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    とわこ

    @towako71

    レツゴ(主にエリシュミ、シュミ右)とかレツゴストDKとか

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    とわこ

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    2025.01.26
    SPEED!!の新刊①
    サンプル

    好きって言え。練習走行の後、人の居なくなった更衣室。ミハエル達を先に着替えさせて帰らせた後。
    シュミットは、ベンチに座るエーリッヒを跨いだ膝立ちで、エーリッヒの顔を覗き込みながらその頬を撫でていた。
    「なぁ、エーリッヒ。お前、俺のこと好きだろう?」
    問うと、エーリッヒはシュミットを見上げながら
    「好きですよ。当たり前でしょう?」
    と答えて柔らかく微笑む。
    「当たり前の好き?それはどのくらい好きなんだ?」
    シュミットは言葉尻を捉えて訊ねた。
    「さあ、どのくらいでしょうね。どのくらいって答えたら正解なんです?」
    エーリッヒはシュミットを試すようにそう返す。
    「……面白くないな。俺のことを好きならキスをしろ」
    エーリッヒの唇に指先で触れながら、シュミットは命令した。
    「いま?ここで?」
    目を見開き、エーリッヒが問いかけた。
    「いま。ここで、だ。……できないのか?」
    シュミットはエーリッヒに顔を近づけた。じっと覗き込んだ目は、揺れることもなくシュミットを見つめ返してくる。
    「できますよ」
    エーリッヒはすぐにそう答えて。
    唇同士が軽く触れ合い、そして離れた。
    「…ほら、ね?」
    今度はエーリッヒが挑むようにシュミットを見つめてきた。
    シュミットは一瞬ぽわんと頬を染めたものの、しかしすぐにエーリッヒを睨み、
    「この程度のこと、キスのうちに入らない」
    と強がって返す。
    「じゃあ、どんなキスがお好みなんですか?僕に、どうされたい…………?」
    今度はエーリッヒがシュミットの頬を撫でた。
    すると。
    「ちょっと!お前らなにやってんの」
    大きな声で咎めるようにそう言われて、ふたりは反射的に顔を上げて声の方を見る。
    ドアがいつの間にか開いていて、そこにはエッジとブレットが立っていた。
    「…………いいところだったのに」
    シュミットは舌打ちをして、エーリッヒの上から退いた。エーリッヒもシュミットの頬を撫でていた手を下ろす。
    「いつから居たんです?」
    エーリッヒが淡々と、感情のこもらない声で問いかけた。
    「邪魔して悪かったな。でも、お前らもちょっとは場所を考えたら?」
    答えにはなっていないが、エッジが肩を竦めながらそう返した。ブレットはエッジの隣に立ったままだ。バイザーで表情が読めない。
    「ご忠告痛み入る」
    シュミットは不満気な顔をしたまま、思っていなさそうな口調でそう言った。
    「……帰りましょう、シュミット」
    エーリッヒが着替えの入ったバッグを二つ持って立ち上がり、シュミットを視線で促す。
    「ああ、そうだな」
    シュミットはブレットとエッジの間を通り抜けざまに、わざとブレットに肩をぶつけた。
    「おっと…失礼」
    それでもブレットは何も言わなかった。
    なんだコイツ。とシュミットは不機嫌に不機嫌を重ねて、ぷいと顔を逸らし、足早に宿舎に向けて歩き去った。
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