それがきっと恋ならば僕は女の子が大好きだ。女の子のふわふわした髪の毛だとか柔らかい手だとか、女の子に触れるのも話すのも好きだ。
話をしていても物腰とか言葉遣いとかそういうものが根本的に野郎とは違って凄く落ち着く。
だから僕は遊びでも友達でも女の子が好きだ。
まぁ、どちらかと言えば遊んで欲しいし付き合いたいって言うのが本音だけど。
さて、そんな僕は最近悩んでいる。なんだかこの頃、あの朴念仁を自然と目で追ってしまっているのだ。
花街にいても極楽満月にいても閻魔殿にいても道すがら見かけるとつい目で追ってしまう。見ていて不快だと感じるのになぜか目で追っている。そしてなぜかアイツの隣に誰かがいるとなんだか眉を顰めてしまう事だって少なくない。
それはなぜか、と僕は悩んでいるのだ。考えても全然わからなくて僕は可愛い弟子に尋ねてみた。
見かけるとつい目で追ってしまい、誰かと一緒にいると眉を顰めてしまうのだがこれは一体どういう事なのか、と。
尋ねてからの愛弟子の返答は早かった。
ひどく理解不能だ、と不愉快そうに眉を顰めて愛弟子、桃タローくんは薬膳鍋をかき混ぜながら言った。
「それを恋と呼ばずになんというんです」
疑問形の様で確信を持った言い方で桃タローくんは言う。
「白澤様、無駄に長生きしてる癖にそういうの疎いんですね。あんなに女性の方と遊んでるのに…」
桃太郎は言葉を濁しつつ、ハッキリと僕の心を抉る事ばかり言う。
「白澤様って残念ですねぇ」
「言うようになったね、君」
溜め息交じりにそう言い返せば桃タローくんが悪びれもせず更に言葉を紡ぐ。
「で、そんな恋に奥手な白澤様がそんな事言うなんてどうしたんですか?好きな人でも出来ました?」
「あー、好きな人…?いやそれはなくない…?」
はっきりしない態度でそう答えれば桃タローくんはもうこちらを見る事なく薬膳鍋の調理に集中する。
なんだか少し見捨てられた様で寂しくなって僕は口を尖らせる。
「じゃあその人の事考えて下さい。その人の事どう思いますか」
「嫌い」
桃タローくんの問いにコンマ一秒も経たずに答えればひどく眉を顰めながら桃タローくんは言う。
「その人を目で追って近くにいる誰かに嫉妬してるのにそれって…あ、じゃあもしもその人に恋人が出来たらどう思いますか」
「…ありえないと思うけどなぁ、それ」
首を傾げつつ天井をぼんやりと見て言えば桃タローくんはあからさまに溜め息を吐いて「もしも話ですよ」と言う。
「で、どう思うんですか」
桃タローくんは答えを急かす。アイツに恋人ねぇ、仕事が恋人みたいなやつアイツに。
「うーん…あれかな、恋人なんて生意気って思うかな」
素直にそう言えば桃タローくんに「アンタ何様だ…」と呆れながらに言われる。
なんだかその言葉に少しムッとして茶化すように「神様だよ!」とけらけら笑いながら言えば桃タローくんは心底蔑んだ目で「腹立つ神様…」と小さな声で呟いた。その声は聞かなかったフリをして更によく考える。
もし、あの一本角がお香ちゃんや、リリスちゃん、マキちゃんと付き合ったら?確かにそれを僕は好ましく思わない。
だけどそれはお香ちゃんやリリスちゃん、マキちゃんと付き合えている一本角に嫉妬している訳であの一本角と付き合えない事には嫉妬なんてしていない。
「…筈だけどなぁ」
僕が小さく呟いた声は桃タローくんの耳には余り届かなかったようで「何か言いましたか」と聞き返された。
その声に「何でもないよ」と僕は手を振りながら答える。
益々僕は分からなくなって天井を仰げば桃タローくんが念を押すように言った。
「次にその人に会った時自分がどうして隣にいないのかって思ったらそれはもう恋ですからね」
言う桃タローくんの声を軽く流して「んー」と適当に相槌を打ちながら軽く笑った。
そうすれば桃タローくんはあからさまに疲れた様に溜め息を一つ零した。
その次の日の事、花街であの一本角を見かけた。
いつものように無表情な顔を張り付けていたけど今日は一人ではなく、見覚えのない金髪の男と何やら話しながら歩いていて僕はなんとも言えないモヤモヤを抱いた。僕はどうしてあの一本角の隣に僕がいないのか、どうして僕の隣にはアイツがいないのか、そんな事を思っていたのに気付く。
そして僕は自覚する。
僕はあの一本角に恋をしていたらしい。
昨日桃タローくんが言っていた言葉を思い出す。
“次にその人に会った時自分がどうして隣にいないのかって思ったらそれはもう恋ですからね”
その言葉の通りに思っていて如何に僕が単純なのかと呆れもするが思ってしまったのは致し方ない。
確かに僕はあの一本角の隣にいる金髪の彼に嫉妬していたのだ。気付いた僕は無意識に唇を噛み締めて踵を返す。
ふたりで歩いているのを見ているのに耐えられなくなっていたのだ。
いつもは走らない癖に全力疾走なんてして、息を切らして花街を出て地獄の門に駆け込む途中牛頭ちゃん馬頭ちゃんが声をかけてきていたけどそれも無視した。一本角のいる地獄にいたくなくて一刻も早く極楽満月に帰りたかった。
自覚したら最後ただただ辛いのが恋だとリリスちゃんが前に言っていた時僕はそれを嘘だ、と笑って恋はキラキラしたものだよ、と訂正したものだけれど今ならわかる。リリスちゃんの言っていた事が正解で、僕の言葉が間違っていた。
アイツが今誰かの隣に並んで歩いてると思うだけで途轍もなく泣きそうになってしまっていて、本当にどうして今まで気付かなかったのかと呆れて笑えてしまう。
僕はこんなにもアイツの事が好きだった。
一目散に地獄の門も抜けて僕は極楽満月に逃げ返る。
幸いにも桃タローくんは外出中のようで僕は極楽満月の扉を閉めてすぐその場に座り込む。
僕は今、どんな顔をしているんだろう。鏡を見るのも怖いほどに動揺していた。
自覚したら後はもう、後戻りは出来なさそうだ。
それからの僕は自分でも情けないとは思うけれど、あからさまにアイツを避けた。アイツを見ると反射的に避けて、仕事の話も極力桃タローくんに任せた。アイツに会わない様にと花街に行く回数も段々と減っていった。
桃タローくんはそんな僕を遊ばないのは良い事だ、と喜び半分心配半分に見ているようだったけど、話の内容も内容で相談する訳にも行かず言葉を濁して誤魔化していた。
そして逃げ続けていた僕一人の鬼ごっこが終わりを迎えたのは存外早く、突然の事だった。
いつもなら地獄に納品する薬がある日はいつ鬼灯が来ても良い様にと一日中お店は桃タローくんに任せていたのにその日はたまたま外に出るのが遅くなっただとか、桃タローくんを他の遣いに出していてお店に居ざるをえなかっただとか、鬼灯が思っていたよりも早く来ただとか、そういった不運のあれこれが積み重なって鬼灯と僕は顔を合わせる羽目になった。顔を合わせてしまえばそこから逃げるなんて地獄の鬼の前で僕には不可能な事で。
一先ず口を開いて怪しまれない様に装った。
「…お前か」
「薬、受け取りにきました。出来てますか」
極楽満月の扉に手をかけたまま鬼灯は僕に催促する。机の上に置いてあった出来上がった薬を手に鬼灯の顔を見ない様にと僕は椅子に座ったまま鬼灯の顔も見ずただ鬼灯の視界に映るように掲げる。
「出来てる」
鬼灯はそんな僕を見て極楽満月の店内に歩みを進めてそれを鬼灯は受け取りつつ、訝しむような声色で言う。
「あなた最近何避けてんです」
薬を受け取って仕舞うまでの時間潰しの雑談の様に軽く尋ねる鬼灯の言葉に僕は思わずたじろぐ。
鬼灯の顔も見れずにふい、と床に視線を落とす。
「別に…避けてないけど…」
「ではこっち見てください」
最もな事を言われ恐る恐る鬼灯の顔を見る。
久しぶりに見る顔になんだか恥ずかしくなってまた視線を逸らしそうになると、呆れた様に溜め息交じりに鬼灯が「その態度で避けてない、と?」と核心を突く事を口にして僕は何も言えずに黙り込んでしまう。
「…まぁ、あなたが私を嫌っているのは重々承知ですがそうあからさまに避けられては仕事に支障が出ます」
今までは確かに嫌っていたつもりだったけれど今は違う。
誤解を孕んでいる鬼灯の発言に僕は慌てて「ち、ちがっ、僕は嫌ってなんか…」と訂正をしようとするが、段々言葉尻は下がって消え入りそうな声になる。それを聞いてか鬼灯はまた大きく溜め息をつく。
その溜め息が気になって僕は鬼灯の顔を伺うために横目で鬼灯の様子を見る。
歯切れの悪い僕に痺れを切らした様で軽く腕を組んで鬼灯は僕の顔をじっと見て小首を傾げる。
久しぶりにまじまじと見る鬼灯の姿。いつもの着物に額に生える一本角。鋭い蛇のような瞳にきゅ、と閉じられた唇。
その閉じられた唇が小さく開く。
「ほら、ちゃんと言ってみてください。言わないと分かりませんよ」
久しぶりの鬼灯の姿になんだかドキドキして、まともに顔を見ていられなくてふい、と視線をおろす。
「…す、す」
僕は言おう、言おうと口を開く。好きです。たったの四文字だ。
女の子にはあんなに好きだと言えるのだから今回だってちゃんと言える。
そう思ったのに、実際に言葉になったのは全くの別の言葉で。
「…すき焼き食べたい」
「食べたらいいじゃないですか」
余りにも唐突な言葉に僕自身驚いてしまい、鬼灯を見る。アイツはあからさまに不可解そうに眉を寄せて答えた。
更に「桃太郎さんに言えば快く作ってくれるのではありませんか」なんて今晩の献立の背中を押すような事まで言う。
そうじゃない、僕はまた床に視線を落とし、一息。
「…そうじゃなくて」
「なんなんですか」
鬼灯も一つ溜め息を吐いて僕の言葉を待つ。僕はまた頭の中で言う事を反復して口を開く。
「えっとね、す…す…」
いつもよりもうんと小さい声で僕は何度も同じ文字ばかりを口にする。
やっと絞り出された言葉はやっぱり言いたかったことではなくて。
「…っ、スキー…行きたい」
「八寒へどうぞ」
「それでもない」
僕は手のひらを差し出して、ちょっと待って、とジェスチャーをする。
鬼灯は怪訝そうに眉を顰めて唇をきゅ、と固く結ぶ。
「じゃあなんなんです」
いい加減にしなさいよ、と鬼灯はひどくじれったそうに舌打ち一つ。それでも言い渋る僕を見て鬼灯は小さく「ハッキリしろ、ヘタレ」と呟いた。なんだかその声が僕の言葉を待っているみたいで、僕は震えながらやっと言いたかった言葉を言う。余りにも緊張していた所為か僕はほぼ涙目で。
好きです、付き合って下さい。格好良く言いたかったけれど、実際に言葉に出たのはあまりにもかっこ悪い告白で。
「好きぃ、本当に、好きなんだ」
ぐすぐすと鼻を啜りながら鬼灯の顔も見ず僕は言う。
ぽたぽたと床に落ちていく雫ばかりに視線を落として何度も、何度も。
「好き、好きなの、ごめん」
どんどん小さくなっていく僕の声に鬼灯は溜め息をつきながら小さく「…あなた、女遊び激しい癖に今更何を生娘みたいに泣いてるんですか」と呆れたような声色で言う。床に落としていた目線から見えた視界に少し影が落ちて、きっと鬼灯はしゃがんだのだと分かる。顔はあげられないまま僕は服の袖で涙を拭いながら格好もつけれずに答える。
「…だって、こんなにつらいと思わなかったんだ、本気なんだ、しょうがないだろ」
言いながら僕はやっと鬼灯の顔を見る。しゃがみこんで僕に目線を合わせようとしていた鬼灯はいつもより少し穏やかな目で僕をじっと見ていた。そして少し満足したような顔で鬼灯は手をあげた。
「告白の時にごめん、なんて謝るのはご法度だと思いますが…まぁ、及第点ですかね」
すい、と伸ばされた手を僕は思わず目で追う。
「…よく、できました」
上げられた手は僕の目の前を通過して、僕の頭に置かれた後、それから数度撫ぜられる。
僕はそれを黙って受け入れた。
「…嫌がらないの」
僕が小さくそう言えば鬼灯は顔をあげて、一度天井を見てから僕に視線を戻す。
そして意地悪そうに「嫌がって欲しいですか」と小首を傾げる。
「嫌がってほしいわけ、ないけど…」
最初は声を大にして必死に弁明するけれど段々僕の声は小さくなっていく。
僕は鬼灯に受け入れてもらえるとは思えない。
今まで散々嫌いだなんだと言っていたのに今更好きだなんて。大体、僕も鬼灯も男だ。
好きだと言ってはいそうですか、なんて都合良く受け入れられるような話ではないだろう。
そう改めて現実を見て考えるとあまりにも勝ち目のない想いに僕は泣きそうになって、叶わない恋をしてしまったのだと痛感する。また床に視線を落としてグズグズ鼻を啜り始めた僕に鬼灯は手を伸ばしてどこからか取り出したちり紙を僕の鼻にあてがう。
そして「はい、ちーん」とまるで子供をあやすかのように鬼灯は言う。僕はそれを拒むでも、文句を言うでもなく大人しく受け入れて鼻をかむ。酷く情けないザマでいつもなら馬鹿にするな、と声を荒げるであろうに今の僕は文句の一つも出ない。おずおずと鬼灯を見上げれば鬼灯は少し楽しそうに「みっともないですねぇ」と呟く。
僕は何も言えずに唇を噛めばまた鬼灯の右手は僕の頭へと載せられる。
「ばかなひとですねぇ、本当あなたは」
そのままぐりぐりと撫ぜられる。どうにもその手が温かくて、心地よくてそれを受け入れるために目を閉じる。
「散々女性に好きだなんだと甘言垂れてきた癖に私には言えないなんて、ほんとうに」
ばかですねぇ、と改めて鬼灯は呆れたように言う。僕はどうにも負けたような気がして口を尖らせる。
「だって、初めてなんだ、初めて嫌われたくないって思ったんだ。仕方ないだろ」
わしわしと撫で続ける鬼灯の腕を掴んで恐る恐る見上げればふう、とまた鬼灯は溜め息をつく。
「初めて、なんですねぇ」
少し楽しそうに聞こえる声色で鬼灯はまた僕の頭を撫でる。「悪いかよ」と気まずさに口を尖らせれば鬼灯は少し楽しそうな顔で―――とは言えいつも通りの鉄仮面は変わらないけれど―――僕が掴んでいた右手も気にするでもなく立ち上がりながら自身の口元に右手を持っていく。自然に僕の左手は鬼灯の右腕から離される。
「いいえ、中々にいい気分です」
満足気に僕を見下ろして言う鬼灯の顔を見て、僕はなんだか勘違いしちゃいそうで、おずおずと口を開く。
「…ねえ、期待しちゃうよ」
僕がそう言えば鬼灯は僕の顔をじっと見て少し目を細める。口元は鬼灯自身の手で隠れているけれど、きっと何か言葉を発そうとしているんだろう。僕は思わず鬼灯の言葉を待つ。
「期待しちゃえばいいんです」
その言葉を聞いて僕は息を呑む。すると鬼灯はまたしゃがんで僕と目線を合わせる。その目はまるで僕の先ほどの告白を了承しているようで、それから首をこてん、と傾けて言う。
「あなたが難しく考えるなんて、らしくもない」
少し小ばかにするような発言だったのにも関わらず、それさえも気にならなかった。
ただただ、鬼灯の言葉で改めて再確認した自分の想いを口にする。
「…好きだよ、鬼灯」
遠回しな鬼灯の告白で同じ想いだったと安心したからか、先程のみっともない告白はどこへやら。
今度はすんなりと言葉が出てくる。
その僕の告白を聞いて、鬼灯は満足げに目を細める。
「ええ、知ってます。白澤さん」
言ってふっと薄く笑った鬼灯の顔に思わず僕はドキリとして自身の顔を手で覆う。
「卑怯だ、おまえ、本当に」
滅多に笑わない鬼灯の薄い笑みにドキドキして顔が火照っていると自分でもわかる。
そんな僕の姿を見てか鬼灯はしてやったり顔で僕に言う。
「言うでしょう、惚れた方が負けだって」
じゃあ僕は負けっぱなしじゃないか、そう不服そうに言えば鬼灯に「あなたが私に勝てる訳ないでしょう」と当たり前のように答えられて僕はなんだか悔しくなって言葉を返す。
「じゃあお前はいつ負けたんだよ」
お前だって、僕の事好きだったんだろ。確認の様にそう尋ねてみれば鬼灯はすっと横目に流す。
きっと痛い所を突かれたんだろう、そんな鬼灯の姿に、にへらと笑えば鬼灯は不快そうに眉を顰める。その姿に念を押すように「いつ?」と尋ねれば開き直ったように鬼灯は口を開いた。
「出会ったその日、ですかね」
余りにもしれっと言う鬼灯の姿に、やっぱりコイツには敵わない、と僕はまた頭を抱えた。
「卑怯だ…」
「言えないよりは、マシでしょう」
嫌味の様な言葉にぐうの音も出ない。僕はまた唇を噛んで鬼灯の顔をじっと見る。向こうも僕から目を反らさない。じっと見つめ合ったのは五分程度なのにずっと見つめ合っていたような感覚に陥る。なんだか見つめ合うのが恥ずかしくてすい、と目を反らせば鬼灯が勝ち誇った声で一言。
「はい、勝ち」
お前今ここでそんな勝負するか、と怒るにも怒れず呆れて長い溜息を吐きながら言えば「幸せが逃げますよ」と吉兆の印である僕を舐め腐った発言をする。
「逃げるもんか、お前とやっと両想いになって幸せの絶頂なのに」
べ、と舌を出して仕返しのように言えば今度は鬼灯がすいっと視線を泳がせる。
「はい、お前の負け!」
してやったり顔で言えば無言で鬼灯に殴られる。
でもその一発もいつもより少し力が弱くて僕はまた、ふにゃりと笑った。
…僕は女の子が大好きだ。
女の子のふわふわした髪の毛だとか、柔らかい手だとか、女の子に触れるのも話すのも好きだ。
物腰だとか言葉遣いだとかそういうものが根本的に野郎とは違って凄く落ち着く。
だから僕は女の子とは遊びでも友達でも女の子が好き。
まぁ、どちらかと言えば遊んで欲しいし付き合いたいって言うのが本音だけど。
だけど、それよりもきっと僕はこの漆黒の髪を持ち、ゴツゴツした骨ばった手で僕を抓っては暴言と素っ気ない発言ばかりの、女の子とは真逆で可愛くない冷徹鬼神の鬼灯が何よりも誰よりも好きだ。
これがきっと恋なのだ。