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    karrruko

    @karrruko

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    PAST2022年2月発行のオズフィガ本〈おまえの名と力にかけて〉より、フィガロが見ていた夢としてのパラロイ部、オズフィガがいちゃついている部分の再録です。

    ・二人は「北の国」の孤児院で育った幼馴染みで、色々あって義兄弟になり、シティに引きとられた設定です。

    ・オズにとってフィガロの夢を叶えることが第一義で、そのためにまずはハッカーとして金を稼ぎ、それを元手にして武器商人になろうとしています。
    「おまえの名と力にかけて」より一部再録 日曜日の早朝、午前五時十五分。
     オズは滲む涙と共に目を開けた。
     視界には夢がなまなまと鮮やかで、我知らず手を差し伸べる。救いたいのは砕けた欠片、ひとりの男の残骸だ。
     ありし日そのままの微細なきらめき。きめ細やかな乳白色とくすんだ青、血の色の赤、冬の海の灰色と大地の緑。正気ではうまく知覚できない奥底に、それら破片たちは荒れすさびぶつかりあって、大きな渦を巻いている。互いに身を砕き、磨り潰しあって、少しでも早くこの世から消滅しきってしまおうとしている。
     だが、そんな凄絶さと裏腹に、あたりには何の響きも聞こえてこない。一切の介入は静寂により拒絶されている。
     無音の内に滅していくのは、望みか意地か絶望か。
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    karrruko

    DONE①7/24無配をベースに、11000文字追加したものです。
    ②フィガロがモブの男娼を買い、彼に抱かれて満足している描写があります。
    ③フィガロがオズの前で酒の印象を伝えようとし、遠回しな性行為の隠喩を行う描写があります。
    ④スノホワ様のキスシーンがあります。
    ふいうち

     燃えるような朝焼けに目を細め、フィガロは森を飛翔した。こんな時間に野外をうろつくなど人間に傅かれて暮らしていた幼い頃以来だったが、ある意味で状況は当時より悪化していた。何せ師匠二人から〈オズの成人祝いを渡す〉という無茶な仕事を命じられているのだ。一度は石にするべきだとも思った弟弟子が、今どこでどうやって暮らしているのか、己は全く知らないと言うのに。

     この厄介な話は、昨晩唐突に降ってわいたものだった。

     高弟としての自覚というか二人から躾られた義理というかで、スノウとホワイトの館から出でて暮らして五年が過ぎても、フィガロは月に一度は彼らの前に顔を出すようにしている。昨晩もその習慣に従ったのだが、食堂に足を踏み入れた途端に嫌な予感に襲われた。テーブルには極上のマナ石と黒みがかったケーキが給仕されている。石はともかく、素朴な見た目のケーキが大いに問題だった。
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    karrruko

    DONE革命軍でレノとファウスト二人への恋心にあがいて疲れ、南に逃れたフィガロの話。
    着地はビターなレノフィガですがファウスト←レノックスの執着と、ファウスト←フィガロの執着が話のベースにあり、ファウストとの未来こそが自分の運命だとフィガロが語る描写が多いです。ファウストは理想に邁進していて、二人の真情が見えていません。

    アレクの話し言葉を捏造、モブ娼婦がレノとフィガロと親しげに会話する描写があります
    あがき(レノフィガ)2020年に開催されたレノフィガワンドロライ様お題「羊」に提出したものをベースに加筆修正しています。


     フィガロは最初、レノックスという男の存在を概念として捉えた。
     ファウストが弟子入りを願い出たとき、レノックスはその傍に控えていたらしいが容貌がまったく意識にのぼらない。なんだか岩石みたいなやつがいるなと感じたことだけは覚えている。魔力がすこぶる弱いくせに鉄心石腸というやつか、一度こうと決めたことは絶対に揺らがせにしない怖い心根のやつだとも意識の端にちらっと思ったがそれも一瞬だった。
     石が備え持つ不屈の精神の艶めきは、ファウストという華やかで明るく、柔らかな輝きの前にあっさり消え失せてしまった。だがレノックスは、ファウストの口を借りてフィガロの前に存在を絶えずほのめかせ続けた。
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    karrruko

    DONE【ご注意ください】

    ・レノフィですが、話の根底に400年前にオズ←フィの失恋・ファ←フィの失恋・ファ←レノの現在進行形で恋なのか愛なのかわからない感情があります。

    ・性行為の描写そのものはないですが、レノフィは肉体関係持っているのでその手の会話が出てきます。この話の中ではキスだけをします

    ・クックロビンがフィガロを苦手としている捏造と、ククカナ二人きりの際の話し方を捏造があります
    神様のわがまま(現在編)


    「フィガロ、珍しいもの持ってるね!」

     先日良い酒を教えて貰ったお礼代わりにと秘蔵の石をシャイロックに見せた途端、ソファに転がっていたムルがわあっとバーカウンターに寄ってきた。

    「やっぱり! ボルダのエメラルドだ。思い出が溜まれば溜まるほど、オパールみたいにきらきらぴかぴか光を放つ綺麗な石」
    「そう。だけど、今のこれは抜け殻だ。きみやシャイロックみたいな通人以外には、ただのガラス片にしか見えない。価値あるものが一夜にして無に帰すなんて、恋の終わりみたいでロマンチックだろ?」
    「少しお借りしてもよろしいですか、フィガロ様」
    「いいよ。どうぞ」

     シャイロックは真っ白な手巾を掌に敷いて、くすんだ緑の石を丁重に載せた。
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