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    とわこ

    @towako71

    レツゴ(主にエリシュミ、シュミ右)とかレツゴストDKとか

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    とわこ

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    クリスマス前のアイゼンヴォルフ
    エリシュミ混じり

    「リーダー、リーダー宛に荷物が届いてますが」
    アドルフが、運送会社の伝票を手に、ミハエルに声をかけた。
    ヘスラーがその後ろに大きな箱を持って立っている。
    「あ!やっと届いたの!間に合わないかと思ったよ」
    ミハエルは、シュミットと打ち合わせ中にも関わらず、嬉しそうにソファから立ち上がってヘスラーの元へ足早に近寄った。
    「ミハエル!まだ打ち合わせが……」
    「いいでしょ、後にしてよ」
    ばりばりうるさい音を立てて梱包を解きながら、ミハエルはシュミットの小言をいなす。
    「全く……困ったものだ。あなたは、我がアイゼンヴォルフのリーダーなのですよ?そんなことでは困ります」
    そう言いつつも何が届いたのか興味を惹かれ、ミハエルの手元を覗き込むシュミット。
    しばらく見ていると、中から出てきたのは……
    「……ツリー?」
    「そう!クリスマスだからね!」
    嬉しそうなミハエルの笑顔に、一旦はつり上がったシュミットの眦も思わず下がってしまった。
    「ヘスラー、これ組み立てて?」
    「はい、リーダー」
    「アドルフは僕と一緒に来て。僕ね、部屋にたくさんオーナメント用意してるんだ!持ってこなくちゃ」
    「はい!綺麗なツリーにしましょうね!」
    アドルフを伴ってミハエルがあっという間に退室すると、シュミットはやれやれ仕方がないひとだな、と溜息をついた。
    「お茶を淹れました、休憩にしませんか……って、あれ?いない……」
    一軍人数分のティーカップと大きなポットを乗せたトレイを持ち、エーリッヒが姿を現す。
    「ミハエルは?」
    「部屋にオーナメントを取りに行ったよ。アドルフを連れて」
    「成程」
    エーリッヒはテーブルにお茶の用意をてきぱき整えながら、ヘスラーの組み立てているツリーをちらりと見る。
    「また随分と大きいですね」
    「そうか?小さいと思って見ていたが」
    「あなたのご実家や、ミハエルのご実家のツリーに比べれば小さいでしょうけれど。この部屋に置くにしては大きすぎるくらいですよ」
    エーリッヒは苦笑する。
    「上の方なんて、ミハエルでは手が届かないでしょう」
    「そうだな」
    「よし!できた」
    エーリッヒとシュミットが話しているうちに、ヘスラーが組み立てを終えてツリーを立てた。
    天井につかえそうなほど立派なツリーだ。
    「ただいま!ツリー出来た?」
    タイミングよくミハエルが戻ってくる。
    その後ろには勿論荷物持ちを務めるアドルフ。
    「出来ました、リーダー!」
    誇らしげにヘスラーが言えば、ミハエルは目を輝かせて、
    「わぁ!すごい!!ありがとうヘスラー!」
    とヘスラーに飛びつく。
    「じゃあ、皆で飾り付けをしよう!」
    わくわくを抑えきれないミハエルに、エーリッヒが穏やかに
    「その前に、お茶はいかがですか?せっかく淹れたのに、冷めてしまいます」
    と声をかけた。
    「そうだね。お茶ありがと、エーリッヒ」
    ミハエルがテーブルについたので、シュミットとエーリッヒ、アドルフ、ヘスラーも席に着く。
    「ねぇ、アドルフ、ヘスラー、君たちイブの夜は予定を空けておいてね。パーティーをしようよ」
    「はい、ぜひしましょう!」
    「美味しいものを食べてプレゼント交換をしようね」
    「プレゼント交換!良いですね!」
    アドルフとヘスラーのふたりは、敬愛するミハエルにパーティーに誘われて嬉しそうだ。
    「……ミハエル?私とエーリッヒは?」
    声を掛けられなかったシュミットが、訝しげにミハエルに訊ねた。
    「君は、エーリッヒとデートなんじゃないの?」
    ミハエルはきょとんとして逆に訊き返す。
    「デート?いや、そんな予定は……」
    「え?だってエーリッヒが僕に、デート向きの良いレストラン、紹介してって……君と行くんだとばかり…」
    「エーリッヒが?」
    シュミットが首を傾げてエーリッヒを見ると、エーリッヒは片手で顔を覆ってしまっていた。
    「どうしたんだ、エーリッヒ?まさか」
    「まさかってなんですか?いえ、その、………あなたと過ごしたくて、ちょっと良いレストランの予約、したんです。でも、そんな背伸びしたデート、誘い方が分からなくて………」
    「え?」
    シュミットはぽわっと頬を染めた。
    エーリッヒは、恥ずかしそうに「スマートに出来なくてすみません」と言いながらも、優しくシュミットの赤い頬を撫でた。
    「浮気じゃなくて良かったね、シュミット。言っちゃいけないこと言ったかと思って、僕ヒヤヒヤしちゃった」
    「エーリッヒは浮気なんてしません!」
    「僕は浮気なんてしませんよ!」
    シュミットとエーリッヒが上げた声が綺麗に重なり、ミハエルは笑った。
    「楽しんでおいで」
    「でも、予約はディナーなので。パーティーは昼間にしませんか?それなら、僕とシュミットも参加できます」
    「え!いいの!?参加してくれるの!??」
    ミハエルはエーリッヒの言葉に、嬉しげに手を胸の高さで合わせた。
    「もちろんです。ね、シュミット?」
    「ああ、私だってミハエルとパーティーをしたい」
    「わぁ!嬉しいな!ありがとう!」
    満面の笑みのミハエルを見て、シュミットは柔らかく微笑んだ。
    そんなシュミットを、エーリッヒが愛しげに見つめる。
    アドルフとヘスラーも、ミハエルが嬉しいのなら当然嬉しかった。
    「じゃあ、料理の手配と、プレゼントの用意をしなくちゃ!ああ、忙しくなっちゃうなぁ!」
    ミハエルの嬉しそうなセリフに、それぞれに頷く一同であった。
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