学生さんと店員のお兄さん 大学の先輩である一成が、万里の趣味がカフェ巡りと知ってか、とある花屋に併設しているカフェを勧めてきた。花屋自体にはあまり興味は湧かないが、まだ開拓をしたことがないカフェ自体には興味が湧いた。一成曰く常連さんが多く、店内は落ち着いた雰囲気で、コーヒーの味もかなり良いと前評判がありタイミングを見計らって行ってみるか、と心の底で期待を膨らませていた。
とある日の昼下がり、その日の万里は午後から講義が始まる予定だった。講義室に着くなり同級生から声を掛けられた。
「万里ー今日のコマ休講になったらしいわ」
「…は?マジ?」
耳を疑ったが事実らしく、同じコマの学生らが帰宅やら資料室で自習をする為の準備やらをしているのが見えた。折角かったるい授業を真面目に受ける為に家を出てきたのに、と脱力しかけてしまったがふと思いついたことがあった。
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