Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    serinsdgs

    小話とか書いたりするかもしれない

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    serinsdgs

    ☆quiet follow

    バロ従webオンリー「宵と暁の地平で」無配作品。
    一通の手紙から浮彫になった問題に悩む卿が周囲の人々の言葉に導かれてあることに気付く話。
    本番行為はないですが年齢制限のある話になっているため高校生を含む18歳以下の閲覧を禁止します。

    Age verification
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💒💒💒💒💖💖💖👏👏👏👏💞💞💞💞💞💜❤😭👏👏💖💜❤💜❤😭💒💖💖💖💒👏👏👏💖💖💖💖🌠👏👏👏👏💘💘💘💒💒💒💖👏👏👏👏👏👏👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    serinsdgs

    SPOILERワンドロのテーマを使って1h未満で仕上げた小話
     うっかり彼の日記を開いてしまったのは本当に偶然だった。部屋にいると思っていた姿がなく、次の心当たりを考えていると机の上に山積みになっていた留学生として然るべき機関へ提出しなければならない論文が音を立てて崩れていく。肘が掠ったと気づいたのは山が随分と平たくなってからだ。床に落ちず、机上に広がっただけで済んだのは幸運だったとしか言えない。片付けなければという思いと下手に触ってしまうのはよくないという思いがせめぎ合う中で、形だけは整えようとたまたま手に取った手帳が日記だと察したのは大方片付いた頃だ。
     先に弁明しておきたいが、開くつもりはなかった。断じて。指が薄い革の表紙だけをすくい取り、勢いのまま持ち上げたそれは何かが書かれているのは分かった。正確には何か、としか言いようがない。まず間違いなく英語ではない、くにゃくにゃと長い紐が文字とも記号とも判別がつかない筆跡が紙面を踊っている。恐らく彼の祖国の字なのだろう。読めなくて当たり前のそれらを識別しようとしたのか眺めていると、これは他人の記した物を盗み見ているのと同義ではないかと気づく。何が書いているのか分からずとも、盗み見は盗み見だ。
    1553

    recommended works