助かりです

    「かわいい女の子と大好きなキャラがくっついたらハッピーセット爆誕では?!」系のお人形遊び型夢女子
    二次創作の投稿先のひとつとして使います

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    あさい

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    た、助かった……!クロードの顔立ちのおかげで……!!

    #OVERREQUIEMZ

    そう、クロードさんならね「お、おいあれクマじゃないか……?」
    「おや本当だ。明らかに僕たちへ向かって突進してきているね」
    「カイゼ様とノイルは別のクマに襲われていて迎撃不可能です!」

    「……仕方ない……!」
    「やるんですか? 今、ここで……?! クマに……?!」

    「────ふぅ。クマがメスで助かった。二分の一の賭けだったからヒヤヒヤさせられたが……もう大丈夫だぞ。カイゼたちと合流しよう」
    「た、助かった……!! クロードの顔立ちのおかげで……!!!」


    ◆◆◆


    「……くしゅんっ! うぅ……っくしゅ! くしゅん!」
    「くしゃみ連発じゃねぇか。風邪なら早いとこドロシーに診てもらえよ」
    「それがね、これは風邪じゃなくて……くしゅっ、花粉症っていって、体に合わないものに対して反応が起こっちゃってる感じで、くしゅんっ、どうしようも……なくて。うう……」
    「花粉症……初めて聞く病だ。治せないのだろうか?」
    「花粉……花の、交尾みたいなやつ……のために飛んでる粉がなくなれば、すぐにでも収まるんだけど」
    「交尾、ね。なんだ、それなら専門家がいるじゃないか」
    「なんでそこで俺を見るんだ不名誉すぎる」
    「いつものやつをやってあげればいいんじゃない? それでこの子は楽になれるんだし」
    「あのなぁ……花粉を飛ばしてるのは雄しべ、オスなんだよ。いつものやつは、その、異性にしか……通じないやつだろ。いや俺としてはまったく理論がわからないし毎回通じるか通じないか半々でやってるが!」
    「謙遜みたいに言ってますけど、勝率が半分もあると思ってる時点でかなりの発言ですからね。……というか、改めて考えるとゾッとします。この辺一帯の植物がお嬢様めがけて粉かけてきてるなんて」
    「お前はいったい何を言ってるんだ……」
    「だってそうじゃないですか。植物の雄しべってつまりは動物でいう生殖器みたいなものですよね? そこから放たれた無数のアレがお嬢様の目鼻口、髪、肌、可愛らしい耳の穴にも……」
    「やめろやめろ! アレとか言うなちゃんと花粉と言え! カイゼの顔見ても同じことが言えるのか?! 固まっちまってるじゃないか可哀想に!」
    「……す、……すまない……、あちらの泉で、少々頭を……冷やしてくる」
    「カイゼ様ぁ!! そっちは崖です!! カイゼ様ぁあ!!」
    「…………とにかく、やるだけやってごらんよ。ドロシーの話を元に考えると、もう美麗な男性が近くにいるから粉をかけても勝ち目がないとわからせればいいんだろう」
    「お前も何を言い出してるんだ? さすがにお前はふざけてるんだよな?」
    「本気だよ? あんなにくしゃみをして、兎の子のように目まで赤くしてしまって……君は可哀想だと思わないのかな?」
    「まぁ色々気に食わない点は既に出てきてますが、モリィに同意しておきましょう。お嬢様が助かる可能性が少しでもあるなら、クロード。俺はあなたに賭けますよ」
    「お前が真剣な顔をすればするほど言う通りにしたくなくなるんだが」
    「いいから。ほら、そこの大木なんてこの森の主みたいな風格じゃないか。さあクロード?」

    「……仕方ない……」

    「────あれ? くしゃみ、出なくなった!」
    「本当か……?! お前、お前も実はおちょくってないか?!」
    「そんなことしないよ! はぁー、すっごく楽になった! ありがとうクロード!」
    「た、助かった……! クロードの顔立ちのおかげで……!!」


    ◆◆◆


    「あー……やっぱ昨日の雨のせいか」
    「どうしたの、ノイル?」
    「薪が全部しけっちまってて火力が出ねぇんだよ。細かく割って乾かしながら燃やしてくしかねぇか……日暮れまでに夕食できっかなコレ」
    「どうしよう……もっと乾いてる枝がないか、探してくる?」
    「いや、危険だろう。はじめに探した時よりも範囲を広げるとなると、それこそ日暮れまでに戻るのが難しくなる」
    「そっか……」
    「……代わりと言ってはなんだが、ひとつ提案がある」
    「お! カイゼ様、何か良い方法があるんですか?」
    「ああ。……クロード」
    「待て待てなんで今の流れで俺を呼ぶんだ、火にくべる気か? あいにく俺もシケってるよ」
    「いや、君はそんなに湿気っていないと思うのだが……。そうではなく、その……例の手法を用いて、どうにかならないだろうか」
    「おい、申し訳なさそうにしてるってことは無茶ぶりだってわかってるよな?」
    「すまない……。だが俺も一度、君とふざけてみたくて」
    「カイゼ様……! おいクロード、ゴタゴタ言わずにやってさしあげろ!」
    「いやゴタゴタ言わせてもらうぞ気が済むまでは!……カイゼはちょっと嬉しそうにするな! このやり取りがしたかったのか?!」
    「ああ。いつも俺は横で見ているだけだったから……嬉しい」
    「お前の心は雲ひとつない青空か! なんの含みもなくそんなこと言われたらどうしていいかわからないぞ?! 俺はこのまま抗ってていいのか?!」
    「ああ、存分に抗ってくれ」
    「お前は魔王か! お戯れがすぎるぞまったく……」
    「ふふふ」
    「……わ、話してる間にますます火力が……! しかもちょっとずつ暗くなってきてるよ」
    「うお、そーだった。ふざけてる場合じゃねぇかもな」
    「……って言って俺を見るのはどういう意図なんだ。いや言うな、言われても流石にもうやらないぞ」
    「えっ、やらないのか……?」
    「仔犬みたいな目で見るな! カイゼお前本当にわざとじゃないんだな?!」
    「カイゼ様のお人柄はオマエもわかってんだろが」
    「くっ……!」

    「し、仕方ない……」

    「────わぁ! すごい火力! 気をつけてノイル」
    「おう! 料理は任せとけ!」
    「ほ、本当に……俺の力か……?」
    「た、助かった……! クロードの顔立ちのおかげで……!!」


    ◆◆◆


    「……! ユヒル、フードを深くかぶって下を向くんだ。あの一団に訝しまれている」
    「わ、わかった」
    「このまま彼らが通りすぎるのを待とう」
    「う、うん……」
    「言ってる間に近づいてきましたね。取り囲まれる前に逃げたいところですが、都合の悪いことにここは袋小路です」
    「ご都合展開というものだろうか」
    「カイゼ様、そこは口に出して言わねぇのがお約束じゃないですかね」
    「そうだったのか……すまない、本で読んだ知識を活かせる場面が来るとつい」
    「よしよし、カイゼは勉強家で本当に偉いね。徒歩の旅なんて初めてのことばかりだろうによく対応しているよ。さあクロード」
    「お前と俺は熟年夫婦か。『さあ』で全部伝えようとするな」
    「伝わってるじゃないですか。さ、早いところやってしまいましょう。クロード」
    「『さ』じゃないんだよもっと短い文字数に挑戦するな。お前も俺と熟年夫婦になりたいのか?」
    「なに気色の悪いこと言ってるんですか……。本当にやめてください、お嬢様の前で。事と次第によっては刑を重くしますよ」
    「死刑よりもか?! お前は俺に何をする気なんだ?!」
    「オイコラ真面目にふざけてる場合じゃねぇぞ。どうする。オマエがやらねぇならオレがひと暴れするぜ」
    「待つんだノイル。騒ぎを起こすのは好ましくない」
    「脳まで筋肉でできている野蛮な人間は、思考も短絡的で嫌になるね」
    「か、か、囲まれちゃったよ、どうしよう……?! クロード……!!」

    「し、仕方ない……!!」

    「────ふぅ、危機一髪でしたね」
    「ああ。彼らの様子を見る限り、少なくとも一ヶ月分の記憶は飛んでいることだろう」
    「そ、そんなヤベぇ威力が……?!」
    「カイゼ、ふざけたりないのはわかったから宿に帰ってから遊ぼう。な?」
    「ふふふ。すまない」
    「今回も助かったね。クロードの顔立ちのおかげで」


    ◆◆◆


    「おや、路銀が少し……。……ところでクロード」
    「不穏すぎるだろ。お前は『ところで』を使えば直前の発言が記憶から消えるとでも思ってるのか?」
    「ええまぁ。官吏たるものそういった言葉は使いこなせませんとね」
    「官吏が一番使っちゃいけないスキルだろ。この国は大丈夫なのか?」
    「ああ。王と魔女と議会を軸に権力を分立することで、相互に暴走を防ぎ、なおかつあらゆる問題に対して適する組織が責任をもって対処する仕組みになっている。ここ数年は為政者への批判も増えてしまっているから、クロードの心配も理解できるが……しかし」
    「悪いカイゼ、本気で国を憂えたわけじゃなかったんだ」
    「王族の前で一番言っちゃいけない台詞でしたね。ところでクロード」
    「戻ってくるな。というか駄目だろう、金銭の問題に対してそういうのは。詐欺罪にあたるんじゃないのか」
    「言葉で騙したなら該当しますが、クロードは顔が良いだけなので。役者に対する投げ銭みたいなもんじゃないですか?」
    「そういうものだろうか。対価を支払わずに無闇に金銭を出させるというのは気が引けるが」
    「ほらカイゼもこう言ってるぞ。さすがに今回はナシだ」
    「残念ですねぇ。楽できると思ったのに。仕方がありませんので、この街に少し滞在して稼いでもらいますか」
    「聞き捨てならないなぁ。ユヒルとカイゼは仕方がないとして、ドロシーは働く側だよね?」
    「えー」
    「えーで我儘を通そうとするな、子どもじゃないんだから。……ん? あれは」
    「どうかしたの? あちらの淑女に一目惚れでもした?」
    「いや、そのカゴの中身が……。なあお嬢さん、ちょっといいか」
    「はい……? 私でしょうか?」
    「ああ。悪いがそのカゴに山盛り入ってるキノコをよく見せてくれないか」
    「え? 失礼ですがあなたは……?」
    「いいから。……頼むよ」
    「……! は、はい……っ」
    「…………やっぱりそうだ。この種類のキノコには強い毒性がある。おそらく見た目が似てる味のいいキノコと間違えて採ったんだろうが」
    「えぇ?! 毒キノコだったんですか、これ?! 売れると思ったのに、残念……燃やすしかないか」
    「いや、それもやめた方がいい。煙を吸うだけでも危険な代物だ。旅のついでに、俺たちで人里離れた場所に捨ててやろうか」
    「いいんですか……?! じゃ、じゃあお礼に……少ないですが」
    「え、こんなに良いのか?」
    「はい。教えていただけなかったら、ご贔屓のお客様がたを死なせてしまったかもしれませんから。そうなったらお金で済む話ではありませんでした」

    「それもそうか。じゃ、遠慮なくいただくよ」

    「────というわけで、路銀が補充できました」
    「結構な額をいただいたじゃないか。これはお手柄だね」
    「やるじゃねぇか! やっぱ知識があるヤツってカッコいいよな」
    「すごいよクロード!」
    「後が怖くなるくらいお褒めにあずかり恐悦至極だよ。ありがたい偶然もあるもんだな」
    「いや、偶然ではない。君が積んだ研鑽の結果だ」
    「ええ、カイゼ様の仰る通りです。助かりましたよ、働くなんてイヤでしたから」
    「本当だね。今回ばかりは素直に感謝を伝えておこうかな」
    「ああ、助かったぜ! クロードのおかげで!」

    「……なんかいつものノリを思い出すね」
    「ふふ、そうだな。今回のことで改めてよくわかったな」
    「うん? なにが?」
    「クロードの良いところは顔立ちばかりではない、ということだ」
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    あさい

    MOURNINGごちゃまぜ没BOXに廃棄に行ったら目についた断片があったのでぽいっとします
    刀(つるさに)
    なんのことやらわからんまま始まって終わる
    遡行し続ける鶴丸といつも救えない彼女、その一回目の追憶 故人のことは声から忘れていくというが、俺はそれが嘘だと知っていた。何度も時を遡り、この体の齢が数百を数えようとも、俺は覚えていた。声も言葉も記憶から消えはしなかった。少し震えて、常よりかは上擦って、珍しくこちらを真っ直ぐと見ながら唇をひらめかせた女の。
    『墓の下はどんなですか、鶴丸。私の知ってるこことどれだけ違いますか』
     いつも緊張に体を固くして、青白い顔をしていた。最初の彼女は本丸から一度も出ずに亡くなった。二十五年生きて、一度たりとも箱庭の外を見なかった。女の世界は動かぬもので埋め尽くされて、ぴたりと整った景趣と刀剣男士たちとがすべてだった。動くものといえば己くらいだろうかと思うと、残酷な動揺がよく胸をときめかせた。女の世界の、おそらく九割ほどを自分が占めている実感は快いものだった。まるで刀のような人生だったと思う。使われない限りは永劫にしまい込まれて、しかし錆び朽ちぬようにと命だけは守られて、まんじりともせずに目をひらいているしかない置物のような。女は生まれた時から人間だったけれども、人もどきの刀よりよほどつまらない人生を送っていた。「人生を送る」という積極的な言葉が似つかわしくない、座敷にぽつねんと置かれているだけの女だった。
    1372

    あさい

    MAIKINGこんな感じで本になるくらい書き連ねようか没にしようか迷い中のオールキャラほのぼの(未添削)

    今思っていること:「ほのぼの」を冗長であることの逃げ言葉として使うな
    PrisonLogbook 刑務の旅が始まって何日目のことだっただろうか。
    廃墟を目指してひたすらに歩き続け、日が傾けば良い場所を探して野営をする。とにかくそれを繰り返しと感じられるようになった頃合いのことで、かつ、まだどこの宿場にもたどり着いていない夜のことだったので、三日目か四日目くらいだったかもしれない。
     ドロシーの案内により今日も今日とて獣道に突っ込んだ一行は、あちこちに擦り傷を作りながらも穏やかな夕方を過ごしていた。
     人目を避けて街道を外れた森の中。巣へ戻っていく鳥たちの羽ばたきがいずこからか聞こえ、それを追いかけるような木々のざわめきが鼓膜の深いところを安らがせる。
     ユヒルは焚火から少し離れた倒木に腰かけ、まったりと涼やかな風を受けていた。ペースに気を遣ってもらえるおかげで一日歩きどおしでもどうにかやれているが、やわらかい足の裏だけは数時間も経つと痛くて痛くて、こうして座るだけでかなり楽になる。靴を脱いで風に当てると、体重と地面の衝突を歩数のぶんだけ受け止め続けて赤くなっていた足裏から余計な血が引いていくような心地がした。
    7498

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